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コンサートレポート

concert report


[コンサートレポートその4]

黄凱芹魅力舞台演唱會@広州 2004.12.18



これが広州演唱會のチケットです。コンピューター発券でないのが嬉しい♪
入場の際には半券を切られるだけでなく、政府マーク(?)の入った左の小さな白いステッカーを剥がして、
何かを確認してました。ニセのチケットでないかどうかの確認かな。


クリスにとって大陸での初の個人演唱會。
「他人任せにしていては自分自身を表現しきれない。自分の手で作り上げてこそ、自分を表現できるんだ」との思いから、舞台構成、演出、自身の造型、衣装デザイン、ダンサーの衣装デザインに至るまでクリスが自ら手掛けた。準備には相当の時間と労力がかかったことと思う。衣装はデザインの善し悪しだけでなく、生地が照明に当たると透けてしまうとか、踊っていて脱げたり、ずれたりしないように工夫するなど、ただデザインすればいいというものではなかった様子。女性ダンサーの衣装までデザインしたそうですが、当然女性の服をデザインするのは初めてのこと。デザインしてみてどうだったんでしょうか。
舞台演出はゲストがなく、クリスが一人で歌いっぱなしというもの。衣装は比較的華美で派手なもの。クリスは「普段着られないもの、今まで着たことがないもの」をコンセプトにしていたようです。だから多少誇張されたものを意識して作ったみたいです。これならそのまま紅白にも出られますって感じ。
このコンサートはいわばクリス手作りの演唱會。当然、CDやDVDの発売予定はない。たった一夜の演唱會のために、クリスは正に心血を注いでくれました。本人はどのぐらい満足だったのだろうか。演唱會そのものはとても良かったけど、音響設備が悪かったのがとても残念だった。
構成は5月の香港公演を基にアレンジしたもの。ところどころの曲順も同じでした。ラテンアレンジされた♪請イ尓回來のメロディに乗って、羽飾りの付いたカーニバル風の黄色とオレンジを基調とした華やかな衣装で中央より登場。香港公演ほどすごいものではなかったけど、やはり固定したような状態で歌っていた。2曲めは羽飾りの衣装をダンサーに助けてもらって脱ぎ捨て、王子様風の衣装で♪再遇。個人的にはこの衣装が一番好き。♪再遇のあと北京語で挨拶。「みんなを愛してるよ〜」といきなり熱いメッセージ。ところが北京語でおしゃべりをしてると、広東語で話して!という観客の要求があり、「じゃあ、北京語がいい人は北京語で<我愛イ尓>、広東語がいい人は広東語で<我愛イ尓>、英語がいい人は<I love you>って叫んでね!1、2、3、せ〜の!」あの〜日本語はだめでしょうか?「愛してる〜」と叫んだところでわかってもらえないでしょうけど。

結局、広東語がいいって人が多かったみたいだし、本人も広東語の方が楽だったんでしょうね。この後からは基本的には広東語でMC、時々北京語混じりでしたが。挨拶代わりに♪好久不見。次の♪蝶戀花では私の席からよく見えるコーナーの階段に座って歌っていた。アコースティックナンバーが続き、人気の高い♪平常心では何故かまた北京語で曲紹介。そのまますぐに♪傷儘我心的説話。あまりコンサートでやらない曲かも。ここで一旦衣装替えのために舞台をはける。ビッグバンド風の音楽が流れ、♪Just For You♪糸遣綣。白の衣装に銀のステッキを持って登場。この白い衣装。なんと説明したらいいんだろうか。これもどこかの貴族の王子風かな。足下は白タイツでした。

Unforgettable演唱會でやったメドレー4曲(情人、一生何求、千言萬語、好歌獻給イ尓)で追悼コーナーの始まり。私の席から近いコーナーから歌い始めて、だんだん遠くに行ってしまった。クライマックスの♪縁イ分♪明星ではスタンドマイクで中央で歌ってました。2曲ではそれぞれ曲の前に話をしてましたが、聞き取れずこれから何を歌うかわからなかったけど、前奏が始まって鳥肌が立ってしまった。♪縁イ分はレスリー・チョンに、♪明星は黄霑とレスリーへの追悼。フルで歌ったこの2曲にはかなりクリスの感情が込められていました。今回の演唱會で一番良かったんじゃないかと思ったぐらい。レスリーファンの友人は感動のあまり涙。その姿に私も感動してしまいました。

