5/4 西俣ノ峰〜頼母木山

梅花皮荘〜2時間半〜西俣峰〜3時間半〜頼母木山[登り6時間] [下り4時間10分]往復15.2km
この登路は、昭和38年秋、小国営林署の巡視林道として開かれたのを登山道として利用したものであったが、今は昔の物語、大淵〜天狗平間の雪崩危険地帯を避けるルートとして残雪期に辿られる。

自分には難しいだろうなと考えていたのだが、去年、山田さんが歩かれたのを見ていつかは歩いてみたいと思うようになり、地図もよくながめたりしていた。

前日、山際さんからお誘いメールをもらう。倉手山を登った後で、この日の朝起きることが出来たら行くことにする。


朝の小玉川
3:50家を出る。ほぼ1時間後、キャンピングカーの多い、関川の道の駅でトイレ休憩。小玉川小中学校の濃いピンクの桜を横目で通り過ぎ、梅花皮荘の駐車場へ車をすべらせると、すぐに山際さん達を発見。あいさつし準備し6時10分前に歩きだす。

民宿奥川入を過ぎ鯉のぼりがだら〜んとさがっている。谷地では水芭蕉が咲いている。杉林を抜けいよいよ尾根に取り付く。激しい急登、おびただしいほどのイワウチワ。手と足の置き場を確認しながら着実に高度を上げていく。

イワナシ
尾根に取り付いてから30分ほどで主尾根に乗り展望が広がり一息つく。雪の上に乗り少し行くと平らな雪原となっている十文字池。まだ遠い西俣ノ峰を仰ぎ見、歩き始めて2時間半、ようやく西俣ノ峰。東俣川をはさんですぐそこに重量感を持って展開する杁差に目を奪われる。

絵になる山容 鉾立&杁差
段差を慎重に登る
9時半頃消費したカロリーを補うべく行動食を摂る。グループだとこういう場面でもいろんな物が飛び出して楽しいひとときとなる。

エネルギーの補充も完了し、雪提の亀裂に注意しながら、またある時は雪の消えた薄藪の道を進んだ。枯松峰を過ぎた平らな所でKさんがずぼっと胸まで落ちてしまった。すぐに脱出できたが、自分もそうならないようにさらに注意しながら歩く。三匹穴への登りは、銅のような色の幹のダケカンバを横目に胸突き八丁の登りだった。斜度が緩んだ辺りで降りてきた単独行と話す。別れ際、どちらからなどと尋ねていると、おととしに御西小屋、去年の初夏に蒜場山でお会いした新津の人だった。またどこかでと彼と別れ最後の詰めにとりかかる。

チシマザサとハイマツ、名も知らぬ屈強な枝を持つ木。それらで構成された膝上ほどの藪の中を進む。突破し目的地の頼母木山でお地蔵さんと二王子方面の展望と向き合う。実に歩き始めて6時間が経過していた。

白く、大きい、二王子
ここからのこの景観が好きな人、多いのでは?
二王子をバックに頼母木山にて
山頂は風が強く、一通り周りの景色と登頂記念写真を撮り終えたら降り始める。藪地帯は東側を迂回して進んだ。三匹穴付近で雪の無い平らな場所がありそこで昼の弁当をひろげる。そこかしこから出てくる出てくる、ごっつぉのオンパレード。なかでも山際さんのにぎり寿司は秀逸だった。枝豆も本場黒崎の物となると冷凍であっても私の舌をうならせるには十分すぎるうまさだった。腹もふくれて「飯豊の山おんな」の合唱タイムとなる。初めて聞く歌なのでなかなか歌えるものでもないのだが、いっちゃんはおかまいなしである。「ちゃんと歌ってよ〜」次回まで覚えておきなさいと半強制的に通達を受ける。

すっかりくつろいでしまい店をたたんで下りの準備をし、2時に歩きだす。快適な下り。重力のままに降りていく。

光りと影の織りなす世界
ダイグラ尾根と主稜線
飯豊山が鋸歯状のダイグラ尾根を引くのを奥に、その手前に梶川尾根、丸森尾根も玉川本流へと大尾根を延ばすのをみとれながら歩く。

西俣ノ峰から振り返る
西俣ノ峰でばんざーい
宿り木を見上げれば半月と飛行機雲
夕陽を浴びて 倉手山
最後の急降下を慎重に降りて無事に車の所までもどってこれた。天候と同行者に恵まれて、記憶に残る山旅を完結することができた。

5/7記

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