6/18〜19 日暮沢〜ユーフン〜寒江山〜西朝日岳〜古寺山〜日暮沢

18(日)

0:05自宅発 4:24日暮沢小屋着5:23発 6:19 948p 7:25ゴロビズ水場 8:40清太岩山 9:15〜9:51ユーフン 10:30寒江山.西朝日岳分岐 竜門小屋着時刻不明 11:50竜門小屋発 0:45寒江山々頂 1:30三方境 1:42〜1:56狐穴小屋 3:50竜門小屋着

19(日)

5:17竜門小屋発 5:31ユーフン分岐 7:57金玉水標柱 8:07大朝日小屋 8:15〜8:36霊山朝日岳神社奥宮 8:50銀玉水標柱 9:40鳥原分岐 11:05〜11:12古寺山々頂 11:55古寺鉱泉分岐 2:08日暮沢小屋着

2日間 総移動距離29.7km

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朝日連峰。自分にとっては少し遠い憧れの山域である。昨秋、小国口から蛇引尾根で主峰大朝日を踏み、登る朝陽を見ることができた。しかし山肌に残雪をつけたのを見たら印象はかなり違うのではないか。そんな思いを胸にこの季節をむかえ高鳴る胸と共に日暮沢を目指した。

17(金)

ホリケンがほそがいかずのこに扮してトークしているのを最後に記憶がない。9時前には寝ていたと思う。

18(土)

日付けが替わったころ家を出る。290、五十公野、〆切橋で再度290、113手ノ子で北東に向きをかえ、長井手前のコンビニで寝酒用の高畠ワインの2合瓶を買う。道の駅西川で2回目の休憩。根子の先で道を間違える。日暮沢着4時半前。小屋を見学。新しくて山の避難小屋という感じは希薄だ。車の中で黒ごまフランスパンにピザソースをつけ食べていると、新潟ナンバーの車が1台。歩きだす時に少し話す。その人はハナヌキ峰方面への林道を歩いていった。こちらも重いザックを背負い出発。木の根が階段状になっている。斜度的にはちょうど良いと思う。緩歩無休。蝉か蛙だろうかにぎやかだ。木々の葉が日差しを和らげてくれているので調子良く高度をかせげる。1時間半ぐらい歩いてザックを下ろし休む。この時にタオルを乾かそうと思い、枝にひっかけてそのまま忘れてしまう。25分ぐらい休んで、うんしょとザックを背負い歩きだそうとすると、下から登ってくる気配がするので少し待つ。秋田の人で今日は以東まで行くと言う。この人は速くて見る見る遠ざかっていった。ゴロビツ清水の看板はゴロビズとなっていた。先に進むと黄色のお花畑が見えてきた。湿地に直径2cm大でハクサンイチゲぐらいの大きさ、葉は丸かった。調べたが判らない。雪の消えたばかりの地面からカタクリ、イワウチワが咲いていて、標高が高くなると季節が巻き戻されるような不思議な感じがした。

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雪の斜面になりザックにつけていたストックを出す。今回、ピッケル、アイゼンは持ってこなかった。キックステップで直登し雪堤に上がる。月山がなだらかな接空線を引いていた。またすぐ夏道になり、樋状の道の両岸にはミツバオウレン、ムシカリ、濃いピンクのツツジ(なんとかヤシオ?)。足もとのタムシバの花びらを踏んで進む。清太岩山からの下りはガレていて苦労した。足を鉛直方向に置くように気をつけた。道はまたえぐれた樋状になり、ツマトリソウ、マイヅルソウが咲いている。ユーフン山(1565)で大休止。この山は新潟の白山を更になだらかにしたようなドーム型の山容だ。そこは足を止めさせる展望があった。竜門小屋がすぐ近くに見える。後で小屋で一緒になった人はここでスケッチを愉しんだらしい。そういう山行きに憧れる。しょっぱい物や甘い物を食べていると、キアゲハのような色の蝶がひらひらと舞っている。脳内に快楽物質が多量に発生している感じがする。きのうの夜ぐらいまでは、大朝日に泊まるつもりだったけど、ある方が朝日の山開きを敬遠し飯豊に転身しますとのメールが入ったので、それならば竜門に大荷物を預け、稜線を身軽に散策することに。重くなった腰をあげようとすると単独行が上がってくるのが見えたので待つ。その人は竜門小屋の管理人氏だった。しばし話して、今晩お世話になりますと言って先に行ってもらった。主稜線のT字路を右折し、そこから小屋までの登りにはウスユキソウの白、イワカガミの濃いピンク、キジムシロの黄色、それらの花と、風の強い所に生育する植物の深い緑が美しく調和して、素晴らしいという言葉では言い表せない、心という容器に何かがなみなみとそそがれていく感覚とでも言ったらいいのか、とにかく、今ここを歩いていることがしあわせだと思えた。

小屋に着くと先ほどの管理人氏が毛布を干していた。挨拶し、中に入る。ここも新しくてきれいだ。2階に上がりサブザックに水と行動食を入れ、小屋のつっかけで外へ出ると登山口で会った新潟の人がいた。ハナヌキ経由でもうここへ着くとはすごい速さだ。その人と小屋でいろいろ話す。5月のはじめに飯豊の西俣ノ峰経由で北股までを日帰りとか、とにかく自分の想像の域を越えていた。山では眠れないので泊まらないとも言っていた。その人はラーメンを食べると寒江山方面へと歩いていった。おれもこのパン食ったら追いかけますと言って見送る。身軽になり意気揚々と小屋から出ると、「ハタノさん!」と声がする。えっ?!と思い声の主を確認すると新潟の山田さんだった。思わず「なんで、こんげとごにいるん?」と言ってしまった。しかしそれは山田さんのセリフのようだった。

