第4号

2003年07月06日

さぁて、タカさんのランニング道場も4回目を迎えました。今回の特集は、LSDです。つまり、"ゆっくり走って、ファイナルは速くなれるように"と言うことでしょうか?!実は、私15年前にマラソンを始めて7年目の頃に広島で故高橋監督(当時NECホームエレクトロニクス監督)が本にして出版されたのを読んだのがキッカケでした。私にとっては、当時斬新な本でして、ゆっくり走れば速くなる・・・と、レースの時も"信じて"ゆっくり走った記憶があります。LSDはあくまでも、練習ですのでレースの時にするものではありませんからご注意を!では、タカさんのトレーニングメニューを信じて、LSDするぞ!何?LSDしなくてもLSDになってるって?!違います!これは、私にとってスピード練習なんです!!クッソ〜!

ちくしのRCの皆さんこんにちは、高宗です。4回目は「LSD=Long Slow Distance」について、掘り下げて説明したいと思います。長距離のランニングでも最も大切な持久力を高める為には、ゆっくりとした楽なペースで走ることが効果的です。LSDと呼ばれるそのトレーニング方法は、その名の通り、Long=長く、Slow=ゆっくり、Distance=距離を走るというものです。LSDのペースの目安としては、笑顔で会話が交わせる程度の楽なスピ−ド(いわゆる「にこにこペース」)、距離はあまり気にせず、ゆっくりと時間をかけて走る事で、持久力がアップし、結果としてスピ−ドもアップして走りのレベルアップにつながります。言い換えれば、LSDにより”排気量”がアップ、その結果としてスピード練習等の負荷の高い練習に耐えうる身体となって、走りのレベルアップが図れるというわけです。ゆっくり走るということは身体にかかる負荷が小さいため、レベルの高いランナーほど、最初は物足りなく感じてしまうかもしれません。また、周りで走っているランナーに追い抜かれるのもあまり気分の良い物ではありませんが、一度、ゆったりとした気持ちでのんびりと走る楽しさを覚えれば、物足りなさや抜かれる悔しさを忘れて楽しく走れるようになるはずです。LSDの効果を得るためには初心者でも20〜30分、中級者なら1時間から2時間。エキスパートレベルになるとそれ以上の時間の確保が必要になりますが、週末の早朝をLSDトレーニングにあてるのが良いでしょう。次にLSDのメリットとしては、以下の点が挙げられます。

1.ゆっくりならたくさん走れる
  例えば、普段の練習で30分走っている人がペ−スを落としたら50分でも
  60分でも楽に走れてしまうものです。
  結果、走る距離も伸び、持久力トレーニングとしての効果もあがります。

2.ゆっくりなら気楽に走れる
  レベルアップのために速く走ろうと思うと、練習前からストレスを
  感じてしまいます。ゆっくり楽に走るのだと思えば、気楽に練習を
  開始できます。

3.ゆっくりなら怪我が少ない
  ゆっくり走れば身体への負荷が小さいため、故障の危険を軽減
  させながら、レベルアップが図られます。

4.ゆっくりなら脂肪が燃える
  ゆっくりと長い時間走る事は、最も効率よく脂肪を燃やす方法と
  なります。体脂肪を燃やして体重が落ちれば、その分ランニングの
  エネルギー効率が良くなります。

5.ゆっくりならリズムが良くなる
  速いペース重視で短時間走るトレーニングの場合、
  調子に乗る前に予定の練習が終わってしまうことが
  あるかも知れません。しかし、ゆっくり時間をかけて
  走っていると、少しでも楽をしようとする身体がそれを
  修正しようとして、いつの間にか走りに良いリズムが
  生まれて調子よく走れるようになります。

しかし、ゆっくりと言ってもどのくらいのペ−スで走れば良いのでしょう?ペ−ス設定にはふたつ方法があります。

@8分/km目安のペース設定
 距離の測れるコースを予め設定し、8分/kmのペースで
 3〜4km走り、体にそのペースを覚え込ませてLSDを  
 実施します。但し、途中からペースが自然に上がる場合が
 多いのでこのペースをキープするため、距離をきちんと
 測定したホームコース(一周5〜6km)を作り、その
 コースで一周ごとのペースを確認する方がよいかもしれません。

A最大心拍数の60%で走る
 自分の最大心拍数の60%の強度で十分LSD効果が出ると
 言われています。最大心拍数はおよそ「220-年齢」で
 求められますから、40歳なら(220-40)x0.6=108と
 なります。これを目安に自分で楽なペースを設定します。
 ちなみに心拍数(脈拍数)の図り方は以下となります。

・ゆっくり走り初めて3〜4分経ったら立ち止まり、すぐに
 脈を測り始める。

・脈は手首の動脈か首の横(耳の下あたり)にある動脈を
 人差し指と中指で軽く触れて測る。

・15秒間脈を数えて、その数字に4をかけ、1分間の脈拍数
 を算出する。

考えながら走る余裕があるのがLSDのメリットですが、そのメリットを手足の動きのバランスやリズムを考えることに使い、より良いフォーム作りに役立てましょう。ゆっくりが基本のLSDでは、ストライドを意識した走りはできませんが、姿勢や脚の運びと腕の振りのタイミングを習得するには最適です。視線を高くして、腰の位置が低くならないように注意し、小さなリズムでテンポの良いフォームで走ることを心掛けます。尚、LSDの間に腕振りなどの補強運動やもも上げ、スプリントなどの走りを取り入れるとより効果的です。以下、LSDトレーニングのポイントです。

●コンパクトなフォームでテンポよくさっさと走る。

●距離ではなく時間を意識して走る。

●ペースを変えずに走りながら、腕の引きを意識して大きく振る。
 リズムと下半身のバランスを崩さないように注意。

●走りの中でもも上げを行う。距離は無理をせず10〜20m程度から
 実施してみる。

尚、LSDと組み合わせた練習には、加速走が最適です。LSDのペースから大きな動きで徐々にスピードを上げてしばらく走り、今度は徐々にスピードを落としてLSDに戻ります。慣れてきたらダッシュに近いペースまで上げてみましょう。引用文献「スポ-ツグラフィック マラソン 監修:高岡邦夫」

それでは、次回まで”Enjoy your running!”by タカ





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