7/2〜3 門内岳 梶川尾根往復

勤務先の今月の休業日が先週になりようやく発表された。第一週目の土曜のみ。週間予報では金曜の朝まで、土日は悪い予報が出されていた。時期が時期だけにそれもしかたないなとあきらめモードで週末を迎えると思っていた。それが金曜の夕方から上方修正していき、土曜の朝になると日曜は晴れにまで変わった。

「山形県小国町飯豊山荘から門内小屋泊まり、3(日)昼過ぎ帰宅予定」と紙に書き冷蔵庫のドアに張り、茶わん2杯ほど詰めたタッパを二つ持ち9時を少しまわったころ家を出る。

天狗平は11時前に到着。緑と日差しは盛夏を思わせていた。きびしい登りでシャリバテにならぬよう1個目の弁当を食べ、あと10分で正午になるという刻にスタート。

湯沢の橋〜門内小屋 距離往復13.4km 高差1480m 登り5時間10分 下り4時間半
いつもの日帰り軽装とは違い、四肢を使いゆっくり上がっていく。ロープを頼りに一枚岩を通過。疲れて足を止めると聞こえてくるのは、涼しげなカナカナカナ....それ系の蝉しぐれと蛙(カナで表すのは難しい)の鳴き声と自分の「どっくんどっくん」という鼓動。

35分ほどでケルンのある標高700mで緩やかになり、飯豊山荘のトタン屋根がはるか下になる。蛍光ブルーの鮮やかなトカゲがささっと横切る。なんか疲れるなぁと思えばどうもザックが横に振られるのが悪いようだ、ウエストベルトを腰骨付近でタイトにするとまるで楽になった。登山者情報にあった残置荷物を通過、ブナの倒木は真ん中を切ってあり巻き道を通ることなく越せた。ヒドを越え傾いたベンチの様になった倒木。990mの湯沢峰の肩というか北のピークで急登も落ち着く。水平移動し、歩きはじめて1時間半で湯沢峰標柱。ここは日差しをもろに浴びるのでそのまま通過。

ここでザックを背負ったままもたれかかって休む
滝見場からは十文字鞍部の梅花皮小屋は見えるが両サイドの梅花皮岳および北股岳は雲に隠れていた。五郎清水の上下はきつい急登が長いこのコースを象徴する部分だ。カラスアゲハか黒い蝶がひらひら舞う。猿のものか植物系を摂って出されたと思われるペースト状の排泄物が登路上に点々とあり手足を置きそうになり、おぉあぶね〜。その排泄物と似た色のヘビがにょろにょろと横断、前は鳥肌が立ったがなんとも思わなくなってしまった。五郎清水で顔を洗い、頭もわしゃわしゃする。生き返るような心地良さ。

五郎清水からの急登を終えダケカンバのある付近から 3:40
1600mを越えた辺りから雪渓が出てきて、その左側にネマガリダケを刈った道がつけられていてそこをバキバキと進む。この時期ここまで雪が残るのは異例のことかもしれない。そして主稜線から緩やかにのびた尾根のピーク梶川峰に着く。ヒメサユリ。ニッコウキスゲ、コバイケイソウ、ゴゼンタチバナ。ケキョケキョケキョ。稜線にはこの声が似合う。ガスがわいてきて北からの風に汗も引っ込んだ。ガレた足場の悪いところは足の置き場にも気を使う。扇の地紙までは高差200mあり気が抜けない。

今年初対面 梶川峰付近
黄色と桃色の共演
40分ほど耐えて主稜線に上がる。新潟側も乳白色のガスに沈んでいる。風は以外にも弱くなる。景色のないまま胎内山を通過、しかし小屋へ近づくにつれガスが切れだし青空も広がりはじめた。ちょうど5時頃に門内小屋の扉を開く。1階には2名づつ2組が夕食を摂っていた。外の景色が気になり出たり入ったりする。飯豊山が双耳峰を見せている。直線距離は近くに感じられる。雲がわいては流れ去りそれは生きていることを主張しているかのようだ。

飯豊山もくっきり 5:43
小屋に戻り、寝床をセットしサトウの切り餅つきたてシングルパックを焼いて食べる。メインディッシュは陽が沈んでからとする。また外に出て何をするでもなくぼ〜っと景色を眺める。水汲みに向かう東京からの単独行とひとしきり話す、石転びで上がってきたそうだ。今冬の積雪の多さに加え週はじめの豪雨。とてもじゃないが手に負えるコースではないなと予想していた。案の定恐かったらしい。

夕闇迫るニツ峰 6:48
日没のドラマも見終え、レトルトのカレーを温めその中に弁当のごはんを少しずつ入れ、かきまぜて食べる。うまかった。すでにとなりのおじさん2名は高いびきである。通路をはさんだ向かいのおじさん2名は秋田の北部からで、いろいろと話した。8時近くになりみんなシュラフに入ったのでしかたなしに寝ることにする。

9時過ぎに外に出てみると星がすごかった。おそらく天の川と思われるものも見えた。新発田の夜景も二王子の左肩越しに見えた。


雲海より昇る太陽 4:20
ぐっすりとはいかなかった。朝食はミートソースをパスタなしで食べる。あとはごはんと餅。5時頃からニツ峰に近づこうと試みる。門内の頂からはチシマザサ薮が腰〜胸までありそう。北股方面に進み、ギルダ原から草原と雪渓を進み1767p付近まで行って引き返す。

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小屋までの登りがしんどかった。パッキングして6時前に小屋を発つ。

梶川尾根
十文字鞍部の向こうに大日岳
ヨツバシオガマ
ヒメサユリの小径
ダケカンバを目前にして 雲海に朝日連峰の稜線が浮かぶ
3本カンバより石転び大雪渓
五郎清水で休んでいるとHZUさんを先頭に小国町の山開きに参加のみなさんが上がってきた。平均年齢は高そうだ。しかし皆はつらつとしている。8時過ぎにそこを発つ。山開きのスタッフ遠藤さんとスライド、滝見場でリタイヤした人達もいたようである。

あとは休みを交えながらの急降下を慎重にこなし天狗平へは10時半に着いた。

川入荘の内湯によって、越後屋でルイベとざるそばを食べてから帰路についた。

7/6 記


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