シラネアオイ こちらのは色が濃い 12:01
ここに来るまで、シラネアオイをたいしてきれいな花じゃねぇなと思っていた。それが一気に好きな花ベスト10に入った感じだ。

南寒江山では地元の夫婦が「小屋に降りるのがもったいなくて。」と、黄色とピンクと白の花畑を愛でながらランチを楽しんでいた。

寒江山と北寒江山の中間から  12:51
 

ウスユキソウ、キジムシロと相模山  1:04
寒江山の先は花も乏しくなった。三方境から狐穴小屋へ向かう登路上の石にペンキでバッテンが描いてあったので、右の天狗小屋方面から小屋へと降りた。小屋をのぞき、まだ雪でかくれた木道のそばから水を取った。竜門小屋へと歩きだすと山田さんが来た。以東小屋に泊まるそうだ。

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白、濃いピンク、濃い緑のハーモニー 2:17
 

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寒江山から三面マタギの崇拝対象「相模様」 3:01
寒江山からは竜門山、西朝日岳の向こうにピラミダルな大朝日岳が頭をのぞかせていた。これだけ美しい三角錐のスカイラインは見たことがない。大朝日小屋に泊まった時、大朝日は中岳の方から見るとかっこいいと聞いていたが、ここ寒江山からの大朝日もかっこよかった。

竜門小屋へ戻る道中、小屋で荷物をデポし、寒江山方面に空身で散歩に向かう数組の登山者とスライドする。

コシアブラとユキザサ(山アスパラ)
小屋に着き、2階で鶴岡の梅津さん夫婦と話す。新潟の山にも登られていて、新潟はいい山多いですね。と言われうれしかった。窓から下をのぞくと山菜パーティーの様相。あつかましくその環の中へ。ゆっくりと傾いていく日差しの下で、管理人氏や他の登山者と山の話しを楽しむ。1本だけ持ってきた発砲酒をちびちび飲みながらつまむ山菜。コシアブラは天ぷらでしか食べたことなかったが、湯がいて水をかけただけのを食べてみる。山菜特有のエグみ、苦みが良かった。ユキザサはその苦み等が無く、いくらでも食べられそうだった。6時頃から夕陽を受けて輝く大朝日を見たくて竜門山へ散歩に出かける。しかし、思惑通りにはいかない。陽はかすんでしまっていた。南寒江山の右肩に隠れる太陽を見ながら小屋にもどる。寝床をセッティングし、1階へ降り管理人氏と知り合いのかたと、ろうそくの灯りで少し飲む。きゅうりの生ハム巻きとみそかつおにんにくをごちそうになる。他の人は寝はじめたので短時間で引き上げる。寝たのは7時半前後だったようだ。夜中に目が覚める。窓の外はぼわっと明るいが星は出ていない。さぁ寝ようとすると寝れないので壁にもたれかかってうつらうつらする。腹が減って来たので餅を焼き、その他あまり音のしないような物を食べたが、周りの人にはかなり迷惑な行為だったと反省。

翌朝、夜中に食べたのに朝も残飯整理をする。ガスっていて日の出は見れなかった。5時半前に小屋をあとにする。朝陽に光り輝く相模様を期待していたがガスの中。7時前頃から青空も広がりはじめ、祝瓶も独特のスカイラインを見せていた。金玉水から大朝日小屋までの登りが急登ではないのだがきつかった。大朝日小屋では管理人氏が玄関を掃いていた。ここでは休まずひとつ先の石の積んである奥宮までがんばる。

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快適グリセードで銀玉水へ。水は出ていたらしいが確認せずに通過してしまう。両手を使う急登の後、鳥原分岐。その先で雪を融かして水をつくる。ブヨの襲撃の中残り物を食べる。

ここが雪堤をまっすぐ行ってしまいそうになる
古寺山からの下りは雪堤をそのまま北東方向に進みそうになり、たまたまそこにいた人に「あっちですよ」と教えてもらいミスに気づく。当日もここをまっすぐ行ってしまった人の捜索がされていた。要注意ポイントである。どろどろの道で高度を下げる。雪の足跡にクワガタを見る。道も乾き平坦地に何かの大木が立っている。古寺鉱泉の分岐を少し進んだ所で昼の休憩に入る。ハナヌキ峰を越し、脚の疲れもピークを向かえ、最後の急降下に備え、910m付近で最後の休憩。

怒濤の下り、沢の音が大きくなりやがて沢沿いの水平道。

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シシ神のいそうな森を過ぎ、右から落ち込む滝のような沢で顔と頭を洗い、林道を最後の気力で歩いていると、昨日、会った秋田の人が後ろから来て話しながら車の所に辿り着いた。大井沢温泉ゆったり館に入っていると、鶴岡の梅津さんや秋田の人も入ってきた。目で挨拶しさっぱりして、鶴岡経由で帰路についた。途中、笹川流れで潮風にあたり休憩。家に着いたのは8時近くになっていた。この2日間最高の条件に恵まれて朝日もいいでぇ〜と腹の底から言えるようになった。小屋泊まりの山行きも場数を踏んで、装備もブラッシュアップして次回に臨みたい。

6/26 記

 

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