606の息抜き 其の壱拾四
  『完調』の対義語が『不調』ならば、『絶好調』の対義語は『絶不調』?

 今回のエンジン不調は久しぶりに悩まされるものでした。 
普通に走ってて突然不調になる! 何の前兆もなく吹け上がらなくなり… アクセルを踏めばマフラーから激しく火が出て、アクセル戻せば回転数が激しく落ちる。 さっきまでアイドリングの回転数が1200回転だったのに600〜700回転まで落ちる。 同時に油圧も1.0だったのが0.4まで落ちる。 
 これが初期の症状でした。

 「またベンチュリーストッパーボルトが抜け落ちたんだろうな」と… 吹け上がらない時は真っ先にこの事が思い浮かぶ。
しかし、1番から4番まで指差し確認しても、しっかり仕事してました。 もちろんベンチュリーはしっかり固定されてます。 『ハの字』もバッチリ。 それなのに… 突然発症して突然元通りになる。 不思議な現象。
 ただ! プラグだけは疑わしかったです。 3番だけが真っ白になってる。 つまり3番だけ燃料がきていないという事。 電気系統? 燃料系統? どちらにしても僕では対処できなかったので、主治医(ナイツブリッヂさん)の元まで運んで診てもらう事にしました。

 7月1日のエコパサンデーランの後ぐらいです。 トレーラーに積んでナイツさんまで運びました。 自走は不安だったし、蒸し暑かったもん!
閉店間際に駆け込んで診てもらったら、3番のベンチュリーが僅かにズレていてガソリンを吸わない状態になってました。 ストッパーボルトはしっかり固定されてると思ったのに…。 
 エンジンかけたらブン回りました。 1mm以下の僅かなズレで… 『完調』から一気に『不調』に陥るとは(>。<)

 それから暫くは『完調』を楽しんでたワケですが… 再び吹け上がらなくなる状態になってしまった。 『もしかしてまた3番かぁ?』と思い、プラグを抜いたら…やっぱり3番だけ真っ白でした。
 再来週は関西ツーリングなのにヤバイじゃん!
泣く泣く電話をしたら、たまたま僕の家の近くをナイツさんが積車で通るそうなので、寄り道して606号を積んで行ってくれました。 チキチ基地から自宅までの移動中に症状を伝えて… 入院。

 1週間ぐらいして退院の連絡が入りました。 「エンジンかけて調べたけど特に異常は無かったよ。 ただねぇ〜… 本多さん、ガソリンっていつも同じ所で入れてる? ハイオクの着色剤(赤色)が付着しててジェットの穴を塞いでたんだろうね! 行きつけのGSを違う所にしたほうがイイね。 キャブを分解して掃除しておいたから、とりあえずこれで乗ってみて♪」 と…
 カートの時も燃料(ハイオク)を行きつけのGSで入れていたから分かるけど、確かに赤かった。 ハイオクとレギュラーの違いを色で判断する為に、わざとハイオクに着色剤を入れて赤くしてるらしい。
 その着色剤が長い年月をかけて小さな穴を塞いでしまったらしい。 特に3番を!
関西ツーリングには完調&絶好調で行けそうでした。

 暑い時期だったので、電車に乗って取りに行き、自走して帰るのが嫌だったので… 引き取りもトレーラーで済ませました。

 そして迎えた関西ツーリング。 その時の報告書にも書きましたが… 途中で全く吹け上がらなくなった。 今までに無いぐらい調子悪い。 それまでは絶好調だったのに! 
ところがblog仲間の雨天中止さんがキャブを診てくださり… 突然吹け上がるようになりました。 大渋滞も何のその! 
そして大渋滞を抜けてからは回転数が6000回転より上がらないという事に直面。 でもこの時は本当に助かりました。
 
 帰宅してからプラグを抜いたら3番だけが僅かに白かった。 これから先は長野に行くし… その2週間後には2泊3日の九州が待っている。
どちらも『完調』で行きたい。 また吹け上がらなくなるのも嫌だし、高回転域が使えないのも嫌だ。 
 お盆休みの朝、試運転で三ヶ根山を走りました。 高回転域での渋さにストレスが溜まる試運転。 しかも料金所を通過する(出る)時に徐行しようとスピードを落としたら、アイドリングが一気に下がり…油圧も0.2まで下がったので驚きながらも慌ててアクセル踏んで油圧を上げました。

