静かに、ただ静かに、オルエの中を行き来する。 十分に霊薬で慣らせた接続部は、やはり本来の目的に逆らっているせいか窮屈ではあるが、 ことさらオルエを傷つけているわけでもないらしい。 焦る気持ちはない。 むしろビジャックの心はずいぶん穏やかだった。 ゆっくりと挿入を繰り返す。 昼下がりの光が、暗い室内に浅い色彩をおとす。 オルエはうつむき、シーツを掴んでいた。挿れるたびにそれが擦れた。 行為は全てが許されている。部屋は安堵に満ちていた。 焦る必要などない。ゆっくりと、かくじつに。 オルエの中に、 挿れて、 ずるりと引き抜き、 また挿れては、 優しく抜いた。 何度も。 (途中、馴染みの客が注文していた剣を受け取りに家へ訪れた。ビジャックが家にいる時間だったから、それは当然だ。若干親しい仲だったので、その客人は直接、家のドアを開けて、ビジャックを呼んだ。ビジャックは黙って衣服の寛ぎを整え、部屋を出て、客人に挨拶した。工房から目的の剣を運んできて、その出来について少し話し、メンテナンスの仕方の相談を受けて、それに答え、軽い世間話を口に乗せて、機嫌よく彼を玄関で見送った。) 部屋に戻って来ても、出て行った時と全てがまったくおなじだった。 相変わらず静かで落ち着いた空気が充満していた。 ビジャックは霊薬を手にとり、ベッドに横たわるオルエの中をほぐして、再び衣服を寛げ、 ゆっくりと挿入する。 お互い、ちゃんと息をしているのかと思うほど静かだった。 オルエの肌に触れ、挿れたときと同じぐらいの速度で抜く。 何度も。 オルエは黙っていた。 部屋は安堵に満ちていた。 |