■せっかく御大の原画展に行ったのでミニレポート
(2014年6月22日・渋谷パルコPart1)
どこの部屋にアップしようか迷ったのですが、とりあえず語り部屋に。






日記でもちらりと書いたのですが先日、車田御大の原画展に行ってきました。
ミニレポートを日記にアップするつもりが、思いのほか分量が多くなったので、
別途こちらにアップします。
読めばわかる通り、大したレポートでもないのですが。(笑)

そもそも私がこの原画展の存在を知ったのは、何と終了2日前のこと。
木曜日に買ったチャンピオンを金曜日の深夜に読んでいたら
そこに原画展の宣伝が載っており、辛うじて間に合ったという次第です。
ゆえに、全くのリサーチ不足のままとりあえず飛び込みました。
どのくらいリサーチ不足だったのかというと、
会場は何と、写真撮影OK!だったのですが、
すっかり撮影禁止だと思い込んでいた私の手元には、
5年前に機種変したきりのボロいガラケーしかありませんでした。
ああ、もうこの時点で全然だめだ。色々だめだ。
十二宮に乗り込むのに聖衣も忘れて手ぶらで来ちゃった感、満載である。
しかもこのガラケー、気づいたらもう既にメモリがいっぱいで、
その場で色々がんばって消しまくったんですけど、
結局全部で12枚しか撮れませんでした。
……慙愧に堪えない。

そんな中でのお土産写真その1!ドオオオン!

十二宮編リアルタイム時にジャンプに載った、例の黄金全員集合カラー絵です。
当時まだ出番がなかったシュラとアフロとサガの顔が
思いっきり影になっててものすごく可哀想という例のアレです。
しかもムウ様がほぼセンター!(←ミーハー・笑)
いやはや、じっくり堪能してまいりましたとも。
中でも印象的だったのは、ホワイトの使い方でした。
このショボイ画質ではほとんどわかりませんが(爆笑)、
黄金聖衣の光沢が全部手描きなのがすごく良くわかりました。
ていうか、近くで見たら意外なほどに手描き感にあふれてた。
「絵の具で塗ってます感」もすごかった。

あと次に、何よりも印象的だったのが、ミスの少なさです。
ほとんど一発勝負で描いて塗ってんだなこれ……すげえ。
ていうか絵の具の塗りがめちゃめちゃ綺麗だった。
水彩絵の具のミスの許されない感がすごかった。
そしてあと何気に興味深かったのは、キャラの眼です。
かなり意識的に違う色で塗り分けてるのが解って、面白かった。
いや、原画ってものすごく大きかったので、コミックスではつぶれてるような部分でも
ものすごく色々なことがしっかりと印象深く見えたんですが、
それを特に感じたのが、個人的にはカラーで見た時の「眼」だったかなあ、と。
ちなみにカミュ先生のマニキュアもしっかり確認しました。(笑)
当時のアシさんが冗談半分で塗ったという例のマニキュア。(笑)
想像以上の存在感。(笑)

そして生原稿が想像以上に綺麗で圧倒されました。
なんかこれほどの細かい作業を人間の手でしかもノーミスで、
いったい何回くらい繰り返したなら、この作品が出来上がるんだろう……的な。
あまりの精密さと作業量と正確さとに、圧倒されたような感じです。
いや、正しい意味での職人芸だよ。手描きすげえよ。マジですげえよ。

ムウ様アップ(ひいき)

このホワイトの手描き感、少しは伝わるでしょうか……
(ああ……全然だめだこりゃ……)

さて次に白黒原稿です!ドオオオン!

たまに汚れとかがホワイトで修正してあって、
「コミックスと全く同じ絵なのにリアル原稿だ!」「生だ!」感が増大します。
そして相変わらずホワイトの使い方が美しいです。
私は今度から御大のことを「ホワイトの帝王」と呼びたい。(←迷惑)

あ、そういえば御大のホワイトで思い出したのですが、
今回一番「へええ!」と思ったのが、滝涙の描き方でした。
りんかけの最終回のシーンでわかりやすく観察することができたのですが、
まず普通に顔を書いて、肌の色を普通に塗って、その上から滝涙の涙の部分だけを全部、
ホワイトを使って塗りつぶしてたんですね、あれ。
さらにそれから瞳の瞳孔のあたりにも大量のホワイトがまぶしてあって、
そのおかげで瞳の輪郭線が途切れて見えるようになってました。
ああいうふうにして「ものすごく泣いてる」感を出してたんですねー。
生原稿を見ると、滝涙のコマだけ異様にホワイトの量が多くて笑えました。
これ、アイオロスの遺書シーンとか、青銅の皆さんは
かなりのホワイトまみれだったんだろうなあ。(笑)

