2/22 兎ヶ倉山

先ず、この山名を読める人がいるだろうか?こう書いて「うさんくら」である...まさに知る人ぞ知るだ。標高698.1m、にもかかわらず山頂からはぐるっと360°さらに見える山のラインナップが下越の山好きをうならせる山がそろいぶみ。山頂にはTV局のパラボラアンテナが設置されている=さえぎるものが少ないということが言えると思う。とんがった登頂意欲をかきたてられるディティールの山なのだ。

この日の天気予報は曇りのち雨。どうせ上にあがっても愛しの大日岳は恥ずかしがって姿を見せてくれることはないだろう。それでもひさしぶりに会う人と、ぜひ会ってみたかった人に会える。その人たちと温泉へ行くだけでも満足したかもしれない。

集合場所にみんな集まり初対面なのにネット上で見かけているので初めてという感じがあまりしない。そんなこともあってなれなれしすぎるぐらいのテンションであいさつをかわした。

除雪ステーションに移動し、車の台数を4台から2台にし登山口のある倉の平へ向かう。ほんのわずかな距離だった。

んめさんたぢ、うさんくらぁいがんかね? 茶色が今回のルート、赤が地元のおじいのお勧めルート
車から降りて歩き出し どうせすぐ曇ってきて...
この山の登り口である倉の平には立派な案内標識があるが、訪れる人は多くはない。本来の夏道は沢をつめていってけっこう上の方で尾根に取り付くらしいが、この時期は南西にのびる尾根にいかにはやくのれるかがキーポイントなのだが、それには沢の対岸に行かなければならない。

車を停め車道歩きわずかで倉の平。犬がしきりに吠える。平和な村の静寂をやぶる不審な5人。倉の平の方(上の写真の人)は、今日は天気も良く気温も上がるだろうから、林道の平で広いところに出たら沢を渡って尾根に取り付いていったほうがよいと助言してくれた。この方の家の前でワカンを着け礼を言って歩き出そうとしたら、とてもうれしそうな表情で見送られる。

朝は... みなさん.... 慎重です
林道歩きの後、沢ぞいの道で枝沢が左から入ってくるところは雪がかぶっていると踏み抜くことがあった。丸太を束ねた橋を渡る時、先頭を行くTさんが雪をどかしてくれる。この時は帰りにあんな事が起きるとは夢にも思わなかった。

いよいよ高みを目指しての急登。Tさんがルートを見定めスノーシューでトップを行く。その後を必死で着いて行く。木の枝をたよりに体を持ち上げる。幹の周りに足を置くとずぼっとなるがそれもまた楽しといった感じだった。460m付近で斜度緩み尾根にのる。そこから見晴しの良い所まで行き小休止。

アンテナのある山頂が見えこころはそこに立って見る大日岳。しかし距離はまだある。しかしこんなに晴れるとは誰が予想しえただろう。山頂直下にて呼吸を整えまた歩き出す。アンテナ設備の保守管理用のロープが地をはっている。これを利用させてもらう。ますます斜度がでてきて雪の着いてない所も出てくる。ここでワカンをデポ。山頂はすぐそこ駆け寄って大日を抱きしめたいそんな心境で最後のパワーを振り絞る。着いた。ザックからビールを出し雪にうめ、まっさきに大日岳方面が見える場所に行く。ただただ素晴らしい。こんなに見えるとは。

何いってんでしょうか? 急登を終えカロリーメイト Teny出演女優と
南西の川内方向を眺め至福の時 ご満悦
Yさんが持ってきてくれたシートに腰をおろし食事をとる。5月の連休のような日差し。ここで昼寝できたらさぞ気持ち良かろう。一時間半ほど休んだあと気の抜けない下りに足を踏みだす。コースは同じコースをたどる。Mさんはスキーを装着する。でも来た道で滑れるようなところあったっけ?

蒜場から烏帽子
大日岳..今年はあそこに立てるだろうか 行くなら湯の島小屋から行きたい
薮の中のMさん 今回のnavigaterTさん、軽快なfootworkで先頭を行く
激下り せっぴ。山頂も見上げる高さに
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↑これほんのわずかな距離の斜面でのショット。滑る方、撮る方どっちもただものではない!

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Tさん曰く、「もし滑ったら枝につかまって」そうならないように鉛直方向に重心をかけるよう、足のおく場所が木の根ではないか注意しながら慎重に歩を進める。

雪解け水を集めて激しく流れる沢の音が近い。「春の音だねぇ。」Kさんが言う。エネルギッシュで好きな音だ。

沢のところまで来て、ふぅ、あと丸太の橋ふたっつ渡れば林道歩きだけだな、と思いっきりこころは清川高原温泉にワープしていた。

丸太の橋のたもとで、踏み抜き沢に落ちる。「大丈夫?!」Kさんが聞く。「やいや、目ぇ覚めだぇ」と答え、「カメラは?」Mさんも聞く。確かめるが支障なかった。そのあとYさんも同じところではまっていた。

のこすところあとは林道歩き、せっせ、せっせ歩く。集落が見えショートカットしてたらまた朝の犬に吠えられる。車道にぴょんと出て、車のところに帰ってきた。全員無事帰還、ほっとする。ザックをおろしズボンを履き替え、さぁ温泉!と思い振り返るとKさんがもうスカートになっていた。手際の良さは山行き回数の多さと比例するんだなぁと感心する。

清川の温泉の旧館に入り、合併後の新市名。好きな人を飯豊にいざないたいけどどうしよう?などのテーマで話しがくりひろげられた。

総括

この山行きは5人のケミストリー(化学反応)がいい感じで響きあったようにに思う。天気も我々がこの青空を呼び寄せたのだ。運も実力のうちだと言いたい。←天狗になってる

2/28 記