第5号

2003年07月26日

タカさんのランニング道場も5回目を迎えました。今回は、ランニングフォームについての説明です。日頃は気にしてない細かな点も、タカさん道場をよ〜く読んで実践しましょう。そういえば、フォームチェックよりも、ガラス窓でユニフォームの"着こなし"や、今日の"化粧は厚いかしら?"なんて、やってる貴方、ランニングフォームもしっかりチェックして下さいね!もちろん、私もヘアチェック・・・いやいやフォームチェックを怠りませんよ!!フォームの華麗さに抱かれたい♪〜Form of Love

ちくしのRCの皆さんこんにちは、高宗です。ランニング道場5回目です。今回は、『フォームチェック』方法と『悪いフォームの矯正方法』について、説明します。

●慣習的なフォームチェックで効率的なレベルアップを図る

ランナー毎にランニングフォームが異なるのは当然です。その人の身体にあったフォームこそが、その人にとって理想のフォームとなるからです。 欠点のあるフォームとは、体力をロスしたり、身体の一部に無理がかかったりしているもの、ということになります。体力はあるのに、スピードに乗れなかったり、見ていて美しくないばかりでなく、下手をすれば故障の原因にもなりかねません。トレーニング中のフォームチェックは、効率的なレベルアップに重要で、自分の影や、ガラス窓などに映った姿を確認したり、仲間同士でチェックしあうことを習慣づけたいものです。また、レース中、例えばハーフマラソンでは、5km毎にフォームに狂いが出ていないか、確認することをおすすめします。

●フォームチェックのポイント

 @姿勢
  背筋がしっかり伸びているか、腰が引けたり猫背になったりして
  いないか。 また、前傾の角度が強すぎないか、
  反対に身体が立ってしまっていないかチェック。

 A視線とアゴ
  視線があがり、アゴが上がってしまうと、上体が自然と反り返り、
  エネルギーが後ろに逃げてしまう。

 B肩
  肩の力が抜けているかどうか。肩に力がはいると、腕の振りや
  上体の動きが硬くなり、スムーズな動きを制限してしまう。

 C腕
  正しい腕の振りは、たとえるならランニングのエンジン。
  しっかりと後ろに引けているかどうかをチェック。

 Dストライド
  しっかり伸びのある足の運びができているか、回転はスムーズか、
  ストライドが狭すぎないか、反対に広すぎないか。

 E着地とキック
  足の裏全体で、しっかりと地面をつかんでいるかどうかチェック。
  また、親指の付け根でしっかりキックしているか、キックした
  足が後方に流れていないか確認。

●腕の振りは引くことに意識を集中する

 フォームの欠点として最も多いのが、腕の振りができていないケースです。
 腕をしっかり後方に引くことにより、上半身と下半身のバランスがとれ、
 足の回転もスムーズになります。
 ところが、腕を振ろうと意識していたとしても、前へ前へと押し出す
 だけになっていたり、肩を振っているだけで、腕自体は振れていない
 ケースがよく見受けられます。
 もし、腕の振りができていないようなら、走りの中で少し大げさなくらい
 腕を後ろに引いてみるとよいでしょう。自然と踏み出しが大きくなり、
 ストライドがスムーズに伸びていくことにつながります。

●アゴを引き、視線を据えて上体の姿勢を維持

 アゴが上がったり、視線が上ずると上体が起きてしまいます。
 すると、せっかく前へ進もうとするエネルギーが後方へ逃げてしまいます。 
 普段は正しいフォームで走れていても、レース後半など、疲れが出て
 呼吸が乱れてくると、自然とアゴが上がって上体が起きてしまうことが
 よくあるものです。しかし、それはロスが大きくなるだけで、かえって疲労を
 増幅し、悪循環を繰り返すことになってしまうことになります。
 従って、辛くなってきたら、なおさら視線を前方に据えてアゴを引き、 
 上体の姿勢をたもつことを意識しましょう。

 *アゴが上がり、上体が起きてしまうと、踏み出した足に上体が
  遅れてしまいます。 このままでは、効率よくキックすることができず、
  ロスが大きくなるばかりか、スピードに乗りません。
  視線を前方に据え、意識してアゴを引くことにより、上体が前傾し、
  足の動きと上体のバランスが良くなります。
  苦しくなってきたときこそ、アゴを意識的に引くようにしましょう。
 
