3/20 船窪山

当初目指したのは大山(だいやま918.0m)で、そこから矢筈の写真を撮り、「矢筈を夢見るすべてのBoys&Girlsにささぐ」とコメントしたかった。そのような甘いシナリオとはうらはらにきびしさ、むずかしさを思い知らされる結果となった。


ある日の昼休み室谷の地図を見ていて思いついた。地図には名前は載っていない。今なら薮も雪の下だろう。そして一番ここを歩きたいと思わせたのは、矢筈ほか川内の山々を東から=(逆光にならずに)拝めるのではと思ったからだ。

往復9.41km 歩いている時間より止まっている時間の方が長かった

6:20 室谷集落の除雪車置き場のそばから林道を歩きはじめる。何を血迷ったかフリトレとアルペン用の靴をザックに入れる。1泊装備並みの重さが肩にのしかかる。きょうもまたワカンのトレースがあり、それをひろっていく。つぼ足でも問題無い。

6:43 これたぶん南から南西方面だと思うけど..
6:50 310m杉林へ入る。7:20 430mそろそろつぼ足ではぬかるようになってきたのでワカンを着ける。遠く目指す稜線に青空をバックに霧氷をまとったかのように見える木々がおいでおいでしているようだ。

8:58 細めのブナが適度な密度で林立する広い尾根
750m付近で稜線にあがる。(時刻不明)先行者のトレースはここで消える。稜線上はクラスト気味であまりもぐらず先行者のトレースは消えたのかもしれない。実景の巨大さにがくぜんとする。コンパスで方向確認し進む。

9:34 アンテナのある810mピーク手前にて
地図で見るとなんてことない20mほどの標高差を登るのが非常に重労働だ。クラストした斜面ではワカンを外し、キックステップするのだが、一旦バックスゥイングして蹴り込む、そうすることでなんとか足場ができる。きょうはプラブーツにして正解だ。そして坂を登ったらワカン無しではもぐるので着け直す。

9:45〜10:10 840ピークを越した800m付近の鞍部で休む。この時は遠くの白い山が飯豊とは認識していない。

9:55 北には遠く、ひときわ白い飯豊
10:41 南西方向、遠景やや左は日尊の倉山
メモに「なんぎ」と書いてある。10:55 T字形の830m台地。この辺は大きな天然杉があった(ような気がする)。そこから少し下ってからの高差60mがきびしかった。ジグザグに休み休み登った。11:19 880m付近で斜度緩みホッと一息。

おぉ〜
船窪山から大山はどこだとコンパスで方向を確認する。遠い。すでに足が怪しくなってきていることもありここまでとする。フリトレにワックスを塗る。そしてプラブーツのままソフトブーツアタッチメントを着け滑ってみる。しかし全く乗ることが出来ず、来た時と同じようにフリトレをザックの両脇に挟んで帰ることにする。もうこりごりだ。山でスキーの類いはしないことにしよう。しかし時間が経てばまた滑ってみたくなり、山へ持ち込んでは滑れずにもうやめようと思う。そんなことを繰り返すような気がする。学習能力が欠落しているのかもしれない。

12:20頃降りはじめる。斜度のある所では足を置いたと思ったら雪が崩れてそのまま不本意なシリセードとなる。

1:55
2:04 アンテナ通過。2:32 794mピーク北の750m付近の下降点。ひざの裏側に例え様の無い違和感を覚える。無理せず休みながら前進。残っているパンを食べる。杉林に入り、あともう少しだなと歩く。しかし杉林を抜けてもまだ林道までには高度を下げなければならない。雪が腐ってきていて足を置こうにも崩れてしまう。そこで5〜6mほど滑り、止まったはいいがワカンを着けた足が抜けない。そして馬鹿なので上体を谷側にずり落としてしまう。このままでは足を折るかもしれない。馬鹿なりに考える。先ずはこのザックをはずそう。ふうはずれた。次に上半身を足よりも山側に。うん、これで体制は整った。しかしはまった足は動かない。片方だけなのは不幸中の幸いと言える。両手もフリーなのでそのはまった足の周りの雪を掻き出す。ここ掘れワンワン。少し動くようになった。もっと掘れワンワン。ふー。どうにか脱出できた。けがもしていない。助かった。歩き出すとすぐに林道で無事戻ることができた。4:45 駐車地点着。

反省点。圧雪されたゲレンデでもまともに滑ったことがない者がバックカントリーに持ち込んでも滑れるわけがない。その重荷による体力の消耗。加えて前夜まともに寝ていない。基本中の基本をきっちりやっておかないとこうなってしまう。


3/31 加筆修正