肉体と精神を完全に分離させ、精神を完全に薄明界に飛ばしてしまっている状態での精神のことを意識体と呼ぶ。これこそが薄明界の項で説明した物質界から薄明界に移ってきた存在である。 意識体として精神を肉体から切り離している場合、肉体はほどなく仮死状態に近い睡眠状態にある。一種の幽体離脱と考えて差し支えない。 なんらかの理由により、意識体が死滅した場合、肉体は廃人同然のまま生き続ける。逆に肉体がなくなり、肉体に戻れなくなった意識体はやがて鬼と化していく。意識体は意思を持った気の塊であるため、肉体からの気の供給が絶たれた場合、地脈から気を得るしか存在を維持する方法がなくなってしまう。そして、地脈から気を得ていると地脈の中の記憶をも得ることになる。やがて、その記憶と自分の記憶とが混ざり合い、曖昧になり、その意識体は鬼と化していくのである。鬼と化さずに存在を維持するためには、陽の気からのみ気を得ていれば良い。 |
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