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クリスの本

Chris' books


歌、作曲、作詞の才能だけではなく、文章を書く才能もあるクリス(語学も堪能で絵の才能もあります!)。出版された小説や散文集をここで紹介。現在、2003年に出版された散文集<離家出走>や最新書以外はほぼ入手不可能。古本屋かネットで探すしか方法はないかと思います。私も復帰後に発売されたもの以外は友人に譲ってもらったものが少しあるだけ。
*謝謝!旧作資料提供:<平常心> by Blue Sky


<非人生活> 小説 共著:陳少[王其]
1988年9月出版 友禾製作事務所有限公司
クリス初の文字作品にして、初の小説。
文章は口語で、ユーモアに溢れていて、現実の世の中のことを語っているそうです。
香港電台の自分の番組「空中飛人」の中で演じたことがあるらしい。
持っていないので内容はよくわからないし、タイトルの意味もよくわかりません。
<糸遣綣塘西> 小説
1989年3月出版 友禾製作事務所有限公司
(香港版)
1991年出版 躍昇文化事業有限公司
(台湾版)

香港版

台湾版

30年代の香港を背景に、漁村から都会に出てきた娘が楼閣で名を馳せ、3人の男性と出会う物語。一人は成金の不動産屋、一人は二枚目俳優、一人は海外帰りのエリート。3人の男性との3つの物語。
台湾でも出版されていて、内容は同じだけど、表紙は全く違います。香港ではとても売れていたようで、私が友人にもらったものは「第三版」で、再発売日は90年4月になってます。1年間ですでに第三版まで出版されたなんてすごい!
私がもらったものは表紙は黒でした。
文芸色の強い作品で、ラジオドラマ化され、クリスはドイツ帰りの馬上生を演じたそうです。
いかにもクリスらしい配役。
<二人世界> 写真集
1988年~1990年の間に出版 爾和有限公司
香港電台の人気番組<二人世界>から出版されたクリスとヴィヴィアンの写真集。
中でお互いのことを書いている。
クリスからヴィヴィアンへ;
ヴィヴィアンは率直でとてもキュート、だから彼女と一緒に番組をやるのは楽しい。
彼女は僕を兄と思い、僕は彼女を妹と思っている。時々僕はわざと彼女をからかったりしている(もちろん彼女を困らせるような類いのものじゃないよ)。
僕は彼女を子供だと思っているし、彼女も僕を子供だと思っているだろう。二人が一緒に番組をやるととてもリラックスして楽しいものになるんだ。
それとヴィヴィアンには演技の才能がある。彼女はとても集中して真面目にやってるよ。
ヴィヴィアンからクリスへ;
クリスは見かけはとてもクールで、冷たい感じで、近付き難い印象を与える。でも実際はクリスはとても熱い人で、知り合ったばかりの頃は彼はたくさん話しをするなんて思っていなかった。だんだんと知り合っていくうちに、彼は進んで人を助け、又とても親しみやすい人だとわかるでしょう。
彼と番組を一緒にやって2年になる。当初ラジオ局に入ったばかりの頃、彼に問題を提起することすらできなかった。今、一緒に仕事をして、とても気が合うし、とても楽しい。
私は彼に対して兄のように感じている。心に何か疑問や問題があれば彼に提示することにしている。だって彼は私を助けてくれるから。
<傾情夜1990> 散文集 共著:陳海[王其]
1989年12月出版 友禾製作事務所有限公司
<傾情夜1990一對寂寞心> 散文集 共著:陳海[王其]
1990年3月出版 友禾製作事務所有限公司
DJパートナーの陳海[王其]と共同で出版した第1作。中には2人のそれぞれの生活や人生観などが書かれている他、写真も多く掲載。
手元にないのでこの2冊が全く同じ内容なのかどうかは定かではないけど、どうやらほぼ同じものではないかと思う。
第二版になったものには、当時の二人の番組内の人気コーナー<一對寂寞心>の名前が書かれている。表紙もサイズも若干変更されている。
一部を紹介すると;
愛情がないのは、
冬に綿入れの上着がないようなものだ
でも
多くの人はその上着がなくても
何とか我慢することができる

愛情と女性は
どちらも気球のようなものだ
人に愛され、嫌われる
可愛いところを愛し、
同時にあちこちふらふらしたり、
気が抜けるところを嫌う
簡単に言えば常にしっかり捕まえていないといけないという負担を感じるんだ

<情歸何處・黄凱芹意大利寫真集> 写真集
Discovering the magic of Italy, a photo essay of Christopher
1990年出版
アルバム<情歸何處>の発売に合わせて製作された写真集。わざわざイタリアまで撮影に出かけている。写真集は<ローマ篇><ベニス篇><フィレンツェ篇>の3冊に分けて発売された。中にはクリスの英語によるイタリアに対する感想が書かれている。
<情歸何處>のジャケット写真もこの時イタリアで撮影されたもの。
<談甚麼情> 散文集
1990年6月出版 Tomokazu Production House Limited

