4/29(日)五剣谷岳
五剣谷岳はここ蒲原平野からも良く見え、その特徴的なスカイラインで判別できる。岳人の求める要素をいくつも備えた「川内山塊」の中心的位置にあり、日帰りの山としては時間的、体力的にぎりぎりの山と言えると思う。
当日朝まで行き先を決めかねていた。前日夜は9時過ぎには眠りの底に沈んでいた。ほぼ五剣谷岳と決めていたからか、銀太郎までは過去2回この時期に歩いたこともあり、緊張感のかけらもなく、はっと目が覚めたのは4時をまわっていた。4時には登山口にいたかったのだが。その後、ストレッチを充分に行い、家を出、コンビニ経由で悪場峠へ。路駐の車両が6〜7台、なんとか隙間に停める。

今回のルート
6時に歩きだし、ひと登りで熱くなりジャンバーを脱ぐ。15分で佛峠。へつりながら進んでチャレンジランド杉川からの道が接続するT字路。水無平に入るとひんやりとしていた。たくさんのカタクリが見られたが皆うなだれている。ジグザグの道でぐいぐい高度を上げる。木六山からの尾根へはい上がると風が出てくる。鳥のさえずりに口笛で応える。7:25木六山々頂。
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そんなに下らなくても、、と思うほど高度を下げ、登り返す。長いピークを越え、また下り、再び登り返し、ここら辺から羽虫がまとわりつくようになりハッカ油を吹き付ける。雪の残るやや急な斜面を手を使い登れば【七郎平の泊り場】8:30着。テントが一張り。
泊り場を過ぎると、尾根が広くなり雪も残っていてコースが判然としなくなり地図とコンパスで方向を確認する回数が増える。銀次郎前衛ピーク前の鞍部で行動食を摂り小休止。9:10前衛峰。9:20銀太郎山々頂。まだまだ遠い五剣谷。

銀次郎からずんずん下り、鞍部から少し先、登り返しはじめたあたりに比較的新しい山の神様の祠がある。やや強めの西風が常時吹いて汗をかく暇がない。10:13銀太郎山々頂。おととし来た時にはもっと近くに五剣谷が見えた気がしたが、今日はまだ遠くに見える。
        銀太郎山から東南東の眺め

銀太郎以南は未体験ゾーンである。不安と期待と共に進む。はじめは横倒しになった柴をかきわけながら。鞍部は雪で埋っていて、二重山稜地形となっている。進行方向左(東)の尾根に移る。頂稜より一段右側(西)に踏み跡があるが不明瞭で何度か道を外して苦労する。薄薮と残雪の上を進み頂上直下まで詰める。かなり斜度のある雪の斜面がたちふさがる。12爪アイゼンを着け、ピッケルを抜く。先人のトレースを一歩一歩なぞりながら進み稜線に達する。「ここから左折して薮をこいで山頂に至る」、という多くの記録を読んでいたのでそのようにする。面倒なのでアイゼンは着けたまま、しかし歩きづらいくてしょうがない。それでもどうにか11:37五剣谷岳山頂。
                       五剣谷岳から南南西の展望

しばらく眺めていたい眺めが四方に広がっていた。この景観が1000mそこそこの山々によるものだとは、、いやはやただただ素晴らしい。
                       五剣谷岳から西の展望

川内山塊の核心部にいることをかみしめながら、コンビニおにぎりといなりずしを食べる。
                 五剣谷岳から南の展望

腹ごしらえも終わり、日焼け止めを塗り直し、もうすぐ正午という頃下山開始。へっぴり腰で山頂直下の斜面をこわごわ下り、残雪のブナ林を遊歩。踏み跡からまたまた外れたりしながらも進み、もうすぐ銀太郎だというころ、5〜6人の男女混合パーティーと行き交う。そのうちの女性一人が見覚えがあったので声をかけてみた。思った通り、昨年6月上旬門内小屋で会った方々だった。彼女らは胎内尾根登りのアゴク峰経由で下山というバリバリルートだった。自分が二ッ峰まで歩けたのも、このパーティーのトレースがあったからなのだ。なのでその時のお礼を述べる。ではではと分かれ、1:08銀太郎着。
1:35山の神通過。少し休んで、2:07銀次郎着。ここで大休止とする。ビールを雪に埋め、コンロでお湯を沸かす。ズボンをひざまで下ろし、無防備で小用を足していると単独行が下山して来て少し「しょし」だった。話すと七郎平に幕営している人だった。「青里まで行きました?」と訊くと「いや矢筈まで」と返ってきたので目が点になる。椅子に腰掛け、五剣谷に向かってひとり乾杯。辛めのワンタンスープをはふはふ食べ、まだまだ先は長いので2:41歩きだす。
                          銀次郎前衛峰を見下ろす

                        奈羅無登(ナラント)山

3:15七郎平の泊り場。テントが4張り。その後、右下へ下る所を見逃し登り返す。ここから木六山までが本当に長く感じられた。GPSで現在地確認しながらではあったが、この辺がこのコースにおけるふんばりどころだ。4:27木六山着。登りよりも時間がかかった。実質的に下山時に登りとなるのかも。5時、焼峰の神様通過。ずんずん下り水無平。
                夕陽に照らされて

チャレンジランド杉川へのT字路を分け最後の登り返し、5:35佛峠。ほぼ終わったと油断していたら踏み跡を外れてしまい、GPSで確認、薄薮をこぎ踏み跡に復帰。5:53駐車地点着。往復21.5km。
5/2 記

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