 帰宅してチキチ基地に格納しようとした時もアイドリングと油圧が安定せず… 放っておいたらエンジンが止まる感じです。
以上の事をナイツさんに伝えて、3度目の手術が始まりました。 
 ところが診てもらう時に限って606号は絶好調です。
キャブ調整をしてもらって高回転は7500回転まで軽く吹け上がります。 それ以上回ろうとする勢い。 でもアクセルを抜くとアイドリングと油圧はガクっと下がりました。

 「これ! この症状! エンジンが止まりそうになるでしょ!」と自信満々でアピール。 「じゃあちょっと預からせて。 乗って様子診るから。」と言う事で… もう神頼みです。

 そして長野へ行く3日前ぐらい(8月30日頃)に電話したら「乗ってみたけど調子悪くないよ。 むしろ絶好調過ぎるぐらい。」と言われて嬉しかったけど、アイドリングと油圧が下がる原因が確認されてなかったのが心残りだったので… なんとか原因を究明したかったけど、絶好調な606号の悪いところを探せとは言えないし、頼めません。 翌日31日の夜にトレーラーで引き取ってきました。 帰宅したのが遅かったので、606号はチキチ基地に戻さずに本部(自宅)にて宿泊。

 9月1日は仕事が暇だったので、朝一番で606号をトレーラーから降ろして磨いてたり点検をしました。 2時間近く整備をしてから、天気予報では夜に雨が降ると言ってたのでチキチ基地に格納する事にしました。
 エンジンをかけたらアイドリングも油圧も落ち着いてる様子。 電動ファンの確認もしたかったので、水温が86度になるまで暖気しました。 電動ファンはOK! さて、チキチ基地まで試運転だぁ〜♪ と… 走り出したのですが… 直ぐにアイドリングと油圧が安定しない状態になりました。
 なんとかチキチ基地に着いて、プラグを抜いたら煤だらけ! 完全にガソリンが多い。 困ったけど… さすがにもう疲れた。
 気休めにナイツさんに電話したら、電話じゃ伝わらないし… 自分でも上手く説明できない。
 明日、調子が悪かったら長野は諦めるつもりでした。

 晩飯食べて横になっていたらM山さんから電話。 またまたここまでの様子を話したら… 「それってもしかしたらバッテリーじゃないの?」 と言われて気がついた。 以前にもこんな状態の時にバッテリーを交換したら直った事がありました。 しかしカー用品店は閉店時間を僅かに過ぎてるからダメ。 行きつけのGSはまだ営業時間だったので、電話でA19Rのバッテリーは有るかどうか尋ねたら… A19RもA19Lも両方あるとの事! 「今すぐ取りに行きます」と車に乗って思い出した事… 『端子のタイプだったら使えない』 GSに聞いたら端子のタイプしか無いらしい。 「もうちょっと早かったらバッテリー屋さんが開いていたのになぁ」と言われてWショック。

 仕方なく606号をチキチ基地から本部に移動して、持っていたバッテリー充電器でチャージを試みました。 スイッチを入れた途端に充電の度合いを示す針はFULLを指した。 これ以上充電しても無駄だよ。

 もう寝る事にしましたわ。

 翌朝は午前4時にエンジンをかけて出発です。 深夜に降った雨で濡れていた路面は殆ど乾いてる。 エンジンは一発始動! 少し動かして焼肉屋さんの駐車場で暖気してから大通りに出ました。 なんとなくアイドリングと油圧が落ち着かない感じ。

 ちょっと火を噴きながらバイパスまで走りました。 交差点を左折して合流車線で加速しようとアクセル踏み込んだら、パンパンパンドッカンドッカンと、マスラーから火を噴いた。 暫くは左の側壁を照らしながら走ってる状態。 加速なんてしない。 踏めば踏むほど走らない606号になってました。
 「次のICで下りて帰ろう。」と思った。 いや…帰れるかな? 次のICまで行けるかな? と思うくらい最悪の状態。

 ところが諦めた途端に606号は生き返りました。 高回転をキープすれば調子はイイ! ここから先は有料道路。 こんな時間だから空いてるから行けると確信しました。

 そして長い事走って諏訪ICで下りた途端。 少ししか火は噴かなくなったけど、アイドリングと油圧はボロボロになりました。 集合場所までの道は間違えるし、迷子になるし… 安定しないし。
なんとか集合場所まで辿り着いた時には、身も心もボロボロになってました。

