1/100 Master Grade MS-06 F-2 ZAKU F2 customized for Shin Matsunaga |
管理人が2005年に作製した「シン・マツナガ大尉専用ザクF2機 (初代)」。今回の作品はそれをご覧になりたいへんお気に召していただいた某モデラーT様のご依頼により、2006年2月から新たに再製作させていただいたものです。途中、管理人の諸事情により製作が大幅に遅れ、ほぼご依頼から1年後の本日ようやく日の目を浴びることとなりました。製作依頼されていたT様には多大な迷惑をおかけいたしましたことをこの場でお詫びしたいと思います。さて、それでは製作途中の写真も一緒にどうぞご覧ください。( 詳細な製作記は「ザクログ」にてどうぞ。 ) |
1/100 マスターグレード MS-06F-2 「ザクUF2型(ジオン公国用)」改造 シン・マツナガ大尉専用高機動型F2ザク |
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製作に当たって前作のF2とは大きなコンセプトの相違はありません。ただし、実際にはかなりの「マイナーチェンジ」ができました。そのいくつかを挙げますと・・・ 1.マスターグレードF2ザクには[ ジオン軍用 ]と[ 連邦軍用 ]が発売されています、今回はジオン用を用いています。これにより付属してくる武器が多少異なってくる他、両者の成形色の違いにより塗膜の反映に差が生じてきます。オーバーコートがほぼ白色であるため光の透過する部分ではどうしてもやや淡緑色寄りに映りがちです。 2.形状的に大きく変えた部分はバックパック、スネのディテールなどです。バックパックはプロペラントタンクの形そのものを変更。また、ランドセルへの接続方法や、可動させる方法も大きく変更しています。 3.前作に比べ、ディスプレイ台のモールド、ディテールも大きく追加。 などなど、ひとつひとつ見ていくと結構違っていますので、以下、製作記ブログ(ザクログ)でも用いた写真なども使ってチビチビと解説してまいりたいと思います。 |
1.バックパックの製作 |
例によってバックパックにはMS-06R2、すなわちMGジョニーライデンザクのものを移植します。大きさ的にはまったく違和感ありませんが、背中とバックパックの間に若干の隙間が生じるためにすり合わせが必要です。またバックパックにはモノアイ点灯のために外部よりプラグピンが挿入されるため、内部にはギミック設置のためのスペースを十分に設けておく必要があります。 |
背中〜頭には写真のように配線が通ります。ただし、F2の胸部内側は決して空洞ではなく、中にはドテっと大きなひとつの箱状のパーツ(引き出し式肩関節を収めるパーツ)が詰まっています。したがって仕込むのはたかだか2本の線ながら、その通り道は肩の動きを邪魔しないよう胸の間を縫っていく必要があるのです。また、写真では露出している首周りの導線はのちに「首のパーツ」で隠れますが、こちらも頭の動きを邪魔しないよう、パーツの内周を大きめに切り欠いてやる必要があります。 こうしてよく「通り道」を吟味しながら工作、塗装を進め、最後の最後、組み立ての段階で各導線をハンダ付けします。ちなみに金属ハンダ自体電流に対しては抵抗となるため、ハンダ付けする箇所は必要最小限に抑えるのが良いようです。 |
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プロペラントタンクにはウェーブから発売されている「Gタンク(ショート)」を用いました。また、タンクは前作と異なりバックパックとは直結させず、スクラッチした「ブリッジ式のパーツ」を介する形でバックパックに連結させました。 |
この自作パーツによりタンクは上下可動、並びに「ハの字」開閉が可能になりました。この工作は前作にない大きく異なるポイントのひとつです。なお、「ブリッジ式のパーツ」はディテールの異なる2タイプを作製。また、比較対照用に一回り大きいプロペラントタンクを用いたものも作製してみました。 |
ところで、ザクの特徴的な機構としてフロントスカートからバックパックまでつながる「動力パイプ」があります。改造によりパイプ接続位置のまったく異なるバックパックに交換するため、F2キット付属の動力パイプの芯はそのままでは使えません。したがってこの部分のパイプ芯にだけ、太めのハンダを曲げて用いる事にしました。 |
