6/23 大日岳
御弊松尾根は飯豊連峰最高峰大日岳に直接突上げる尾根である。
家からも近いということもあって好きなルートのうちの一つである。しかし一番早く歩いたのが8月上旬で、やはり飯豊は残雪があってこそ、その美しさが際立つと思っている。
しかしアシ沢に橋が架からないと行けそうもない。半月も前から阿賀町役場へ橋は架けられたか問い合わせてきて、何度目かでようやく「橋は架けられました。」との回答を得ることが出来た。
登山口へ辿り着くまでに、かなり重めとも言えるアクシデントがあったが、なんとかかんとかそれも打破できた。

今回のルート
5:25 実川口登山口発
平らなブナ林を進んで木製の梯子で降りていくと沢の音が大きくなり単管でできた橋が見えてくる。
5:30 アシ沢の橋
橋を渡って少し登ると平坦な林の中を進む。それもすぐに終わり急登が始まる。梶川尾根前半のような容赦ない急登ではない。平らな所もあるのでそういう所で上がり過ぎた心拍数を下げる。標高900mを越えた辺りから左にオコナイ峰などを連ねた水晶尾根が見えてくる。春先に行った笠掛山は?と探す。これといった特徴を持たない一ピークだ。
樹林帯の掘れた道となり、そろそろ月心清水かと思わせるがなかなか着かない。がまんの登りを続けると、左にテント一張り分のスペースを見送るとすぐに月心清水への分岐広場へ飛び出す。
6:35 月心清水分岐通過
月心清水で荷を降ろし休みたいところではあるが、その直後にこのルートの中でも最も急登が待ち構えているので、それを終わらせてから休んだほうが良い。
その急登をやっつけると、左に水晶尾根が益々近くなる。花崗岩のザレた急登も所々出てくる。脇の木や下げられたロープをつかんで体を持ち上げる。
上の方が明るくなり「一服平か?」と思わせるが、まだだった。忍耐の登りを続けると、ひょいと一服平へ飛び出す。
7:45〜8:00 一服平
             一服平から牛首山の南のピーク

ここまで上がると早川ノ突キ上ゲが見えてくる。雪がつまっていそうだが、近づけば歩きやすい所もあるのではと、この時点では楽観的予測。ザックを下ろしてパンと牛乳。嫌なブヨも風が強いためか、ほとんど気にならないレベル。
           シラネアオイ 白花

                早川ノ突キ上ゲを見上げる

                   どこを歩こうか

前日、パッキングの際に迷った。ピッケルは携行するべきか否か。結局置いてきてしまった。持ってくりゃ良かった。後悔することになった。12爪のアイゼンを着ける。雪面のトラバース。悪いイメージがかすめる。振り払い、谷側は視野に入れず、なるべくフラットな所へ足を置くようにして歩を進める。安全地帯へ来て大きく息をつく。そこからは木や草をつかんで、少しハイマツを漕いで登山道へ出ることが出来た。
      烏帽子山☆

脚もくたびれてくるが、ここからは視界があれば優れた景観の稜線漫歩となるので、それを糧としてアップダウンを乗り切っていく。西風が強く、汗をかく暇がない。
9:38牛首山標柱(朽ちていて判読不可能)
               末期のハクサンイチゲと西大日岳〜薬師岳の稜線

               牛ヶ首へ向かって下りはじめる辺りからの大日岳

              ツバメオモト

         ミヤマハタザオ

       ミツバオウレン

牛ヶ首から稜線の東へ登路はふくらんでいる。再び稜線へ復帰する所でも雪がついていた。稜線にもどり、岩稜を越える。山頂直下の惣十郎清水はまだべったりと雪が残り、水は取れない。雪の淵のチシマザサをつかんで登る。またダニに食われそうだなとおもいながら。幕営跡地へ出ると山頂の標柱が見えてくる。
11:00大日岳山頂
                大日岳山頂から西大日岳

                烏帽子岳ほか主稜縦走路

                    御西 本山方向

                飯豊川をのぞきこむ

ここ(大日岳山頂)には、たいてい切合に泊った人たちが居たりするが、今日は人っ子一人いない。
幕営跡地まで降りて、お昼休憩。コンビニおにぎり2個。雲が生まれてわき上がり、そして流れ去っていく。だんだんと雲の占める割合が多くなり暗くなってきた。下りる支度をする。
惣十郎清水付近はシリセードできそうな感じもしないでもないが、怖さが勝り、後ろ向きに一歩づつ蹴り込んで高度を下げる。
          ミヤマハタザオとキジムシロ

岩稜から稜線の東側へ登路が張り出す所でも木の根や草をつかんで慎重に脚を運ぶ。
単独行とスライド。訊くと聖籠(新潟)の人だった。ゲートから自転車を引っ張って来たらしい。スライドしてちょっと離れてから、思い出したように「この先、水場ってあります?」「ゆぎどげみずあるすけだいじょうぶ」同じ北蒲原ということでこのような方言まるだしの回答をしてしまう。

             ミヤマカタバミ

                                   牛首山を見下ろす

       ハクサンチドリ

最後の難所をアイゼンを着けて慎重にクリア。大きく息をつく。
      早川ノ突キ上ゲ直下

    まだ咲いてたショウジョウバカマ

    しばらく降りてから見上げる 早川ノ突キ上ゲ

       コバイケイソウ

   キジムシロ(キンバイ?)

   ムラサキヤシオと水晶尾根

                 ? ?

     アカモノ

  ズグナシ(タニウツギ)の白花?

早川ノ突キ上ゲからは快適に下ることが出来た。いつもは途中で休みたくなるが、今回は休まず下りっぱなし。これはここ最近継続している、就寝前のスクワットと今日履いているCW-Xの効果だと思う。
                        巨ナラ

                アシ沢の橋

5:25登山口 6:35月心清水分岐 7:45〜一服平〜8:00 9:38牛首山標柱 11:00大日岳山頂
11:35大日岳山頂発 13:04牛首山標柱 14:08早川ノ突キ上ゲ直下 14:36一服平 15:16月心清水分岐 16:00登山口着
帰りにいつもの清川高原の温泉へ。体を洗っていたら案の定、右の肩甲骨にいました。ダニが。ぶちっとひっぱって除去する。

6/29 記

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