な、なんだこいつ。光るぞ・・・ウワァァ!・・・(??)
記念すべき、初の店頭コンテスト出品作品にして、初のオークション出品作品。2003年9月完成!


【 苦いおもひでぽろぽろ 】

管理人がガンプラに再びのめり込んだのが2002年の熱い夏。このグフを仕上げるまでの間には、すでに[ RX-78 ]と[ シャアザク ] の2体のMGを作っていましたが、その2体、いずれも写真などを撮っておらず、当の完成品も破損、もしくは風化(?)などしてしまいました。
そんなもので、このMGグフこそが復帰後最初の作品!などと勝手に考えているわたくしですが、「最初(?)」のわりにはLEDなんぞを2箇所に組み込んだり、気づけばなかなかのカラクリ人形に仕上がっていたりするわけです。
実はこのグフ、管理人の無謀な決断により、地元模型店主催のガンプラコンテストに出品され、あえなくなーんの賞もいただけなかった「哀・戦士」であります。作っている最中こそ、「おおっ、これなかなかいいんじゃない?もしかして入賞いけるんじゃなーい?」などと考えておりましたところ、現実はそんなに甘くはなし。いざ店頭に持っていくと、周りに並んでいる作品群のあまりのハイレベルさに完全に及び腰・・・まるで置き去りにするかのごとく逃げ帰ったのを今でもよく憶えています。
無論、営業時間中に当作品のウリである「モノアイ&コクピット」などを発光させてくれるチャンスなどもなく、さらに、店の明るいのショーケースに展示されるのと、家の暗い本棚に飾られるミノフスキーカフェのコンセプトとはそもそも違うわけで、無念にもそのコンテストにおいて、当MS-07Bグフはあえなく、隣に並ぶ巨大な「Ex-sガンダム」の引き立たせ役に甘んじ終わったのでありました。


【 出戻り、そしてオークションへ 】 

そうですね、当カフェ管理人、思えば期日に合わせて作品を作れない性分なのはその頃からすでに分かっていたわけです。なのに、今でもあちこちのコンペに気前よくエントリーしてはご迷惑をおかけしている次第でして・・・まったく面目ない有様です。
さて作品の方、その後はどうなったかと言いますと、結局そのお店のコンテストの終了後、不十分だった箇所を補う意味で家に持ち帰り再塗装。エッジを中心にクリアブルーをコーティング、深い光を放つように少々磨き上げてみました。今ならそうですね、一度組み上げてしまったキットに再塗装だなんて、面倒臭くて100パーセントやらないことでしょう。
結果、コンテストに出したものに比べると、まったく別のイメージの作品に生まれ変わっちゃいました。これは、「模型って最後まで楽しめるんだなあ・・・」と発見した瞬間でもありました。
どうぞみなさん、一度は不満足に終わった作品でも、うかつに「燃えないゴミ」に出すことなく手を加えてみてください。原油価格が高騰する昨今、プラスチックは貴重ですぞ!
模型屋さんコンテスト出品の他にもうひとつ。当カフェ管理人にとって思い入れ深いのは、このグフをもって初めて「オークション」なるものに出品したことです。初の出品、かなり緊張しました。だれも入札してくれなかったらどうしようとか、苦情が来たらどうしようとか。また、緊張以前の問題として、出品までの手間や手順を理解するのも大変でした。模型を作る、うまい写真を撮る、IDを取得する、口座やカードを用意する、そして発送する。これらの行程を一人でやらないとならないなんて・・・別に商売じゃないわけですから面倒ならやらなきゃいいわけですし、落札価格によって一喜一憂する必要もないのですがね。 とにかくすべてが初の試みでした。そして初めて値がついた時、そして落札していただいた時、本当にうれしかったのを憶えています。ありがとう皆さん、ありがとうゼロナナビー!


