11/23 二王子岳

回顧.二王子

初めて二王子岳に登ったのは'99 8/8だ。どのくらいの時間を費やし山頂に立ったのかはわからないが、下りのほうが時間がかかったことだけは覚えている。青春の鐘の横に立ち飯豊を背景にした写真がある。空は青かった。アキアカネと思われるトンボがいっしょに写っている。確か新潟明訓高校が甲子園で一回戦をしていた日だった。山頂で居合わせた人が飯豊を指し「あっちは行ぎなさったこどある?」「いやぁ、まだないです。」雪の全く残っていない飯豊を見ながらそう答えた。当時は年間に片手で足りるくらいの山登りをしていた。きつかったのは一王子からの下りだ。最後の杉林になっても神社にはなかな着かず「なんでこんなに難儀してんだろ?」と心の中ではべそをかきながらやっとやっと歩いていた。


21(月)夕方

ぽかぽかの小春日和。夕日に照らされる大日岳は威厳を漂わせていた。それら銀屏風の飯豊主稜線に比べ、二王子はまだねずみ色に見え、雪が少ないように見えた。その時は。

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23日(勤労感謝の日)

家を5時前に出る。二王子神社に着いてみると車は1台もとまっていなかった。まだ夜が明け切らぬほの暗い車内で詰めてきた弁当を食べる。当然エンジンは切ってある。よくコンビニなどで、エンジンかけっぱなしに買い物しているバカを見ることがある。今、地球がどれだけ蝕まれているのかわかっていないんだなと脱力感にさいなまれる。それはそうと、「納豆大根おろし和え」をなんでこんなにおいしいんだろうと食べていると、後続の車がぽつりぽつり到着しはじめる。

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いつもより厚い5本指靴下と、厚手の靴下を重ね履きする。使うかわからないが保険の意味も含めアルミのワカンも携行する。いつもは持たないストックも一本だけ持つ。

6:48杉林へと入っていく。左に折れて一段高くなり沢のそばをたんたんと進む。1合目手前で暑くなり薄着になる。大きな石が見えて、神子石の脇を過ぎればすぐに2合目の水場。ぬかるんだ道をいかに力のロスを少なく、心拍数を上昇させずに、それらをクリアしながらもできるだけ短時間で歩くには、、などと考えていると一王子だ。このころはまだ青空も見えて山頂での展望を期待していた。

7:52 一王子をすぎて
次第に空が暗くなっていく。いつのまにか冬の新潟のあのネガティブな気分にさせてくれる鉛色にかわってしまった。山頂からの山岳展望というおたのしみも期待できそうにないが、雪の感触を確かめ歩いているのがなぜか楽しかった。8:13 4合目。8:27 5合目独標 積雪は3〜40センチ。赤く塗られた鉄の棒のすぐ先が7合目。そこで装備を冬バージョンにする。本当にネオプレーン製?と疑わしいホームセンターで買った手袋を着け、フリースの帽子を耳の上のところまかぶると寒さがやわらぐ。ぬれせんべいとこんにゃく畑とガーナブラックチョコレートを食べ後半戦に備える。

9:25油こぼしですか?
9:25平野部は晴れているようだ
油こぼしと思われるところの少し西側を通って上部に上がる。そこでワカンを着ける。風が強い。止まっているとたちまち体温が下がるのがわかる。なだらかな道を時々ぬかりながら進む。人も多くなってきた。9:57 8合目。アンテナとかまぼこ形の雨量観測施設の9合目を通過し、気分は小屋の向こうの青春の鐘から見る胎内川をはさんで展開する飯豊への期待がふくらむ。

10:35 山頂より 黒石山経由胎内への道
ここ二王子から、赤津山経由門内岳を歩いたことがあると言う新発田山岳会の女性から話しを聞く。その道は2度歩いていて、天国と地獄を味わったらしい。残雪の具合で快適となるか、はたまた大藪の海を小舟が進むかのごとく、、になるのか。いずれにせよ魅力的ではあるが、まだまだ足を踏み込んではならないエリアと思っている。

10:44 飯豊中央部 接空線は雲の中
平野部は晴れている。小屋に入り火をつけて手をかざし暖をとる。カップラーメンの小さいのを食べたかったが箸を忘れたようだ。カロリーメイトとお湯で腹の虫をなだめすかす。

青春の鐘を撤去する新発田山岳会のみなさん
新発田山岳会さんの青春の鐘撤去作業を見学し、再び小屋にもどり下りで必要と思われるカロリーを摂取。下山支度整え外に出る。すると山ではとんとお目にかかることがなかった、若い女性が到着したところだった。男女2名づつのパーティーで、青春の鐘にて記念撮影をとの依頼に快く承諾。

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中央、蒜場 右の遠景には笠倉&御神楽
粟も見えていたのだが
気持ちよく下って行き、0:09 6合目。0:27 独標。 0:44 4合目。 0:55〜1:15三王子で、吉田の人と新津の人と歓談し小休止。どろどろの坂道を慎重に下り、1:22 水場のある2合目。1:34 1合目。 1:52 二王子神社着。トイレ入り口の水道にて靴とスパッツの泥を落とし神社をあとにする。

↑三合目にて筆者 画像クリックで画像提供者のヒデさんの紀行文へジャンプ
財布と相談した結果「やなぎ」の看板の前を泣く泣く素通り。車中にて菓子パンと缶コーヒーを「結構いけますがな」と食べ、最近、定着しつつある、出湯のお寺に立ち寄りしばし極楽浄土の人となり、3:34 無事帰宅。  往復73.8km推定ガソリン代760円+温泉150円 今回もチープな山旅だった。

11/25 記/12/2加筆修正

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