就学問題


 学園の年長になると、「就学」が話題になります。
どこの小学校へ進学するか、ですね。
上の子ども達は、時期になれば役所から地域の学校への入学説明の通知が来ましたから、ああ、こんなことがあるのかあ、って思いました。
 ここでは、市の就学判定委員会というのがあり、その担当者と保護者が相談して話を進めていくみたいです。
学園に判定委員の方が来て、子どもの様子をみたり、簡単な検査もするのかな?
保護者とは、やはり学園の応接室で個別で相談の時間がありました。6月頃だったと思います。

 昴については、両親ともに養護学校を希望していたので、その旨を伝えました。市内には知的障害の養護学校は、県立の1校だけです。
相談に応じてくれたのは、養護学校の小低部長の先生でした。(偶然にも高校の同級生だったので、ざっくばらんに話ができました。)
  ・身辺自立がまったくできていないこと
  ・言葉も一言も出ていないこと
  ・周囲とのコミュニケーションがとれないこと
などなど、いろいろあったと思いますが、「養護を希望してるのよ。」と言うと
 「それがいいと思う。」
との返事。判定委員の方のお話と、保護者の希望を持ち帰って、検討して、市からお手紙が来るわけです。
「養護学校への入学が適当と思われます。」って感じだったかな?
もちろん、その判定に不服があれば、何度も相談に応じてくれるみたいです。

 すぐとなりが、地域の小学校なんですが、まったく考えなかったわけではありません。
情緒、知的の特殊学級があり、担任の先生も養護学校で何年も経験のあるベテランの先生です。
上の子ども達が通学している間、よく特殊学級の様子を見る機会がありましたが、オープンでとても明るい雰囲気。
子ども達や先生方もある程度慣れています。
学園で2つ上だったお友達も通っていますが、行事もがんばっていました。
娘のクラスにも、特殊と行き来している子がいましたが、クラスメートがさりげなくフォローしてる感じがいいと思ってました。
市内では評判がいいらしく、住所を移して(引っ越して)通ってる子もいます。

 でも、昴には養護学校を選びました。
集団の中でやっていく前に、まだまだ個人で身につけなくてはならないことがいっぱいでした。
「我慢」しなければならない場面も多そうだし。「我慢」できるレベルじゃないし。
それに、あまりに近すぎました。
上の子達が外で何かやってても気になってしまった私です。昴がとなりの学校にいれば、毎日朝から帰るまで気になるに決まってます。
昴にとっても、家と学校は区別したかったし。

 2回、養護学校は見学に行き、卒園時のお母さん達の話を聞く会も毎年ありました。(学園の勉強会)
判定委員の先生の話を聞く会もありました。
「みなさん、とても悩むと思いますが、今の判断が、一生を決めるものじゃない。こっちの道を行ってみて、あわないようなら、違う道に変えることも
できるんです。」

  そうなんだ!  みんな不安なんですよね。この判断が、我が子の一生を決めてしまうから。でも、やってみなくちゃわからない。

 自分を納得させて、「養護判定」の通知を受け取りました。

 あれから4年.....大きく成長した姿を、今度学園の先生に見せに行こうかなあ?昴はきっと「行かない!」って言うね。
もう卒園したら「最終回」すぎてるから。

 あの時の判定委員の先生は、これまた偶然、地域の小学校の特殊学級の先生でした。しかも、娘の部活の顧問だったので、
今でもたまに道路で会ったりすると
「でっかくなったなあ!」
と言ってくれるんです。