 そんなボロボロになってる時にナイツさんから電話。 「調子どう? 帰りに寄れる? 考えられる原因はコレしかないから…部品を用意しておくから走る力が残ってたら寄ってください。」との事! 
 しかしナイツまで行けるかな? 標高の高い現在地… エンジンかける事さえ、もう怖い。

 『天気が良ければ更に上まで行ける』 しかし、集合場所でさえ視界ゼロに近いくらいに霧が出てる。 昼食を済ませた時に、上まで登る事が中止になりました。 もし行ってたら間違いなくOUTでしたね。 此処から諏訪ICまで行く間に油圧は0.4。 アイドリングは600回転から放っておけば止まる感じ。

 しかも渋滞が不調に拍車をかけた。 どえらい困ってる状態の606だったけど… 外国人女子留学生の方々が見ていたので手を振ってあげたら… 馬鹿ウケ!! 葬式の帰り道みたいな雰囲気で歩いていたのに、いきなりお祭り騒ぎになったから面白かった。 それで調子にノッていたら諏訪ICへ行く道を間違えちゃうし…。 さらにさらに渋滞してたし…。
 暑さで水温も上昇。 タラタラとICまで進んで高速道路に入りました。

 高速道路に入ると絶不調の沼から絶好調の桃源郷へと様変わりする606号。 吹ける! 吹ける!
「なんでやねん!」と606号にツッコミ入れながら笑顔で爆走。 koba_5009さんを置いて、さっさと帰宅。(ゴメン!) だって…BDRサウンドが快感だったんだもん。(本当にゴメン!)

 土岐JCTから東海環状道へ進んで帰ろうか? ナイツさんに寄って診てもらおうか? ダイリーグの大家?(←ニューバージョン)
でも… 再来週は九州行くから、少しでも早く直したい。 原因を究明したい。
土岐JCTを通過して、名神高速道路へステアリングを向けました。

 小牧ICからナイツに着くまでの国道で、これまでの症状が出れば説明し易い! それなのに、こんな時に限って高速下りても絶好調。 ナイツに着いても絶好調でした。

 とりあえず店主さんに試乗していただきました。 が! 絶好調。
プラグを抜いてみたら、激黒だったので… キャブの中の小さな部品を交換してくれました。 現段階ではコレしか特効薬は無いので、試乗を兼ねて帰路につきました。
 本当は近所を走ってコメントしたかったけど、あまりに疲れていたし… A型の悲しい定めで、早く帰って洗車したかった。

 「さぁ帰ろう!」とエンジンかけて発進したけど…発進がシルビア! じゃなくて『シビア』です。 燃料を絞ったのでガスが薄い状態。 3000回転以上上げないと発進できない渋さでした。
 ところが調子イイ♪ 今までの困った症状が全然出ないまま帰宅。 嬉しかったからガンガン洗車しちゃった!

 風呂から上がって落ち着いたところで、ナイツ店主さんに電話しました。 「めちゃめちゃ調子良いです。 でも発進が大変ですわ!」と言うと、「じゃあ今度は違うので試してみようね! これで完璧なはず!」 
 やっと気持ち良く眠れる夜がきました。
7月1日から悩み続けていた『不調』の原因はこんな小さなヤツの小さな穴の、1/100mmの狂いでした。
 キャブに詳しい人なら、たぶんこの報告書の最初くらいで、コレが原因だと分かったはず。
僕もキャブは大好きだけど… まさかこんな物1個(×4)で2ヶ月も悩む事になるなんて! もうちょっとでキャブが(セブンが)嫌いになるところだった。 

 もうちょっとキャブの勉強しないとダメだね(>。<)@
しかし本当に大変な目に遭ったなぁ。 原因が分かって、今では調子良い606号! ますます人間らしさを味わいました。 ミニにばかり乗ってるからスネたのかと思ったし…♪

 結論! 低速&低回転時の燃料が濃かった故に、『カブってた』 という事でした m(_ _)m

 これまでは春夏秋冬いつも同じセッティングでも問題なかったのに… なんでだろう? 標高の高い所で息苦しさを感じた時はあったけど、キャブのセッティングはそのままで走りきれたのになぁ。 『温暖化』のせいだろうか?
 もし、的確な事を教えてくださる方がみえましたら… 解説してほしいです。


 とりあえずやっと息が抜けました。 by606