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コンサートレポート

concert report


[コンサートレポートその3]

黄凱芹夢幻傾情演唱會 2004.5.22


前回のコンサートからわずか1年半での開催。当初4月に予定されていた演唱會は、準備不足のため公演直前になって5月に延期。延期の甲斐あってか、音楽劇メインの香港では珍しい試みとなった公演だった。
脚本、演出、構成をクリス本人が担当。DVDやCDの発売がないために、クリスは自分とファンのために写真集としてこの公演を記録。
今回の公演のためにラテンアレンジされた♪請イ尓回來のメロディに乗って、公演前から話題となっていたちょ〜豪華な衣装で登場!まるで紅白のような衣装。衣装の中から首だけ出して、固定された状態で歌ってました。♪再遇のあと衣装から出てきたクリスはまずは観客に挨拶。ラジオドラマの主題歌4曲をメドレーで披露。このあと音楽劇に入ってしまうので、なんと前半にいきなり握手タイム。茶色のシャツは近くで見るとシースルーでせきしーでした。音楽劇の紹介をしたあと、「さあ、これから<夢幻傾情之旅>に出発!」と言って、音楽劇の始まり。
クリスはコーナーに移動し、ジャケットを着て、黒ぶちめがねをかけて、スーツケースを手に、
♪我知道イ尓不愛我。一度も生で聞いたことのなかったこの曲。とっても嬉しかった。歌のあと基斯(クリスの役名で、「Chris」の中文表記)は大きなため息をつき、彼女の写真を手に、失恋したばかりで真実の愛を与えてくれるという「愛神」を探しに<夢幻傾情之旅>に出たと説明。疲れた基斯がうとうとしてると、煙の中から和服の女性が。日本の幽霊らしい。お互いに白の布の端を持ったまま、♪晩秋。なかなかしっとりして良かったです。歌が終わると夢から覚め、彼女も去って行った。「みんな去って行ってしまって寂しい」とコメントしながら、レスリーとアニタの♪縁イ分。これはかなり思い入れが入ってるようでした。

せっかくしっとりしてるところに猫の鳴き声が。ネコ女が基斯を誘惑しに来た?!黄伊文の♪戒男。基斯はかなり押され気味。基斯はネコ女に自己紹介をして愛神のいるところを尋ねるけど、真実の愛なんてあるわけないと相手にしてもらえない。とりあえず先に進む道だけ教えてもらい、誘惑を断ち切って先へと急ぐ。衣装替えの為に一旦下がる。

ビッグバンド風の音楽に乗って、中央から登場。黒のスパンコール付きパンツに黒のシャツに白のジャケットでレビュー風に♪Just for you♪糸遣綣。♪ホワイトクリスマスの音楽が流れ、ライトでできたクリスマスツリーが登場し、白のジャケットから黒の革のロングコートに替え、♪五月的聖誕樹♪Hello, Merry X'masとクリスマスの曲を2曲。この時クリスマスの雰囲気を出すために、北海道で撮影した映像がスクリーンに流れていたけど、私の席からはスピーカーが邪魔して見えず!!どうしても見たくて、通路を挟んだ隣に座っていた友だちのところに行って見ていたら、通路に座るなと係員に怒られ、泣く泣く自席に戻りました。雪景色に戯れるクリスの姿が見たかったのになあ。ステージでは流れ星を追いながらクリスは舞台をはける。

二人目のゲスト、蔡一傑が♪失樂園を歌いながら登場。本当は彼には"天使魚"(クリオネ)というか人魚みたいなものに扮して欲しかったそうですが、衣装計画がうまくいかず、堕ちた天使に。彼は戻ることのない恋人を待ち続けているという設定。一緒に愛神を探しに行こうという基斯の申し出も断り、彼女が戻ってくるかもしれないからと、ひたすら待ち続ける。この♪失楽園という曲はとっても切なくていい曲でした。思わずCDを買って帰りました。クリスはこの時に赤紫のシャツにブルーのベルベットのスーツに衣装替え。めがねをかけ、スーツケース片手に蔡一傑とやり取り。基本的に芝居の中ではめがねをかけたままだけど、歌の時ははずしてました。雷雨の音がし、コーナーに木が登場し、基斯は雨宿りの木の下で♪最後一次心動。そしてヒット曲の♪雨中的戀人們。傘を差したダンサーが現れ、雨の雰囲気がたっぷり。次の♪傷感的戀人ではバックで許願がダンス。赤い布を使いながら基斯を誘惑するかのようなダンス。何せ彼の役は「心魔」ですから。彼が元々ダンサーだとは知らなかった!音楽プロデューサーでロレッタ・リーの元ダンナという肩書きだけだと思ってました。

