楽園のバナナ売り





Happy Birthday、シャカ!

***
誕生日なので一日郵便局長……ならぬ
一日一般インド人をやらせてもらっているところ。
(一度やってみたかったらしい)
(アテナがお暇をくれたらしい)
上機嫌でお国のバザールをブラブラしていたら
通りすがりのおじさんに店番を頼まれた。
人生初店番。
内心結構ワクワクしている。
(でも全然店番になってない)
***


……という経緯が頭に浮かんでいたのですが、
しかし良く考えてみたら、よりによってシャカに店番を頼んでくれる
通りすがりのおじさんなんているのだろうか。

実際のところはこんなだったりして。



***
乙女座生まれの人たちのために
城戸邸で友人知人関係者一同を呼んで
フォーマルなバースデイパーティーを開くことになりました。
しかしシャンデリアもきらびやかな城戸邸の大広間に入ったみんなは
その場にまったくふさわしくない意外なものを目にしたのでした。
いったいいつのまに入り込んだのか、一同を待ち構えていたのは
大広間の絨毯の上にゴザを敷いてあぐらをかいた、
とても機嫌の良さそうなシャカだったのでした。

「誕生日おめでとう諸君!どれでも好きなだけ持って行きたまえ!」

みんなは必死でポーカーフェイスを保ちました。
シャカの前に積み上げられていたのは大量の野菜と果物、
そしてシャカの背後に積み上げられていたのは
招待された聖闘士と海闘士と冥闘士が
全員でがんばっても食べきれないほどの
大量のバナナでした。

「さあキミたち遠慮するな!誕生日に免じて奮発してやると
言っているのだ、早く取りたまえアンドロメダ!」
「あ、ありがとうシャカ……」
「いやでもなんかそれ微妙に違うような……」
「ていうかあんたは祝われる方の人だろシャカ……」
「どうやらバースデイパーティーというものが何なのか
良くわかっていなかったようね……」
「ていうか何でバナナ……?」
***


あああ。すみませんすみません。


〜〜〜
今年で最後の乙女誕、
勇気を出しての初参加でした。
描けなかった他の乙女座キャラにも両手一杯の言祝と愛を。

それから最後になりましたが二本木様、
毎年ステキな企画を本当にありがとうございました。
そして本当にお疲れ様でした。

2006年8月某日 ティカ 拝




(自サイト用追記メモ/06.9.24)
乙女誕に提出したものの再録です。
なんというか自分ではひたすら楽しかった1枚。
ちなみにこのバナナはカレーバナナと言って、
生では食べず皮ごとゆでて調理するそうです。
インド名産。
でも城戸邸のみんなは知らずに生で食べて
おなかを壊すんだろうな。


画材:Pict Bear 1.74


Painted by T'ika /〜2006.8.30