  (参考)腕の振りをよくする補助運動

      ・大きく腕を振る
       胸を広げる感覚で、腕を大きく振る。遠心力を利用して
       首や肩、腕をリラックスさせて行う。背筋を伸ばして
       まっすぐに立った状態で、数回繰り返したら、腕の動きに
       合わせて、自然と両足の動きをつけていく。
       足の動きは大げさにせず、膝を軽く上げる程度でよい。

      ・肘を曲げて腕を振る
       腕を前後に振る運動を発展させ、実際に近づけてみる。
       肘を90度前後に曲げてリズミカルに行う。
       肘を曲げることにより、腕を伸ばした状態よりも素早く
       前後に振れる。 この時、前に振るよりも、後ろに引く
       事を意識して、腕の振りの感覚を覚える。
 
●はやる気持ちを抑え、視線を水平に保ち、前傾しすぎを防ぐ

 前へ前へ、という意識が強すぎる人に多いのが、状態が前傾しすぎる
 フォーム。上体が前傾しすぎると、足が後ろに流れるばかりで、
 足を前方に運びづらくなります。背筋をしっかりと伸ばし、下をむかずに、
 なるべく遠い前方を見るようにして、極端な前傾姿勢を避けるようにします。

 *気ばかり先に行って、上体が前傾しすぎると、キックした足が後方へ
  流れてしまい、効率よい踏み出しが行えません。着地での衝撃が大きくなり
  故障の原因にもなります。
  極端な前傾を防ぐには、まず視線を水平に保ち、背筋を伸ばすようにします。
  また、かかとからスムーズに着地できるよう、踏み出しを意識することも
  大切になります。

    (参考)上体の姿勢を良くする補助運動

       ・片足ケンケン
        片足で細かく前進する。体重の移動を意識し、
        上体の姿勢を足とのバランスを覚える。

       ・中腰ウォーキング
        腰を落とし、その高さを維持して歩く。
        ストライドを長く取り、しっかりと踏み出すこと。
        3、4歩ずつ足をかえて行う。
      
       ・尻叩きジョッキング
        かかとで尻をたたきながら前進する。
        背筋を伸ばし、膝が前へ出ないように注意して
        行うこと。
     
●自分の走りの癖をつかみ、意識的に修正する

 腕の振りや上体の姿勢以外にも、左右のバランスや腰の位置、
 足の運びなどに、悪い癖を持っているランナーが少なくありません。
 自分のフォームはどんな特徴があって、どこが悪いのかを
 積極的につかみ、意識して矯正していくことが大事です。

 ・上体が左右に揺れる→エネルギーのロスが大きい。腹筋や
            背筋等の弱い人に多く見られる。
           →(矯正方法) 
            筋力アップとともに、頭の位置を一定に
            保つ訓練をする。

 ・腰が落ちている  →かかとから着地しているようでも、足首の
            動きが硬くなり、故障を招きやすい。
            ストライドも思うように伸びない。
           →(矯正方法)
            キックの時に膝がしっかり伸びきるように
            意識し、膝から下をリラックスさせて足を
            運ぶ。背筋力UPも効果的。

 ・左右対象の動きができない
           →左右の筋力や柔軟性の違いなどが原因と
            なっている場合が多い。
            片方の足の負担が大きくなり、長距離を走れば
            走るほど疲れがたまることになる。
           →(矯正方法)
            頭をまっすぐに保ち、肩を水平に保てるように
            意識して走る。

 ・ストライドが小さく走りがせせこましい
           →ピッチを上げることばかりに気を取られて、
            ストライドが小さくなりすぎると、エネルギーの
            ロスが大きくなる。
           →(矯正方法)
            一歩、一歩のキックを大切にする様、意識して
            走る。

 ・上下動が激しい  →大きなストライドを意識したり、キックの際に
            力の方向が上向きになりすぎたりして、腰の
            上位動が激しい。
           →(矯正方法)
            一見、ダイナミックなフォームに見えるが、実は
            エネルギーの消耗が激しい。腰を水平移動させる
            事を意識し、キックの方向に注意する。  
     
       引用文献「スポ-ツグラフィック マラソン 監修:高岡邦夫」

それでは、次回まで”Enjoy your running!” by タカ





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