ハンドルネーム、麺太郎さんからのご投稿です。
ファーストシリーズの名場面、 劇中、ゴッグが北欧の「ベルファスト」に上陸する場面をモチーフに作られたジオラマ作品!


使用キットは1/144 HG ゴッグ。このキット、MG版と違って頭が大きく、よりアニメに近いというか、チョコボール感満載?ですが、麺太郎さんのこのリアルなジオラマはそのような先入観を吹っ飛ばすのに十分な出来と言えましょう。また、「ベルファスト」という、その言葉を聴いただけでわれわれファーストマニアが嬉しくなってしまうような「舞台」に目を付けられたところもグー。作品はこじんまりとしながらもとても動的、かつ技術的にもハイグレードで、かなうなら管理人のコレクションにも加えたい一品に仕上がっています。主な改造部分は頭部。キット付属のモノアイパーツを使わず、新たにプラバンによる台座形成をおこなっているそうです。また、モノアイそのものにはウェーブ社Hアイズを使用。裏面からアルミテープを貼付している上、モノアイカバーには既製のブリスターパックを切り出したものを利用したそうです。なお、「ブリスターパック」とは、最近さまざまな商品のケースに使われている透明のアレです。さりげなく埋め込まれた頭頂部のメタルビーズもハイセンスですね〜。


ジオラマ全景を俯瞰(ふかん)から見た写真(左)と水没している方の足のアップ写真(右)。なんと左足はジオラマベースから外にはみ出しています。んー、素晴らしい発想です。なお、水没している方の右足はヒザ下で切断したあと石粉粘土「ラドール」で練った海面に埋めたとのことで、その後透明レジンを流し表面光沢を出したそうです。ときに、ベルファストの曇り空を映すような少し沈んだブルーの海面色も魅力的なうえ、白波のうねり、特に足に接しているあたりの波の表現力もこれまた秀逸です。


まさに初期の設定画を見るような、シンプルなHGゴッグの後姿。しかし、今回ジオラマに採用した大胆なポージングと、豪快な撮影アングル、そして光と影のメリハリのある写真は曲面中心のゴッグの形状を存分に活かしていると思われます。例えば写真手前に写っている脚部など、撮影はかなり硬めのライティングながら、とても美しい、きめ細やかな半光沢塗装でハレーションを起こすのをうまく自然にきりぬけています。こうした塗装は、しっかりとした表面処理と、適切な塗料の粘度、無駄のないハンドピースの動きが揃ってこそなせる業に違いありません。また、えてして汚くなりがちなイエローオーカーのグラデーション塗装も絶妙なレベルで抑えられており、その高度なテクニックに「本当に返り咲き??」と思わず疑ってしまうほどでした。


繊細な波の表現は、よく見ると白波の上縁が勢いで前方に倒れこんでいるのがわかります。残念ながらやや逆光気味、またブラウンが主なボディ色であるために、ゴッグ前面の詳細なカラーリングが判別しにくいのですが、もし麺太郎氏がこれらの写真を単にキットの「説明写真」としてではなく、ジオラマ(情景模型)の演出のひとつとして狙い撮りしているのなら、むしろその光の使い方に驚愕の念を抱かずにいられないところです。はたして真実はいかに??




潮をイメージした過度ではないウェザリングが良いですね。アニメ設定でいくのなら、このときゴッグは「新型モビルスーツ」のはずですから、あんまり汚れていないのが自然ですから。



【 麺太郎さんからのメッセージ 】

実は今回の作品を作るにあたり、daimonさんにいくつかアドバイスを受けていました。(例えば、片足を切って水中に入れてしまうとか、ベースに片足乗せちゃう構図とかの発案は、daimonさんによるものです。)
もともと子供の頃に戦艦ものをよく作っていたので、こういった水にまつわるジオラマを作ってみたいなと思っていたんです。そんなとき、店先で大好きだった「ゴッグ」を偶然見つけてしまい・・あとは心の赴くままに手が動いていました。苦労した点はやはり波。艦船と違うのは実際このようなMSが上陸する際に、どんな波が、どれくらいの高さ、形、どのような勢いで起きるのか想像つかなかったことです。波の製作は、まず木製ベースに「ラドール」(石粉粘土)で波を形成し、エアブラシで塗装後、クリアレジンを流しました。粘土が乾燥するにつれ、ひび割れや収縮などが起こり、ベースから離れていってしまい、ここでも苦労しました。でも、ガンプラの世界ってやっぱり夢があっていいですよね。これを機にまた本格的に始めてみたいと思いました。(昔よりは自由になるおこづかいもありますし・・・あとは奥さんを説得して、と・・・)さらにできることなら、いずれは皆さんのようにホームページも立ち上げてみたいですね。まあ、それは遠い先の話です・・・その際は皆さん、どうぞよろしく。


【 daimon2511 より 】

「daimonさんの発案です」は別に載せなくても良かったんですけど、
麺太郎さんが、「自分の手柄にしたくないんでどうしても!」とダダをこねるので載せてあげました。
ちなみに、「片足ちょん切り法」は昔からあったんじゃないでしょうか。忘れちゃったけど。
まそれはいいとして、いきなりのご投稿がこんなにインパクト強い作品で、うれしい反面、管理人はびびりまくりです。
正直、他のモデラーさんが送れなくなっちゃうぢゃないですか!!まったく!

今回のご投稿作品を拝見して、わたくし管理人もこのようなシンプルで作りやすい、
「遊べる」キットが欲しくなってしまいました。早速模型屋に直行です。

麺太郎さん、返り咲きおめでとうございます。そして、あの頃の気持ちを忘れずに!
Papa,Comeback !!