♪焚情がインストで演奏されてる間に衣装替え。改めて♪焚情を歌いながら中央から登場。黒を基調に頭と肩に羽飾りのついた衣装。う〜ん、美川か?!次の♪沒結果的一些感情は林振強に捧げ、この歌の途中では小さな女の子がプレゼントのサンタをクリスに渡してましたが、握手をしようとしたクリスを無視してさっさと女の子はステージから逃げるように客席に戻りました。♪雨中的戀人們では雨に見立てたシャボン玉がとってもきれいだった。女性ダンサーたちもちょっとフレアの効いたドレスで優雅な雰囲気で良かった。♪傷感的戀人としっとりした歌が続き、また階段に座り、ロマンティックな♪Hello, Merry X'mas♪My Baby。2曲私の好きな歌が続き嬉しかった。何故か座って歌う時はいつも同じ場所。私の席からよく見えるので余計に良かったです。

ここでラテン調のイントロが流れてきて、クリスは衣装替え。上はボレロ風の丈の短い上着。下はたっぷりしたパンツに大きな花柄をあしらったもの。ラテンらしく明るくかわいい衣装だった。個人的には頭の羽飾りは要らなかったんじゃないかと思った。どうせなら別のタイプの帽子が良かったのでは。ラテンアレンジの♪請イ尓記住我では女性ダンサーとの熱いダンスもあり。♪易愛難收♪情深縁浅とバラードが続いたあと、「時間が過ぎるのは早い。そろそろ最後の曲」と挨拶。もっと歌ってくれ〜!最後は♪最佳男配角。ここで2時間弱ぐらいだったかな。クリスは舞台をはける時にいつも私の近くのコーナーから下がって行くんです。だからこっちに向かって坂を降り、くるっときびすを返し、階段を降りて行くクリスの後ろ姿がいつも見えていた。

アンコールは軽快な♪不再分離に♪Loving Youをアレンジで入れたもの。これは5月の香港公演でも同じアレンジでやってました。初めての内地個人演唱會ということだったけど、ここまで来てやっと国語曲が登場。王菲の♪執迷不悔、テレサ・テンの♪再見、我的愛人。そして最後は大陸で一番人気の曲、♪晩秋。10年経った今でも大陸では「黄凱芹=晩秋」というイメージらしい。♪晩秋のイントロが聞こえてきた時、ああ、今夜はもうこれで終わりなのねと思った。オレンジの布を持ち、オレンジのドレスを着た女性ダンサーが華を添える。女性ダンサーとの演出はやはり5月の香港公演と同じ。振り付けそのものが同じだったどうかまで覚えてはいないけど、お互いが布の端を持って切なげにしてる姿や女性が去ってしまう演出は同じだった。香港では女性は和服を着てましたが、今回はオレンジ色のドレスでした。

公演後、広州の新聞では多少報道されていたみたいだけど、香港のメディアではほとんど報道されず。クリスの演唱會が注目されていないのか?それとも大陸の演唱會の取材なんていつもこんなものなのだろうか?集客が思ったより少なくてショックを受けていると、数人の友人から、香港明星が大陸で演唱會をする時はこんなもんよと言われた。会場も大きいし、ということでした。

今回、クリスはゲストのない演出をしてくれて、私はとても嬉しかった。日本や欧米ではコンサートでゲストがいないのは一般的。私はクリスの歌を聞きにコンサートに行くわけだから、クリスの歌だけ聞きたいといつも思っていた。歌手にもよるけど、香港ではコンサートを見に行くのは娯楽、半分は遊びに行くようなもの。でもクリスような歌手の場合は、コンサートを楽しみに行くというよりも、歌をじっくり聞きたい。だから派手な演出もゲストも要らない。またいつか紅館で演唱會をやる機会があると思うけど、その時はゲスト無しのとっても普通の演唱會をやって欲しい。クリスも以前からゲストのない、音楽そのものをメインにした演唱會をやりたいと言っていた。とかく香港ではゲストが誰か、衣装はどんなものか、誰が見に来ていたか、どんなハプニングがあったか、というのが話題になりがち。もう少し演唱會の内容そのものを論じることはないんだろうか。

次は2005年旧正月時期にアメリカで演唱會(カジノでのステージかな?)がある予定だという。時間が許せば、是非行ってみたい。できる限りクリスの演唱會は見たい。次回いつ見られるかわからないので、見られるものは何でも見ておきたい。
また演唱會が見られる機会がありますように!!