うまく接続されたようです。 |
完成写真 : 右側から。 |
完成写真 : 左側から。プロペラントタンクの上げ下げ具合はこんな感じ。 |
プロペラントタンクのデカーリング。使用したのはバンダイ「ガンダムデカール」(HGUCジオニック社製MS用)、ウェーブ「Xデカール」(ライトグレー)、キット純正デカール、ならびにインスタントレタリング(名称不明)です。 |
ジオニック社のロゴはかなり気に入ってしまい、 今回あちこちに貼ってしまっています。 |
2.脚部の改造その1。スネバーニア部 |
ふくらはぎの改造です。片足に3個ずつバーニアを追加します。まずは穴あけ。時間がかかるのでエッチングソーは使いません。下書き後、ルーターの丸カッターで荒々しく切り取ります。その後デザインナイフや各種ヤスリを用いて各辺、角を丁寧に仕上げていきます。慣れてくれば一穴10分程度できれいに開窓できます。 |
続いて「フタ」の部分の作製です。プラの色から一目瞭然、切り取った面を利用したのではないということがお分かりでしょう。実際は1.2m厚のプラバンにヒートプレスで適度なアールを付与。これを型紙に合わせて切り取り、周囲を整形しています。一応開閉可動はしますが、付与したアールが適当なので完全に閉まることはありません。 |
内部フレームをディテールアップしているところ。バーニア基部となる部分はプラバンによる製作。これにコトブキヤの「モビルパイプ」「メッシュホース」などをデコレイトしていきます。 |
装甲をかぶせてふくらはぎの完成!バーニア「フタ」の部分はモールドを付けた一枚をさらに貼り、二重にしてみました。これによりメカニカルな雰囲気が少しアップしたでしょうか? |
すべてのバーニア、およびすべての「フタ」を閉めたところ。&開けたところ。なお、バーニアはクレオス社のメタルカラーシリーズ、[ ダークアイアン ] にて塗装しています。なおメタルカラーシリーズはこのように曲面の塗装にて他にはない素晴らしい輝きを放ってくれますが、磨き上げ後の塗膜の扱いとエアブラシへの詰まり易さが悩みの種です。 |
2.脚部の改造その2。ヒザシリンダーシャフト |
脚部の改修その2はヒザのシリンダーシャフトの交換。前作でも同様の改修を行っていますが、危なく失敗するところだったことを反省、今回は交換する金属シャフトの径(1.8mm)を特に厳守しました。結局1.8mm径の真鍮線orアルミパイプを近場で入手できず、代わりに流用したのは真鍮製の「釘」。カット等取り扱いは危険ですが、各径、各素材バラエティにかつ安価に入手できるのがグッドです。 |
完成したヒザ部分。足をグニュ〜と曲げていくと、当然ながらシャフト部分が外から見えます。なお、外から見えるフレーム(関節)の塗装にはパールを吹いています。 |
3.ヘッドユニットの作製 |
モノアイを光らせるための下準備です。裏側に発光ダイオードを仕込む為、既存のモノアイパーツは使いません。また今回、「見た目重視」ということで可動ギミックはオミット。その分、脇からの光漏れを完全にシャットアウトしたいと思います。まずはLEDと導線の通り道を確保するため、首関節を担うボールジョイントの受け部を撤去します。 |
ボールジョイントの受け部分の代わりに、エバーグリーン社の断面がL字になったプラ材を加工、写真のように配置します。これで導線の通り道、LEDの設置スペースが大きく確保できました。さらにこれに伴い胴体側の首軸もボール軸からコトブキヤ「ローリングジョイント」に交換。鉄棒を上から握るような形で頭部を後ハメするのです。 |
左が新しく作製したモノアイカメラ。古いザクマシンガンのスコープを流用しています。モノアイを交換する時の注意として径が大きくなりすぎないことが大事ではないでしょうか。今回は外周にリングをつけていますがここもすでに「径」の一部です。径のわずかな大小で顔の印象が全然変わってきます。一方、写真右がモノアイの後に置くLED。横からの光漏れを防ぐ加工の他、奥行きを少しでも減らすためLED先端はあえて削り落としています。 |
完成写真よりモノアイを発光させたところ。今回モノアイレンズ塗装には濃い目のクリアーレッドを採用しました。レンズにマシンガンスコープを流用したこと、およびLED球との二重化により、単調な光り方を避けることができたように思えます。複雑なカメラアイの内部構造を連想していただければ幸いです。 |
