
第5号
タカさんのランニング道場も5回目を迎えました。今回は、ランニングフォームについての説明です。日頃は気にしてない細かな点も、タカさん道場をよ〜く読んで実践しましょう。そういえば、フォームチェックよりも、ガラス窓でユニフォームの"着こなし"や、今日の"化粧は厚いかしら?"なんて、やってる貴方、ランニングフォームもしっかりチェックして下さいね!もちろん、私もヘアチェック・・・いやいやフォームチェックを怠りませんよ!!フォームの華麗さに抱かれたい♪〜Form of Love |
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ちくしのRCの皆さんこんにちは、高宗です。ランニング道場5回目です。今回は、『フォームチェック』方法と『悪いフォームの矯正方法』について、説明します。
●慣習的なフォームチェックで効率的なレベルアップを図る
ランナー毎にランニングフォームが異なるのは当然です。その人の身体にあったフォームこそが、その人にとって理想のフォームとなるからです。 欠点のあるフォームとは、体力をロスしたり、身体の一部に無理がかかったりしているもの、ということになります。体力はあるのに、スピードに乗れなかったり、見ていて美しくないばかりでなく、下手をすれば故障の原因にもなりかねません。トレーニング中のフォームチェックは、効率的なレベルアップに重要で、自分の影や、ガラス窓などに映った姿を確認したり、仲間同士でチェックしあうことを習慣づけたいものです。また、レース中、例えばハーフマラソンでは、5km毎にフォームに狂いが出ていないか、確認することをおすすめします。
●フォームチェックのポイント
@姿勢
背筋がしっかり伸びているか、腰が引けたり猫背になったりして
いないか。 また、前傾の角度が強すぎないか、
反対に身体が立ってしまっていないかチェック。
A視線とアゴ
視線があがり、アゴが上がってしまうと、上体が自然と反り返り、
エネルギーが後ろに逃げてしまう。
B肩
肩の力が抜けているかどうか。肩に力がはいると、腕の振りや
上体の動きが硬くなり、スムーズな動きを制限してしまう。
C腕
正しい腕の振りは、たとえるならランニングのエンジン。
しっかりと後ろに引けているかどうかをチェック。
Dストライド
しっかり伸びのある足の運びができているか、回転はスムーズか、
ストライドが狭すぎないか、反対に広すぎないか。
E着地とキック
足の裏全体で、しっかりと地面をつかんでいるかどうかチェック。
また、親指の付け根でしっかりキックしているか、キックした
足が後方に流れていないか確認。
●腕の振りは引くことに意識を集中する
フォームの欠点として最も多いのが、腕の振りができていないケースです。
腕をしっかり後方に引くことにより、上半身と下半身のバランスがとれ、
足の回転もスムーズになります。
ところが、腕を振ろうと意識していたとしても、前へ前へと押し出す
だけになっていたり、肩を振っているだけで、腕自体は振れていない
ケースがよく見受けられます。
もし、腕の振りができていないようなら、走りの中で少し大げさなくらい
腕を後ろに引いてみるとよいでしょう。自然と踏み出しが大きくなり、
ストライドがスムーズに伸びていくことにつながります。
●アゴを引き、視線を据えて上体の姿勢を維持
アゴが上がったり、視線が上ずると上体が起きてしまいます。
すると、せっかく前へ進もうとするエネルギーが後方へ逃げてしまいます。
普段は正しいフォームで走れていても、レース後半など、疲れが出て
呼吸が乱れてくると、自然とアゴが上がって上体が起きてしまうことが
よくあるものです。しかし、それはロスが大きくなるだけで、かえって疲労を
増幅し、悪循環を繰り返すことになってしまうことになります。
従って、辛くなってきたら、なおさら視線を前方に据えてアゴを引き、
上体の姿勢をたもつことを意識しましょう。
*アゴが上がり、上体が起きてしまうと、踏み出した足に上体が
遅れてしまいます。 このままでは、効率よくキックすることができず、
