あの頃、空は僕達にとって特別な場所だった。
30年の時を経てようやくMATビハイクルを手にした僕達に、もう一度ウルトラの星は見えるのだろうか!?
( HASEGAWA解説書より、一部改 )

【 「ビハイクル」で正解なのです 】
ハセガワ社より、1/24 マットビハイクル(後期型)です。実は管理人daimon2511、ガンダムに勝るとも劣らない大の「特撮モノ」好きです。
まずはお若いモデラーの皆様にご紹介させていただきます。こちらは円谷プロ製作「帰ってきたウルトラマン」に登場する乗り物。劇中で活躍する「怪獣攻撃隊MAT」のクルーが乗り込む、通称「マットビハイクル」と呼ばれた特殊車両です。
実は管理人、ある日曜の朝、「ウルトラセブン」に出てきた「ウルトラホーク1号」を作りたい!という激しい願望に襲われまして。で、模型店に足を運んだまでは良かったのですが、肝心なお目当てを見つけられず激ショック。そりゃまガンプラなんかと違い、突然訪ねていって「あったあった。」なんて言えるほど流通はしていないんですがね元々・・・
それで結局そちらの在庫にあったのが、「ウルトラマン」に登場した「ジェットビートル」と今回の「マットビハイクル」。両者で悩みましたが、結果的には、「スケールモデルとしても組める!」という大きな言い訳(?)が浮かび、めでたく「マットビハイクル」に決定。実際カーモデラーさんからすれば、ドテッ腹にヘンテコリンなマークは付けられてるし、必ずしもスケールモデルとしては扱えないのかもしれませんが、素体はれっきとした日本を代表するスーパーカーですから。ええ。
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・・・とはいえ、当時子供過ぎた自分には、スーパーカーのフォルムやら性能ウンヌンよりも、やはり、怪獣の放った炎の中をガンガンとバンプしながら突き進んでいく爆走シーン、あるいは冬木透氏のワンダバBGMの下、ドアから跳び出すオレンジ色ユニフォームの猛者達の勇姿。それらの方が脳裏にはよほど強く焼きついているわけでして。なんだかんだでそれが全てなんですよね(笑)


ベースはマツダコスモスポーツ。世界初の2ロータリーエンジンを搭載し1967年に発売された。
そう、1967年とは、くしくも管理人daimon2511がこの世に生を受けた記念すべき年である。
またついでに、わが町旭川に「旭日山動物園」が開園したのもこの年である。
ま、それはよいとして、劇中、「マットビハイクル」として登場した車体は、フロントバンパー下のエアインテーク、
フェンダー横のマーカーレンズ形状などから、マイナーチェンジ後のL10B型であるという。


劇中、「マットビハイクル」に生まれ変わった実際のマツダコスモスポーツは、ロータリーエンジンのコンパクトさを生かしたその低く流れるような未来的デザインをもって当時の国内外のスポーツカーファンの多くを魅了しただけでなく、実際、最高速185キロ、ゼロヨン16.3秒という当時ではかなりの高い走行性能を誇ったのである。

ちなみに劇中では、リアのウイング状スタビライザーを持たない「前期型」と、スタビライザーを装着した「後期型」、さらに迷彩塗装を施した「野戦仕様」の3種類が確認されている。無論、今回の作例はスタビ搭載の「後期型」である。



さて、話変わり、この MAT VEHICLE 、ちょっとした外国人さんなら「マット・ビークル」と読むところでしょう。
んが、残念ながら(?)この車に限っては、「マット・ビハイクル」で正解とのこと。キットの箱にもそのようにカタカナで書いてあります。
というのも当時、スタッフ間での間違った読み方がそのまま誰にも疑われること無く採用されてしまったから、なのだそうです。
以来、各文献ともども「ビハイクル」で統一されていますが、なんともトホホな裏話ですねー。
ちなみに「ビークル」とは、英語で「乗り物、車」という意味でありました。


【 MAT-VEHICLE DETA 】
全長 : 4,130mm
全幅 : 1,595mm
全高 : 1,165mm
車両重量 : 960kg
総排気量 : 491cc×2
最高出力 : 128ps / 7,000rpm
最大トルク : 14.2mkg / 5,000rpm
乗車定員 : 2名