基斯がしばし休憩してると、♪總有イ尓鼓動を歌いながら倫永亮と李國祥がめがねにスーツ姿にスーツケースを持って登場。途中でクリスも加わり、3人でスキップしながらステージを周りながら歌う。倫永亮と李國祥は<寂寞的心倶楽部>の会員で、基斯も一人ならちょうどいいから入会するように勧められるけど、ただ寂しさにため息をついてるだけの活動は嫌だと、引き続き愛神を探しに先を急ぐ。基斯が「入会したら何があるの?みんなでスポーツするとか?何か割引券でもあるの?」と聞いていたのが面白かった。この3人の歌は私のお気に入り。3人でスーツ着て、めがねをかけ、スーツケース持って歌ってる姿はとてもかわいかった。倫永亮と李國祥のデュエット曲である♪總有イ尓鼓動もとてもいい曲でした。基斯が去ったあと、倫永亮と李國祥の二人は最後にとっても大きなため息をついてました。「はあ〜」

次はがらっと雰囲気をかえ、ラテン風のイントロ。ラテン風にアレンジされた♪請イ尓記住我をラテンダンスで披露。女性ダンサーとダンスするクリスの姿なんて初めて見ました。リッキー・マーティンが好きなクリスはラテン系をやってみたかったのかも。衣装はグレーのニットにグレーのパンツ。上下ともキラキラしてました。ラテンダンスしてるクリスのおしりはかわいかったです。彼女の写真を片手にため息をつきつつ愛神を求めてると、♪難得糊塗で阿倫が登場。クリスが阿倫のために作ったこの曲でデュエット。「お〜愛神は譚詠麟だったのか〜!」と叫び、真実の愛を阿倫に乞う。阿倫は「本当の愛というのは自分の心の中にあるんだよ。自分を愛せない人が他人を愛せるわけがない。自分の心に聞いてみれば、自然と答えが出てくるよ」というのが脚本ですが、阿倫はアドリブでいろいろ言っていたらしく、会場は大爆笑。クリスも笑ってしまって台詞が先に進まない!もっと言葉がわかったらなあと思いました。でもさすが阿倫。阿倫が出てきただけで会場はかなり盛り上がりました。私もとっても嬉しかった!

真の愛を見つけた基斯は♪易愛難收の歌を歌いおわると、「終於都知道(やっとわかった)!」と言って、"終於也知道"の歌い出しで始まる♪情深縁浅へ。この歌で<夢幻傾情之旅>は終わる。羽飾りの付いた黒の革のジャケットを着て、革の手袋をはめて、最後に新曲の♪最佳男配角を歌って音楽劇は終了。ゲストとダンサーを紹介して、全員で中央の奈落から消えて行った。

アンコールでは通常のコンサート形式に戻って、中央から出てきたクリスはまずは軽快な♪不再分離。赤のシャツに赤のパンツ。赤の腰布をまいて、ちょっとスカート風。そして前日には歌わなかった♪好久不見♪平常心はファンお気に入りの曲で必ず歌ってくれます。このあたりで私は前に走っていき、最後は一番前の席の人が帰ったのをいいことに、1列目でしっかり見てしまいました。♪站在イ尓那邊はファンのために作った曲。これが生で聞けたのはとっても嬉しい。最後はスカート風の腰布をはずし、赤と紫が混じった模様のベルベットのジャケットを着てました。最後の最後に歌った♪五月過後もとってもいい曲で、5月のコンサートのラストにふさわしいものだった。

公演後、マスコミでは賛否両論あったけれども、私は選曲がとてもいいコンサートだと思った。音楽劇のストーリーにきちんと合わせていたし、アンコールのライブの部分ではすべてファンのために選んで歌ってくれたようなもの。ただ、音楽劇のストーリーそのものはあまり新鮮味はなかったかも?脚本からキャスティングからとにかく準備に時間も労力もかかっているであろう演唱會。クリスの努力がすごく感じられたし、私はとても楽しめた。欲を言えば、もっと歌を中心としたものにして、たくさん歌って欲しかったかなあ。ゲストが多い分、お芝居の部分ある分、クリスの歌が少し減ってしまっていたようだから。次回(っていつだ?)はもっとたくさん歌ってくれるといいなあ。

クリスは終演後は出待ちしているファンに握手のサービス。とても嬉しかったのかもしれない。準備不足で演唱會が延期され、4月〜5月などは胃が縮む思いがしたのではないかと思う。レコーディングと演唱會の準備を同時に行い、体力的にも精神的にもとても大変だったはず。無事に終えたことできっとクリスはホッとしてることでしょう。だからマスコミがどう言おうとも、ファンが喜んでくれたらそれでいいのではないかと思う。延期になったことで行かれなくなってしまったファンもたくさんいたでしょう。私ももう少しで行かれなくなるところだったし、事実、1公演しか見られなくなってしまいました。きっとクリスはそういうファンのことも考慮して、演唱會の写真集を出版してくれたんだと信じてます。ただ、この公演がDVDとして映像が残っていないことが残念です。その代わりクリスが作ってくれた写真集というすばらしいものを得られたことは良かったですが。

2005年の6月でレコード会社との契約が満了するクリス。次回の公演が一体いつになるのか全くわかりませんが、この先もクリスの歌を聞き続けて行きたいので、ぜひまたコンサートをやって欲しいな。
では、下次見!