あと地味ながら圧倒されたのが、頬とかの汚れを全部ペンで表現してるところ。
線が細かくて、しかも均一で、しかも大量で、なんか砂絵を見てるようだった。
アシさん何人いたって足りやしねえよこんなの……
週刊誌でこのクオリティの原稿上げ続けてたって一体どういうことだよ……
あと「太い主線はかぶらペンを何回も重ねて描いてる」ってのは
御大インタビューからも割と有名な逸話なので、
私は今回「ぜひともチェックしよう!」と意気込んで行ったのですが、
その主線の重ね方があまりにも正確で職人芸すぎて、
なんかもう本当に注意して観察しないと一本の線にしか見えなくて、
完全に眼が点になりました。なにこれ。すげえ。こまけえ。御大こまけえ。
めっちゃ意外だけど(いや本当はそれほど意外でもないけど)、
御大なにげに、相当こまけえ。(←ほめてます・笑)
そして確かに指を痛めるのも良くわかる……。

さらに例のあのシーン。

これも実際見たらものすごく大きな絵なんですが、
だがしかし1枚の中に12人も入ってて、しかも全員黄金聖衣を着てて、
いやもう何がすごいって密度がすごいんですよほんとに。輪郭線だけでも。
というかこの原画展、全体的にそうなんですけど
線の細かさと綺麗さと量と密度だけでもうすでに圧倒されきって、
完全に感覚がマヒしてしまって、それで
聖衣の描き方とかトーンとかのことまで全く頭が回らなかった。
なんかもう「すげえええ!」って言いながら見まくるだけで精一杯で、
頭の中で分析とか細分化とか考察とか、全くできなかった。
とりあえず辛うじて「ホワイト綺麗」って思った。
聖闘士星矢ってホワイトが輝くマンガなんだなあ。

上記の写真以外にも色々なシーンが展示されてました。
あとヤングジャンプに載った天界編のカラー原稿とか、
あと他作品のりんかけとか、風小次とか、男坂とか、魔矢とか、サイレントナイト翔とか、
ビートXとかその他諸々、ついでにNDの生原稿とか、本当に色々あったんですけど、
いかんせんケータイのメモリが全く足りなくて、 全然写真撮れませんでした。
本当に慙愧に堪えない。
特に男坂の「未完」の文字を撮り忘れたのが本当に慙愧に堪えない。

だがそんな中、私が敢えて厳選して激写した以下のお宝写真を見よ!
クワッ!

恐らく小学生(低学年?)とおぼしき頃の御大が趣味で描いたという自作マンガ。
ク、クオリティ高すぎだろ……?小学生だぜ……?
そして本当に車田正美は本名だった。いや知ってたけどなぜか感動した。
そして当時は「車田プロ」ではなく「車輪プロ」だったらしいのがジワジワ来た。
というかこのデザインセンスとか芸の細かさとかに感嘆したのは
私だけではないはずである。多分。絶対。

お宝写真その2!ザシャア!

続・車田少年が趣味で描いたという自作マンガ。
ていうか!クオリティ高すぎだろ!趣味かよこれ!
なんか当時の貸本マンガの影響を強く受けてたそうです。
ていうか……ほんとにクオリティ高すぎだろ……趣味かよ……これ……
ていうか!
個人的に、普通に中身を読みたくて仕方ないんですけど!
めっちゃ気になりまくりなんですけど!
読ませてー!お願いー!

そしてお宝写真その3!ドオオオオン!

何と、これ、御大が「高校3年の夏、初めてジャンプに投稿した作品」なんですって!
いや、ていうか、高校3年!?
すげえ……。うめえ……。普通にうめえ……。
ていうか、読みてえ……。普通に読みてえ……。
なんかジャンプの賞をこれで獲ったみたいなこと書いてあったし、
別に一般公開してもいいんじゃないですか。
ねえ何で中身読ませてもらえなかったんですか。

そして最後におまけ!ドドオオオオオオオン!

なぜか、純金の射手座の黄金聖衣が飾ってありました。
な ぜ 作 っ た 。


しかしこのしょぼいガラケーの写真からですらわかる通り、
純金の黄金聖衣、めっちゃキラキラしてました。
そしてめっちゃ重そうでした。
そしてめっちゃ警備のおじさんついてました。(笑)
しかも警備のおじさん、私が写真撮ってたらさり気なく移動してくれました。
しかも前後左右4方向から撮ったのに、そのたびにさり気なく移動してくれてました。
警備のおじさんさり気なく優しかったです。その節はどうもすみません。
もしかしてグラード財団が雇った警備員さんでいらっしゃいましたか?(笑)

以下おまけ写真(前後左右)
 後ろから

 前から

 左から

 右から

キラキラしつつ、終わる。

(※なお、このキラキラ写真を何枚か削除して「未完」と「NEVER END」の写真を撮るべきだったのではないかというツッコミ点に関しては、まったくその通りだと私も思います!ていうか後で気づいて自分にショックを受けました!何という失態!ぬううー!)

<完>


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