【 改造箇所について少々しゃべるの巻 】
上の写真。もともと写真も暗いですが、モノアイカバー(バイザー?)は裏面からスモークを吹き付けて、モノアイ消灯時には真っ黒けに見えるようにしています。ファーストシリーズ本編にもよく出てきたあの、モノアイが「ボーン」と浮かび上がるシーン。少年時代からのあこがれだったあのシーンをとにかく再現したかったのです。下の写真で実際にLEDを光らせていますが、なかなか雰囲気でていませんか?もちろん画像処理のたぐいは一切しておりませんyo!
ちなみにLEDは白色のものを用いています。濃いピンクに塗装したウェーブ社の「Hアイズ」を透して、ちょうどいい具合に発光させることができました。白色は赤や緑に比べるとちょっと値段がお高いのですが、微妙な発光色を演出するには断然有利です。一度MGグフを作ったことのある皆さんはお分かりだと思いますが、コックピットハッチは、もともとオレンジ色の軟質素材クリアパーツです。これはまた三角錐の形をしていまして、そのまま裏から照らしても均一な光を放ってくれませんでした。そのため、地道な作業ながら、これを薄く薄くヤスッて板状に整形し直しています。
モノアイ、コクピットのそれぞれのLEDの配線はそのまま片足のフレームを通し、足底に抜いています。一方、電源である電池とスイッチは木製ディスプレイ台に設置されており、足底とディスプレイ台はピンジャックで接続されるため、脱着が可能。んー、写真がないのが残念です。あと、言い忘れていましたが、鼻、改造しています。今回、鼻というか口というかはプラバンとパテでスクラッチングしています。アニメ風というか、ちょいと大河原風をイメージしてみたかったのです・・どでしょうかね?



 左手のマシンガンハンド(?)は指の1本1本を丹念にリューターの先端に取り付けゲート処理を施しました・・・・と、ここまでは聞こえが良いのですが、な、なんと、回転数が大きすぎたため数本が摩擦熱で溶けてしまいました。当然この程度、今ならプラ棒うんぬんで新しくスクラッチすると思われますが、なにせこの頃はさまざまな局面で初の試みばかりでしたから。結局、取り寄せまでに時間のかかる「パーツ請求」も避け、素直にもう1体買うことになりました。我ながら、この段階で大いにプラスチックを無駄にしているわけでございます・・・トホホ。なお、右の写真は、今回数少ないウェザリング箇所のひとつ、「ランドセル」であります。



【 ザク、グフの丸っこさに惚れていたのだった・・・ 】

少年時代、初めてザクやグフなどを見たときに感じた衝撃。初放映から25年がたった今、ガンダム以前の「敵ロボット」には感じられなかった強烈なインパクトは、いったいそれらMSのどこから発せられたのかと考えてみたことがあります。(ヒマ?)
乗っている相手が宇宙人じゃないとか、毎回同じ敵ロボが出てくるとか、「量産型」だとか、「○○専用」だとか、富野ワールドの設定自体がそれまでの作品と違っているおかげも当然あったでしょうが、やはりなんといっても、これら「モビルスーツ」を初めて具現化できた当の大河原氏の秀逸なデザインセンス。当カフェ管理人にとってこれ以上ない革命でした。
単にかっこいいだけでなく、あれだけシンプルで魅力的な「ザク」。ミッキーにしろ、ドラえもんにしろ、永遠に愛されるデザインというのは少なからずシンプルなデザインでなくてはならないと思うのです。ただ、ロボットアニメの世界、シンプルさとかっこよさと両立させるのはとても難しいのも事実。豆腐に手足ついたようなんじゃ当然駄目ですが、そこをいくとファーストシリーズ、豆腐まではいかないにしろ、「シンプルさ」と「かっこよさ」、この2つの要素を併せ持ったMSがなんと多かったことでしょうか。
さて、ザクにしろグフにしろ、 私が感じた良い意味での「違和感」は、それまでのロボットと違い、球面のアレンジがとても魅力的だったことです。(もちろん子供の頃にはそんなマセたこと考えちゃいませんでした) たとえばこの写真の頭と両肩にも見られる球体のアンサンブル。私がマスやバスの仲間であったら、この魅力的な形状のルアーに思わずかぶりついたことでしょう。
ザクやグフを作るときはいつも、どうすればこれらの球面をより魅力的に見せることができるかを考えていたりします。単にグラデーションをつけて塗装するにしても、ベースとハイライト色のトーンバランス、深さ、透明度、光沢感、光沢にするならばそのクリアー層の厚さなど、答えはひとつではないし、すべて試してみなければわからないわけで。そこが、ある程度答えの決まっているスケールモデルには無い「ガンプラの魅力」であり、同じキットでもついつい「また買っちゃおうかな・・」と考えてしまう理由ではないでしょうか。