1/1 高井峠 途中撤退
近年の新潟の元日は晴れる確率が高くなっているようだ。
最近はごくまれに平日に青空が広がることがあるが、たいていは暗めの、見ているとどよ〜んと暗く気分まで沈みそうな空となることが多かった。にびいろ。なまりいろ。などと形容される空の色。
だから、なおさらのこと、まれに訪れる青空がありがたいものに感じる。
大晦日、夕方の天気予報。晴れるらしい。その後はまた例のはっきりしない空模様のオンパレード。今回を逃すと次回の晴れはいつになるかわかったものではない。
頭の中で行き先を思い浮かべる。先月の、昨年最後となってしまった高井峠での展望が気になったままだ。行き先は決まった。
静かな落ち着いたテンションのNHKゆく年来る年を見ながらいつのまにか就寝。
5時過ぎに目が覚める。残り物を適当に詰め、これを朝食とし、昼過ぎに戻る予定で6時半過ぎに家を出る。
三川のセブンでお湯だけもらい、マグカップでみそ汁。しかし雑な発進をしてしまい、三分の二ほどこぼしてしまい、車内のある部分がみそ汁の海状態。急いでぼろきれで拭き拭き。元旦の朝っぱらからさわいでいるのでばちがあたったのかもしれない。気を取り直し弁当を食べる。
川霧のたちこめる中、東へ。
実川沿いの道は小荒の集落まで除雪済み、その先は今は人は住んでいない。車をぶい〜んとバックさせ集落手前の待避所に駐車。ワカンを持って8時前に歩きだす。

今回のルート
相変わらず川霧が空を支配していたが充分晴れそうな気配を漂わせていた。スパイク長靴ではもぐるようになり、まだ林道ではあるがワカンを着ける。30分ほどで尾根の取り付きへ。
よっこらせっと尾根に上がる。ヤブの感じは前回歩いたこともあり、黙々と枝をすりぬけながら、ただ前の時は無かった雪がペースを上げさせない。
だんだん青空も広がってきた。もし曇り空のままだったならば、早々に帰ってしまっていただろう。白と青のコントラスト。それに会いたいがために大汗かいて枝を分け、もぐりがちな足場に悪戦苦闘しながらも上へと体を足を持ち上げる。
ヤブもいくぶんおとなしめになってきた 9:12

傾斜も緩み邪魔だった枝もほとんど気にならなくなる。しかしすいすいとは進まない。ぐぐっともぐってしまう。ちょっと進んでは立ち止まって汗をぬぐう。手拭いもびしょびしょ。しぼる。歩きだす。それの繰り返し。
  谷から谷へと尾根を横切っていくカモシカのトレース

わずかに下る所も出てくる。そういう所ではさすがに快適だ。
烏帽子山 大日岳 牛首山  10:12

少し傾斜がきつくなると腰までぬかるようになる。一歩を振り上げるのに、もがかなければならない。なめてかかっていたので昼の分のまともなエネルギー源も心もとないときている。山頂直下の急登200m差は、こんな空きっ腹では太刀打ちできないだろう。年の初めから途中撤退というのも「らしくて」いいかも、などと考え 10:47下山開始。
                パノラマ

ちょーしこいて谷底に転がって行かぬように、付けてきたトレースに忠実に下る。眺めの良い所でストップ。
        烏帽子山

                牛首山 櫛ガ峰

トレースがあるということと下りということで楽〜に高度を下げ、撤退を決めた地点から1時間ほどで林道に降り立てた。目的地には遥かおよばなかった。しかし微塵も悔いは無い。お目当ての景観も得た。なにより青空のもとで汗をかいたことが、今感じている爽快感を呼んだことは間違いないだろう。
1/1 記

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