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エッセイ集 「紅塵故事」より〔廚子〕
94年に発売された散文集「紅塵故事」より。「廚子」とはコックさんのこと。 果たして卵が先かニワトリが先か? 〔廚子〕の「廚」はよく見ると日本語の「厨」とは若干字が違います。 |
〔廚子〕 |
少し前、こんな話があった。 廚子には3人の弟子がいた。彼らの料理の腕はみな同じぐらい素晴らしく、性格もみな同じぐらい素直だった。廚子は引退をしたいのだが、店長の職務を誰に譲ったらいいのかわからなかった。 ある日、廚子は弟子甲に聞いた:「ニワトリが先か、卵が先か?」 弟子甲は頭をかきかき答えた:「ニワトリ!」 廚子は首を振り、弟子乙に聞いた:「ニワトリが先か、卵が先か?」 弟子乙は自身満々に答えた:「卵!」 廚子はなんと又首を振り、今度は弟子丙に聞いた:「ニワトリが先か、卵が先か?」 弟子丙は真面目に答えた:「お客さんが先にニワトリ(料理)を注文したら、ニワトリが先。お客さんが卵(料理)を注文したら、卵が先!」 廚子はうなずき微笑んだ。弟子丙を店長にすえた。 僕はこの話を知り、本当に丙に感心した。 |
在不久以前、有一個這樣的小故事。
廚子有三個徒弟、他們的廚藝都差不多一樣的好、人品也差不多的一樣隋和、廚子要退休了、不知應該把店長的職位傳給誰。 一天、廚子問徒弟甲:「先有鶏還是先有蛋?」 徒弟甲摸摸腦袋、答道:「鶏!」 廚子搖搖頭、問徒弟乙:「先有鶏還是先有蛋?」 徒弟乙胸有成竹、答道:「蛋!」 廚子竟然又搖搖頭、再問徒弟丙:「先有鶏還是先有蛋?」 徒弟丙認眞地説:「客人先點鶏就先有鶏、客人先點蛋就先有蛋!」 廚子點頭微笑、升徒弟丙做店長。 我知道這個小故事、眞服了丙。 |