大嶽丸はお伽草子『田村の草子』に書かれている妖怪で、酒呑童子・玉藻前と並び称される中世三大妖怪の一人であるが、どういうことか知名度が前者二人に比べて極端に低い。おそらく、この物語は複雑な構成とやや異なった複数の物語から成り立っているためと思われる。 さて、実はこの原形を同じくする複数の物語で語られる鬼の役割が大きく異なる。今回はその鬼の役割に着目し、物語での鬼の存在について考えてみた考えてみたい。