おまけ。(数分後)


「ムウ?…大丈夫か、どうした?」
「……シオン、すみません、何だか、酷く、わたし……」
「ああ、この爪か?気にしなくていい、かすり傷だ」
「でも」
「そうすまなさそうな顔をするな。わたしはむしろ良かったくらいだぞ?
今夜のおまえはいつになく」
「シオン……!!……笑わないで下さい……」
「……す、すまない……ああ、おまえは可愛いな……どうした、顔が朱いようだが」
「……どうして。そんなに余裕なんですか。わたしだけあんなになって」
「……おまえ、本当に余裕が無かったのだな。わたしが余裕に見えたのか?」
「え?」
「お互い様だ」
「でも」
「何だ」
「わたしは……あんなに早く」
「おまえだけではないだろう」
「嘘」
「そんなところで嘘をついてどうする」
「でもあれは……合わせてくれただけでしょう」
「酷いな。そこまで買いかぶってくれなくても良いものを」
「だって、……いつもは」
「それは、おまえがいつもと違ったから」
「…………。」
「ふ……。結構可愛かったぞムウ」
「…………。…………シオン」
「何だ」
「もしかして、焦らしてた?」
「…焦れてくれたのか?」
「…………。わかってる、くせに」
「ふ。そう、拗ねるな。……たまには、よかろう」
「……ええ、まあ、……たまには……ね」


********
もう勝手にやっててください!ご馳走様!
……ていう感じの。
シオンに対して(だけ)鈍かったり頻繁に絶句したりするムウ様とかも好きです。

…ていうかすみませんくだらない上にえげつなくて。


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Written by T'ika /2003.9.12