【 MODELING DETA 】
● パーティングライン消去
● ペーパー(〜♯2000)、 コンパウンド表面仕上げ
● 塗装: body color / white FS17875(GSI Creos) top coat / super clear (GSI Creos)
● super clear (GSI Creos)、TAMIYA COMPOUND (粗、細、仕上げ用) による研ぎ出し
● TAMIYA MODELING WAXによる finish coat
● 墨入れ(エナメル)

写真、上手く撮れませんでした。とか、いつも似たようなこと言っておりますけどね・・・タイヤ周りが真っ黒け。光当てる方向誤ったのが最大の敗因ですけんど。さらに言うなら、タイヤブラックとボディホワイトとのマックスなコントラストを、うちのデジカメじゃ限界あってちょうど良く読み取れんかったみたいです。一応、レフ板らしきもの使ってタイヤ周りに光を回してみたりもしたのですが・・・無念!効果イマイチでした。じゃあってんで、思い切って真横から光源当てたのですけど、うちの第2光源、ザ・デスクライトだと今度はボディが白く飛んじゃってもっとダメダメ。大事なMATのシンボルマークがM78星雲の彼方に消えて無くなりました(汗。デスクライトに可変光量コントローラー!みたいなのがついてりゃいいんですがね。(そっか、今度改造して作るか!)いやそれにしてもカーモデルの写真ってホント難しいです。白いボディカラーの光沢表現もかなり難しいし。でもやっぱ白黒限らず、ボディ光沢をダースベイダーのお面のごとくツヤピカ表現するには、キット表面の仕上げや塗装はもちろんのこと、なんといっても「商品写真」を写せるだけの写真技術、知識が必要とされるんでしょうねー。
んー、何事も勉強なんだなあ・・・・・・・・・・イヤでござる。



【 感想 : カーモデルとナオキ君 】

とにかく、久しぶり〜のカーモデル。こういったスポーツカーを作るのはいつ以来だったかなあ・・と思い返してみると、そうです、昔々「サーキットの狼」シリーズまでさかのぼる事に。
「サーキットの狼」シリーズ・・・
池沢さとし氏の名作「サーキットの狼」に出てくるいくつかのマシンが、電池&マブチモーター搭載で「走る」キット化されたものです。ちなみに私の卒業した小学校のクラスでは、おのおのが製作した「サーキット〜」マシンを持ち寄り、よく休み時間にレースさせておったものでした。父親の仕事の関係でその学校に転入してきた私も、ある日父親に手伝ってもらいながらひとつ製作、翌日のレースに出場したのを憶えています。結果は初出場にしてぶっちぎりの優勝!私は転向してきて早々、ヒーロー扱いに・・・
面白くなかったのはそれまで無敗だったお金持ちの子ナオキ君。「何かおかしいんじゃないの?」とばかりに、私のマシンを許可無く分解し始めました。
そう、実はたしかにそのとき、私のマシンには秘密があった・・・前日、父にモーターの取り付けを手伝ってもらっていた際、父は間違って説明書の指示より短くコードを切ってしまったのです。設計図どおりに行かなかった瞬間、「もう駄目だ」とばかり私はワンワンと泣いた・・・しかしそれを見た父は、「しょうがないな」とばかりテレビのアンテナコードの一部をぶっちぎり、移植してくれたのです。
ナオキ君はその改造を見逃しませんでした。まるでレギュレーション違反を発見したF1の役員のようでした。自分がヒーローになれた理由がそのアンテナコードにあったかどうか、今となってはわかりません。ただ、さいわいナオキ君とはその後もこじれることなく、むしろこれをきっかけに良き友として迎えられたのです。後日聞いたところによると、その時、彼にとっては勝敗に敗れたことが問題だったわけではなく、「コードをすげ替える」という技術に舌を巻いたとのことでした。・・・小1ですからね。 最後に・・・今回、マットビハイクルとどちらを作るか迷っていた「ジェットビートル」。あの愛らしい丸っこい機体も実に捨てがたかったですね〜。ん〜、よし、次回こそはそれで行きましょう。