シトロエニストは、細かな不具合には動じない。というか、いちいち気にしているようであれば乗れない。まずは、故障ではない、ご愛敬とも言える症状からみていこう。
センターパネルのリッド(ふた)
Xantiaのセンターパネルのオーディオ部には蓋がついており、音符のマークがついている。それが開けた状態できちんと固定されない。車の揺れと同時に勝手に閉じてしまうことがある。
助手席のドア内張り
閉めた時に、いきなり内張り全部が外れかけたことがある。ガシッと押しつけると元どおりになったので、何もなかったことにした。幸い、それ以後は外れなかった。しかし、これにはビックリした。よく知られるところの窓落ちはなかったのに。
電動シートスイッチ
運転席シートのボタンがシートへの過重のため、ボロボロ壊れていった。壊れながらも最後まで操作そのものは何とかすることができた。
この電動シートは微調整がきき、とても重宝した。ランバーサポート(シート背面の左右が盛り上がり、腰や背中を固定してくれるもの)までついている。
グローブボックス
これは、よくきく話だが建て付けが悪く、閉まらない。閉めるのにはコツがいる。
テールランプの裏側のカバー
Xantiaのテールランプの半分はリアハッチについている。ハッチを開けた際にわかるのだが、裏側のカバーが最初からきちんと閉まらないようにできている。いつもブラブラしていた。
シフトゲージの赤い表示
シフトにあわせて動くシフトゲージ窓内部の赤い印が動かなくなった。今、ギアがどこに入っているのかわかりにくく、危なくもある。(Xantiaはメーターパネルにシフトインジケータがない)
後席のヘッドレスト
後席をたたむ際にヘッドレストを外すのだが、片方のヘッドレストがなかなか外れない。
キーレスエントリー
感度が悪く、作動したりしなかったり。また、やたらと作動音が大きい。
外気温センサー
V-SXは外気温センサーがあり、メーターパネルに表示されるのだが、とんでもない高温の時がある。車体自身の熱にも反応しているのだろうか。
エアコン
そろそろ暑くなってきたと冷房を入れたが、いっこうに冷気が出てこない。ガス漏れ。ガスを入れると何とかワンシーズンもつので、それでよしとする。
異音
いつからか車体下から異音がするようになった。かなり大きくガラガラという音。窓をしめて車内にいる分には、そんなに気にならない。音は排気系パイプ内部からで、外から溶接はできないとのこと。そのまま乗っていた。
◆◆◆
シトロエン乗りは車を通して様々な経験をする。それらにより、怒り、あきれ、落胆、経済的恐怖などを超越する何か得るなら、その人は間違いなくシトロエニストである。
以下、走行に支障を生じた事例を取り上げる。
これらを経験すると、一般に筋金入りと呼ばれるようになる。(ウソ)
LHM漏れ
LHMは、サスペンションの他、パワステ、ブレーキまで担うハイドロシトロエンの血液のようなもので、蛍光の緑色をしている鉱物油である。宇宙人の血のようでもある。予備のLHMをトランクにしのばせるのは、シトロエニストのアイデンティティと言える。
高速道路走行中にハイドロ警告ランプが点灯した。やな予感がした。路肩に停め、ボンネットを開け、チェックすると何とLHMが、ボトボト漏れているではないか。
サービスエリアのガソリンスタンドで見てもらおうとしたが、症状を見ることもなく、車を見るなり、わからないと言われた。全く頼りない。自分でなんとかするしかない。よく調べると、ハイドロリックホースとでもいうのだろうか、要するにLHMが通る管とそれがつながっている部分から漏れているのである。管が外れかかっている。留めなおしても、エンジンの動きにあわせて管が引っ張られ、すぐに外れてしまう。ガソリンスタンドで針金をもらい、ハイドロリックホースを固定した。そして予備に持っていたLHMを補充。予備をほとんど使い切ってしまった。相当の量が漏れたらしい。予備を持っていて本当によかった。その処置が功を奏し、往復で1000キロという行程を無事に走りきることができたのである。しかし、走りながらも常に心配なので、サービスエリアに寄ってはボンネットを開け、チェックしたのだった。
ハイドロシステムへLHMが供給されなくなると、まずサスペンションの動きがぎこちなくなり、しばらくするとハンドルが目茶苦茶重くなる。最終的にはブレーキが効かなくなるらしい。
ダイナモ
エンジンがかからない。最初は寿命が早いなあとは思いながらも、バッテリーが原因だと思った。しかし、実はLHMが、ダイナモの上に漏れてダイナモを壊してしまったのだった。
ハイドロメインポンプ
サスペンションに違和感が出るようになり、メーンポンプの交換となった。
「 ハイドロ系の整備をおろそかにするようなら、ハイドロシトロエンに乗る意味はない。普通のバネ車に乗ればいいのだ」と、自分にいいきかせているところだったが、このメインポンプの他にも制御装置があるのだそうで、メインポンプを新調しても安心はできないとマツダにおどされた。
AT
稲荷山からの帰り、なぜかトルクが出ない。いや、パワーが車軸に伝わってないのだ。その内そろそろとしか、前に動かなくなった。ついにZFのATが逝ったのだ。後日キャリアカーを呼んで、いわゆるドナドナとなったのであった。バックした時に完全に止まらない内にドライブに入れるようなことをしていたのも悪かったのだろう。
再びハイドロ(そして別れ)
ハイドラクティブがしなやかさを失い、はねるようになってきていた。宇治田原の帰りには、ステアリングに違和感が出て、こまやかな操作はもうできない。ギアボックスの異常の可能性もある。ハイドロの症状は急に起こったものなので、スフィアの寿命などではない。修理屋へ持ち込んだが、やはりハイドロ系の異常らしい。この間、ATを換えたとこなのに。途方もない。しばらく前からエグザンティアは、複数の症状を同時に訴えるようになっていた。
ああ、そうなのか....痛々しい我エグザンティアを見て、ある思いに至ることになる。
もう静かに休ませてやりたい。
いろんなところに一緒に行ったよな。ありがとう、エグザンティア。
今でもエグザンティア(特に樹脂バンパーの初期型)を見かけると、懐かしさにほのぼのすると共に、オーナーには、ご愁傷様の言葉を送るのであった。おしまい。 |