談甚麼情

説甚麼愛

DJパートナーの陳海[王其]と共同で出版したもの。別々に出版された陳海[王其]のタイトルは<説甚麼愛>。クリスの<談甚麼情>は「子」のタイトルが付く10編の散文を収録。又、写真の合間にタイトルのない文章がちょこちょこと書かれている。
經常説「NO PROBLEM」的人、本身就是一個「PROBLEM」
とか、最後のページに書かれているのは、
我愛的、不愛我、我不愛的、愛我。


2冊とも日本でわざわざ撮影した写真が満載。日本での写真撮影の際、天気が悪かったらしく、クリスは予定より早めに帰国したそうですが、クリスが帰った途端天気が良くなったとか......。


銀座        日本橋       どこの地下鉄の駅でしょう?
<兩件次貨(Desperado)> 小説
1991年5月出版 特藝演藝顧問公司
主人公のPaulaはダンナとの平穏な生活に飽き、新しい生活を求めた。彼女は自分の求めるものを見つけたと思い、まさにその幸せを掴もうとした時それは逃げて行ってしまった。
この作品は映画の脚本のような形で書かれ、シーン、音響などのことも書かれている。
クリスが最後に書いているのは;
人は、一度しか生きられない、二十歳の決定は人生を誤ることも。どうしたら.....
僕はまた新しい服を買うことはできない。神父の前に立ち、話しをする、こういう風に一生は.....
お金を支払う時になって、僕はやっとわかるんだ。僕が欲しいものは、全部すでに手に入れているものだと。
"You better let somebody love you, before it's too late(誰かに愛してもらおう、手遅れになる前に"、暗闇の中、歌が終わり、音楽は消えて行った.....
ちなみに出版元の「特藝演藝」は当時のクリスのマネージメント会社、That's entertainment managementの中文名だと思います。
<紅塵故事> 散文集+短編小説
1994年出版 特藝演藝顧問公司

香港版

台湾版

すでに<談甚麼情>で発表されている10編を含む、「子」の付くタイトル50篇の散文に短編小説「如夢令」及びクリスがNYで過ごした休暇のことを書いた「紐約黄昏後」を収録。50編の散文は全て「少し前、こんな話しがあった」という書き出しになっている。本編の前には序章に当たる「楔子」がある。
また7編の散文と「如夢令」はアルバム「紅塵傾情故事」の中でも紹介された。
台湾でも出版され、私が友人から譲ってもらったものは台湾版で、発売は94年5月です。もちろん内容は全く同じだと思うけど、表紙は全く違います。
ちなみに中の挿絵もクリスの手によるものです。
<離家出走> 散文集
2003年7月出版 我們的出版有限公司

<前奏篇>

<再續篇>

2002年10月に発売されたアルバム<LONG TIME NO SEE>に附録で付いていた「離家出走<前奏篇>」及び2003年6月に発売されたアルバム<WISH YOU WERE HERE>に附録で付いていた「離家出走<再續本>」を1冊にまとめて一般販売したもの。
それぞれ二文字のタイトルからなる散文が20編ずつ収録されていて、1冊にまとめる際には収録順を改め、最後の2編は本のタイトルになっている「離家」と「出走」。
主にカナダでの生活や、日頃彼が思っていることなどが書かれている。カナダでの空白の時間が見えてくる。
出版に当たって、林燕女尼(ユニース・ラム)の序章が追加されている。

家は黄凱芹の心、たとえ彼がどこの心の岸にいようとも。あなたは彼の優美な歌声の中に人生を見るだろう。歌は動かされるもの、文章は自らが動くもの、2つがひとつになった時、人を感動させないことがあるだろうか。

<舞[木射]歌台>(VCD付き) 写真集
2004年7月出版 博益出版集團有限公司
タイトルがいきなり難しい字。[木射]は花の萼(がく)、もしくは釈迦が坐る蓮の台座のこと。
中は5月に行われた<夢幻傾情演唱會>のステージ及びオフステージの写真が満載。今回の演唱會のDVDやCDが発売される予定がないことを知ったクリス自身が、自分の思い出と記録も兼ねて、この本の出版を計画。カメラマンも自分で雇い、写真の選定も自分でやり、演唱會が延期になった経緯も説明。クリス自らが10数時間かけて編集したというリハや楽屋裏などの映像が収録されたVCDが付いている。
黄凱芹作品集<歳月星塵> 散文集+小説+画集 NEW!
2006年12月出版 皇冠出版社

表紙のサインは印刷です。

このサインは直筆。日本語でサインしてくれたのが見えるかな?
我想、如果明天我死了、這書、好歹也該是完全屬於我出竅的霊魂的。

黄凱芹

僕は思う。もし明日僕が死んだら、この本は、善くも悪くも完全に僕の中から出た魂そのものだ。

黄凱芹

クリスのデビュー20周年を記念して(?)、すでに絶版となっている小説<糸遣綣塘西>、散文集<紅塵故事>、それに復帰後に出版された<離家出走>にミュージカル<白蛇青蛇>のためにクリスが描いた背景図が1冊にまとめられている。出版に当たり、挿絵も書き下ろしている。
私としては他にも読みたい本はあったけど、残念ながら今回再版にはならなかった。どうせなら今までの本を全部出してもらいたいぐらい。
この本のためのサイン会が行われ、私は友人にサインをお願いしてもらった。「できたら日本語で名前を書いてほしい」という私のわがままなリクエストに応え、日本語でサインしてくれた。