剣を持つ目的 昔はそれを持っていた しかし今は“分からない” “ない”のではなく“分からない” とても大事なことなのに 忘れてしまったようだ・・・・・・・・・
ほかの兵士はツァイの手伝いに向かわされていて、ほとんど人もいなかった。 はジュースを頼むと、ルカやこれからの動きに伝話し合う。
「ナナミ?大丈夫だよ。怪我もう残ってないし・・・・・・」 「そうじゃなくて、村が襲われた時の君変な顔してたよ?」 「え?」
どうやら自分の感情に対する戸惑いが顔に出ていたらいい。ナナミに心配をかけてしまったようだ。 は明るく笑いながら、『なんでもないよ。大丈夫。』と言うと、カップを仰ぐ。
「え・・・!?君!?」
頭はパニックを起こしていて、何が何だか分からない。 いや、カップの中身だけが原因とは思えないほど頭が回転しない。
「当たり前だ。アルコール度93%のウォッカ【スピリタス】を一気飲みしたんだからな。」 「う、うぉっかぁ?・・・・・・・・・・・・・って、ウォッカぁ!!??」
は一瞬ウォッカが何だか思いつかない。 【ウォッカ:アルコール度数が平均的に高く、悪酔いをしやすい酒。少量づつ飲むのが基本。】 そんな言葉が頭の中を流れる。
「君突っ込むとこ違くない?」 「お前が隠し事をするのが悪い。」 「ちなみに発案は僕とジョウイです♪」
は何が何だか分からないが、一つだけ分かったことがある。 フリックが不機嫌だ。それも激烈に。
「昼間のことだよ。」 「ひるま・・・・・ルカとやりあったこと?」 「違う。」 「・・・・・・・・・・・けがしたこと?」 「違う。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しょるいぃ〜?」 「違う!!」
は勢いに押される様に仰け反ると、思わず『まぁまぁ・・・・・・』と宥めそうになる。
「はぁ・・・・・・・・・・・?」
はて?と首を傾げるにビクトールが解説を入れる。
「変な顔って、アレはただ思い出しちゃっただけでぇ〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。」
フリックはジト目、ビクトールは苦笑、とジョウイは腹黒い笑み、ナナミはキョトンとしている。 ヤバイ。何だかヤバイ気がする・・・・・・・・・ 此処は一つ水を飲んで落ち着こうと、レオナさんに水を頼んで、一気飲みをする。
「今度はジンをチョイスしてみました♪」 「こうも引っかかってくれると嬉しいですねぇ♪」
フリックは同情の欠片も見せずに淡々と質問をしていく。 は答えないように、はぐらかすようにしていこうとするのだが、強い酒を一気飲みしたせいで口が勝手に動いていく。
「え〜?ルカにいわれたことですよぉ〜〜」 「ルカに?何いわれたんだ?」 「えぇ〜〜?いいたくないでぇ〜すぅ」 「いいから言ってみろ」 「やですぅ〜」 「・・・・・・・・・俺達にいえないことなのか?」 「ん〜そういうわけじゃぁ、ないですけどぉ〜〜〜」 「だったら言ってもいいだろう?」 「どうしてもですかぁ〜〜?」 「どうしても。」 「きらいになるかもですよぉ〜?」 「ならない。」
「そうだな。でも此処は吐かせちまったほうがにとってもいいだろう。」
時間が経つにつれて、加速度的に酔いが回ってきているようだ。 いつもはどこか必要以上に人に関らない感じをうけるが、今はボヘボヘ〜としていて無防備な上に、元々の顔の良さとあいまって幼い感じがする。 ビクトールはそんな様子を見ていると、どこか微笑ましくて笑いがこみ上げてくる。 は小首をかしげながら、困ったようにしている。
「なんですかぁ〜?」 「言わないと嫌いになるぞ?」 「ええ〜〜!!じゃぁいいますぅ〜」
(((子供だ子供!!!))) ビクトールたちはさすがに内心突っ込みを入れる。ジョウイなどは『いつものカッコイイさんはどこに・・・・・・?』と嘆いている。 だが、中心の二人はそんな外野の声なんてどこ吹く風。耳に届いてすらいない。
「言われたのは?」 「おんなじだていわれたんですぅ〜」 「同じ?」
とルカの共通点なんてあるのか? 全員の顔にはそう書いてある。 はそんな様子に気づくわけもなく、こくんと頷く。
みな驚いて言葉が次げないようだ。 そんな中、流石というべきか、ナナミがフリックについで弱っているに質問をする。
「だって、あのこーけーみても“あぁ、またかぁ〜”ってナンニモかんじなかったんですよぉ?おかしいでしょぉ?」 「そ、それは慣れちまってるからじゃぁ・・・・・・・・」 「え〜?じゃぁ。ビクトールさんはそんなものになれちゃうんですかぁ?」 「それは・・・・・・・」 「なれるもんじゃぁ、ないでしょうぅ?」 「・・・・・・・・・」
実際自分が何度もそんな光景を見てきたとしても、頭に血が上ることははっきりと分かる。 こういうことから言えばの神経は普通ではない。狂っているといっても過言ではない気がする。 しかし、直感的に違うと思う。 そんな風に悶々と悩むビクトーの代わりに今度はジョウイが口を挟む。
「うん。しんぱいした。」 「狂っている人が他人の心配なんてするもんですか?」 「それは、しないとおもうけど〜」 「じゃぁ、さんは違うじゃないですか。」 「んん〜〜〜?」
ルカと同じように狂ってきた人間は多々見てきた。しかし、どの人も他人の心配も、自分の心配も見えていなかった。 見えていたのは目的だけ。そのためにはどんなこともやってもけた。 そういうことでは確かに自分は当てはまらないが、まともな神経をしていないことも確かだ。
「ねぇ、そういえば君?」 「なにだい?ナナミ?」 「君、たちがツァイさんに当身食らわされた時も変な顔してたよね?」 「へんなかおって〜びっくりしただけだよぉ〜?」 「びっくり?」 「うん。びっくり。」
その言葉にがいぶかしむ。 フリックも納得がいかないような顔を青している。
「はい〜」
は何となくピンと来るものがあった。
川で僕と知らない女の人が溺れています。どちらを助けますか?」 「〜」 「女の人は?」 「たすけるけどぉ、たすけてからぁ〜」 「なんで?」 「しぬのやぁ〜」 「なんで女の人も助けるんです?」 「だって、いやでしょぉ?」
どうやら周りの人間も分かったようで、呆れていたり、呆然としている。
「狂ってるって言わないだろう・・・・・・・・(ビクトール)」 「さんって意外と馬鹿ですか?(ジョウイ)」 「君って、自分のことが分からないタイプ?(ナナミ)」 「えぇ〜なにそれ〜!」
はまだ分からないのかと溜息をつくと、に真実を教えてやる。 「えぇ〜まともじゃないのにぃ?」 「まともじゃない=狂ってるってもんじゃないでしょう。 貴方のは単に仲間以外を大切に思いにくいって事でしょう?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうなの?」 「「「「「そうなんだよ(です)」」」」」
フリックは決定的なことを言う。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。」
そのため、ビクトールがの酒に対する耐性をつけようとたくらむ原因となる。
剣を振るう理由 戦う目的 それはこの手で守れるだけのものを守るということ 大切なものだけはこの手で・・・・ それは至極簡単なもの だけど簡単ゆえに忘れていて 周りの人に迷惑をかけてしまった しかし 何故だろう 心配されて嬉しい気がするのは・・・・・・・・・・
あはははは!!ドリ主壊れてます!水谷も壊れてます! |