6/17(日)八十里越(新道)
ここを歩く多くの人は司馬遼太郎著「峠」を読んだ可能性が高いと思われる。
幕末の史実については数年前の大河ドラマ「新撰組!」を見て得た知識ぐらいしか持ち合わせていない。河井継之助についても長岡藩に居たぐらいしかわかっていない。
ここを歩いてみたいと思うようになったきっかけは、高桑信一著「古道巡礼」を読んだからだ。
実際に歩こうと思い立つも、ひとりでは歩けそうもない。
過去数回踏破している雲さんのスケジュールを訊き、かねてから歩きたいと言っていた綴さんと共に歩くことになった。

天気予報は快晴。4時10分前に家を出る。
五泉のセーブオンでおにぎり3個買う。
    朝日に染まる守門岳 旧下田村から

5時を少しまわった頃、吉ヶ平着。車がたくさん停まっている。キャンパーのようだ。綴さんはすでに準備をしていた。しばらくして雲さんも来た。当方は登山口に着いてから歩きはじめるまで時間がかかる。結果、2人を待たせるかっこうになる。
5:45スタート。
         東へ

           よりそうように建つ墓

馬場跡で雨生ヶ池経由番屋山への道を左に分ける。
朝露をたっぷり含んだ草が道にかぶさり気味でズボンのひざがぐっしょり。小一時間で椿尾根。
斜面がごっそり削ぎ落ちている、その淵を歩く所も。
椿尾根から1時間、歩きだしから2時間弱で番屋乗越(ばんやのっこし)、小休止する。
進行方向は南に向く。北から東の山々が見えるようになる。おそらくにぎわっているであろう粟ヶ岳。
光明山の尾根は近い。そのむこうは矢筈、青里か。

ハルゼミとエゾハルゼミの混声合唱。
         丸倉分岐辺りか?

                             作為的にポーズをとる筆者

デブリの上を歩くこともあったが歩きづらい所は少なかった。
10:40 中間地点にて小休止

              平頂の黒姫と鋭い袴腰 田代平から

          ヒメサユリ

11:30〜12:20田代平で大休止

12:50木ノ根峠で福島県に入る。幅広の高低差のない道を行き、眺めの良い松ヶ崎で小休止。どっしりとした博士山が印象的。
以後、よっぱらになることもなく、時折吹いてくる風が心地よかった。田代平を発って3時間で車道に飛び出す。
ライター高桑信一さんと

まさか、ここを歩きたいと思うきっかけとなった書物の作者に会えるとはなんてラッキーなんだろう。
               今回のフルメンバー

            車道より叶津川

アスファルトをストイックに1時間歩き続け、ゴールの浅草岳叶津登山口16:15着。「あれ?まだ来ていねねっか」と雲さん。ほぼ同時に迎えの車がすべりこんできて、吉ヶ平まで送ってもらう。
古道は落ち着いて歩くことができる良い道だった。この遺産を風化させることがないよう歩く人の絶えないことを願う。
6/20 記

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