4/29 西ノ峰

赤津山、新潟の低山藪山という本で知ったのはもうずいぶん前のことだ。その後この山の記録をいくつかのサイトで読ませてもらった。雨量観測の小屋への道か山菜およびきのこ採りの道かはわからないが尾根には踏みあとがあるらしい。もしたどりつけたなら飯豊はどんなふうに見えるのか、モチベーションを高めさせるのはその一点に尽きる。

5時に家を出て村杉温泉の共同浴場そばの薬師の清水をくむのに立ち寄る。八幡を通り天の原で県道14号新発田津川線を右折。上赤谷の信号は左、加治川第1ダム管理施設の前で思いがけずゲートがおりていた。そこで車を停め、支度をしていると70リットルほどのザックを背負いこれから出発するところといったかんじの3人がいた。話しを聞くと蒜場にあがって烏帽子、大日岳へとむかうようだ。今夜は丸子カルまでと言っていた。

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準備をし車から自転車をおろしゆっくりと登っていく。加治川ダムから赤津沢付近までは遠いので、というか掛留沢の駐車場までを車で走っていても遠くかんじていたので、自転車で時間短縮しようと考えた。

これから林道に突入。空は青い
しばらく進むとカーブミラーがいくつか集められて道の端に置かれていた。車での通行が禁止されているからだろう。そして前方になにかのシルエットが。目をこらしてみると猿の群れだ。ちょうど逆光だったので近くに行くまでわからなかった。おっかないので奇声をあげると林の中へどいてくれた。ありがとうと叫びながら走り抜ける。いなかっぺ大将の大ちゃんかぞえうたなどをうたっていると後ろから原付きらしき音が近づいてきて、横に並ぶ。豊栄ナンバーのモンキーだった。少し話す。

道の上に雪の残っているところは押して進んだ。モンキー氏は強行突破したらしい轍が残っている。

どれが赤津沢なのかわからず、地形図を見ながら彷徨う。となりの四郎左エ門沢らしきところの近くから林の中へ入っていった。2つの沢の間にある尾根にのればいいので高みを目がけて登って行く。足もとはすべりやすい。鉈目が出てきてここでいいのだなと更に上を目指す。雪の重みで谷側にたれさがった低灌木につかまりながら体を押上げる。思っていたより薮がすごい。たまに登山道らしくなるがまたすぐに薮こぎを強いられる。振り返れば蒜場が腕組みしてこちらを見ているような感じがした。帰りにここを降りてこられるのだろうか、いや、しかしここまできて飯豊を拝まずに帰ったなら後悔するのは目に見えている。薮こぎという全身の筋肉総動員のスポーツは非常に疲れる。立ち止まり呼吸を整えながらの葛藤があった。そしてもう少し上にいくことにした。ふと見上げると木の上に蛇が日向ぼっこをしているのを発見。ひえ〜となって鳥肌が立つ。そこを避けるように進んだ。

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雪の残っているところもでてきたが、ゆっくり登って行った。そして尾根が右にカーブしているところで、ここらへんが西ノ峰なんだなとザックをおろし、あたりをぐるっと見回した。

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もうひとつのパノラマ(photo stich)バージョン

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下りは想像通り難をきわめた。林道に降り立った時は正直ほっとした。今回は自分にとってかなり無理していた。しかしこういう山行きもこなしていかなければ進歩しないのかなとも思っている。なぜ薮をこざいてまでいったのか、以前、それもそんな昔ではないちょっと前なら簡単に引き返してしまっていた。何がわたしを西ノ峰まで行かせたのだろう?それは頭の上の青い空とそれに映える飯豊の白い山並みをこの目で見たかったからに違いない。

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5/5 記