ロスが大きくなるばかりか、スピードに乗りません。
視線を前方に据え、意識してアゴを引くことにより、上体が前傾し、
足の動きと上体のバランスが良くなります。
苦しくなってきたときこそ、アゴを意識的に引くようにしましょう。
(参考)腕の振りをよくする補助運動
・大きく腕を振る
胸を広げる感覚で、腕を大きく振る。遠心力を利用して
首や肩、腕をリラックスさせて行う。背筋を伸ばして
まっすぐに立った状態で、数回繰り返したら、腕の動きに
合わせて、自然と両足の動きをつけていく。
足の動きは大げさにせず、膝を軽く上げる程度でよい。
・肘を曲げて腕を振る
腕を前後に振る運動を発展させ、実際に近づけてみる。
肘を90度前後に曲げてリズミカルに行う。
肘を曲げることにより、腕を伸ばした状態よりも素早く
前後に振れる。 この時、前に振るよりも、後ろに引く
事を意識して、腕の振りの感覚を覚える。
●はやる気持ちを抑え、視線を水平に保ち、前傾しすぎを防ぐ
前へ前へ、という意識が強すぎる人に多いのが、状態が前傾しすぎる
フォーム。上体が前傾しすぎると、足が後ろに流れるばかりで、
足を前方に運びづらくなります。背筋をしっかりと伸ばし、下をむかずに、
なるべく遠い前方を見るようにして、極端な前傾姿勢を避けるようにします。
*気ばかり先に行って、上体が前傾しすぎると、キックした足が後方へ
流れてしまい、効率よい踏み出しが行えません。着地での衝撃が大きくなり
故障の原因にもなります。
極端な前傾を防ぐには、まず視線を水平に保ち、背筋を伸ばすようにします。
また、かかとからスムーズに着地できるよう、踏み出しを意識することも
大切になります。
(参考)上体の姿勢を良くする補助運動
・片足ケンケン
片足で細かく前進する。体重の移動を意識し、
上体の姿勢を足とのバランスを覚える。
・中腰ウォーキング
腰を落とし、その高さを維持して歩く。
ストライドを長く取り、しっかりと踏み出すこと。
3、4歩ずつ足をかえて行う。
・尻叩きジョッキング
かかとで尻をたたきながら前進する。
背筋を伸ばし、膝が前へ出ないように注意して
行うこと。
●自分の走りの癖をつかみ、意識的に修正する
腕の振りや上体の姿勢以外にも、左右のバランスや腰の位置、
足の運びなどに、悪い癖を持っているランナーが少なくありません。
自分のフォームはどんな特徴があって、どこが悪いのかを
積極的につかみ、意識して矯正していくことが大事です。
・上体が左右に揺れる→エネルギーのロスが大きい。腹筋や
背筋等の弱い人に多く見られる。
→(矯正方法)
筋力アップとともに、頭の位置を一定に
保つ訓練をする。
・腰が落ちている →かかとから着地しているようでも、足首の
動きが硬くなり、故障を招きやすい。
ストライドも思うように伸びない。
→(矯正方法)
キックの時に膝がしっかり伸びきるように
意識し、膝から下をリラックスさせて足を
運ぶ。背筋力UPも効果的。
・左右対象の動きができない
→左右の筋力や柔軟性の違いなどが原因と
なっている場合が多い。
片方の足の負担が大きくなり、長距離を走れば
走るほど疲れがたまることになる。
→(矯正方法)
頭をまっすぐに保ち、肩を水平に保てるように
意識して走る。
・ストライドが小さく走りがせせこましい
→ピッチを上げることばかりに気を取られて、
ストライドが小さくなりすぎると、エネルギーの
ロスが大きくなる。
→(矯正方法)
一歩、一歩のキックを大切にする様、意識して
走る。
・上下動が激しい →大きなストライドを意識したり、キックの際に
力の方向が上向きになりすぎたりして、腰の
上位動が激しい。
→(矯正方法)
一見、ダイナミックなフォームに見えるが、実は
エネルギーの消耗が激しい。腰を水平移動させる
事を意識し、キックの方向に注意する。
引用文献「スポ-ツグラフィック マラソン 監修:高岡邦夫」
それでは、次回まで”Enjoy your running!” by タカ |
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