塗装 : 明るいグレー / (クレオス) ホワイト+グレーFS36231他。 動力パイプ / (ガイアカラー) スターブライトシルバー |
4.ショルダーアーマーの作製 |
左肩ショルダーアーマーのトゲを尖らせませす。前回はレジンなどを使い少々手の込んだ作り方をしましたが、今回はジョニーライデンザクのパーツを流用します。といってもそのまま移植するのではなく、以下のような方法によって尖らせたものを載せます。 1. トゲの先端に0.5mm径の真鍮線を差し込み、その周囲をアルテコで固定します。(写真1) 2. これをルーターに固定し、低回転で回しながらペーパーで研ぎ上げていきます。(写真2) 3. サーフェイサーを吹き、段差がないかどうかチェック。上手にできると皮膚に刺さるほど尖ります。注意!(写真3) |
完成したショルダーアーマー。J・ライデン機のものを使っているのでF2ザクの純正のトゲに較べるとかなり長めです。前後箇所にメタルビーズを埋め込んでいます。 |
前腕にもメタルビーズを配置。 |
5.ディスプレイ台の製作 |
前作と同じく電池を内蔵できるディスプレイ台を作ります。 | ||
1.市販されている飾り台用の板。隅に電池ケースを設置できるだけの穴を開けます。当然ながら、板は電池ケースの厚み以上の厚さがないとダメです。 | 2.木製板を塗装し、十分に乾燥させたら、厚手のプラ、or アクリル板で電池穴ごと覆います。あくまでも試し覆いであり、ここではまだ貼り付けません。 | 3.上に載せるプラバンをデザインします。今回もア・バオア・クーの内壁のイメージです。写真は、広告の裏にイメージデザインを描き出したところ。 |
板に載せるプラバン部分のデコレーションができました!塗装は面吹きの後、エナメルウォッシング、パステルによるウェザリングなどを軽く施しています。 |
プラバンを釘で打ちつけてディスプレイ台の完成です。なんとコードはソニー製!(たまたま。) 左下隅にはパソコンで打ち出したネームに透明アクリル板を被せたタイトルプレートを設置。このあたりの工作は基本的に前作とかわりません。ワンパターンっちゅうかね・・・ |
6.その他武器など。 |
【 ハンドグレネード 】 「近接戦闘用の手榴弾。使用時は柄が伸長し、より遠距離に投げることができる。」とのこと。というわけで、アルミパイプと「モビルパイプ」などを用い、柄を若干長く作り直してみました。 |
【 シュツルムファウスト 】 |
【 MMP−80 90mm マシンガン 】 |
【 280mm バズーカ 】
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あとがき | |
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以上、[ MS-06 F2 シン・マツナガ大尉専用高機動型ザクF2 ]を最後までご覧いただいてどうもありがとうございました。残念な事に「マイギャラリー」ながら完成体の写真はあまり無く、ほとんど「ザクログ」のおさらいのような内容になってしまいました。でもこうしてみると、これまでの間に結構な量の写真を撮り貯めていたことがあらためて分かります。ちりも積もれば山となりますか・・・ ちなみに今回当シンマツザクを作るにあたり、工作の比較用としてもう一体、ほぼ同じ内容のF2ザクを仕上げておりました。現在のところそちらはまだ未完成ですが、一応「アナベル・ガトー専用機」として、近いうち(?)完成の暁には当ホームページ上にアップする"かも"しれません。実際、映画版ZのHGUCサブメカや、近々発売されるであろうHi-νガンダム、例の1/35ジオラマシリーズ、ガンプラ以外のスケールモノなど、時間が限られる中で他にも作りたいキットは無尽蔵にあり、一方でまるでMMPザクマシンガンから射ち出されるかのごとく激しいバンダイさんの新作発売ペースに最近食傷気味な自分がいたりして、オレはいったい次に何を作るべきか〜!?と悩み、慎重になっているのもまた事実であります。 いずれにしても皆様、ミノフスキーカフェサッポロ、また次回作品アップの際にはどうぞよろしくお願いします!ではまた。・・・daimon2511 |