今日は、友部正人のリクエスト大会が吉祥寺であった。
お客さんみんなに紙とペンが配られて、やってほしい曲を3曲だけ書いて、
投票数の多い曲をやるというライヴ。
今回ステージは友部さんひとり。うたうたいならではの催し。
第5位、各3票18曲という所から、客が言った曲をどんどん演って行ってくれた。
やっぱ、友部正人はディランなんだって。もうすげえや…!
正直言って。ここで僕が言う凄いとか、良いってのは。
他の人はどうでもいい事だと思うけど(笑)。
普段、自分が使う凄いとか、良いとかっていうのとは全然別物だと思って下さい。
僕にとって、ディランは他の人の音楽とは全然違うところで響くんだけど。
友部さんの音楽も、明らかに別腹に来た。
彼の持っているマシンガン(=うた)は凄いよ!
世界をいきなりひっくり返されて、そのままトンズラこかれちゃったような心持ちだ。
「真実だけでは生きられない。」
「僕が嫌いなのは、嫌いなのは…、小泉首相がブッシュに会った時の浮かれた顔。」
「SPEAK JAPANESE JAPANESE!」
「父親のいない娘と、夫のいない母親は、愛について考える事で結ばれてる。」
「乾杯!身元引き受け人のいない僕の悲しみに。」
「ねえ、いつまでも信用のおけない君と僕でいようよ。」
「今、歌詞おかしかったよね。…あ、おかしくなかった(笑)。」
やる曲やる曲がみんないろんな方向を向いてるもんだから、
シュールだったな。この感じだよ。ディランだよ、ホントに。
で、何故か泣きそうになるのだ。この感じもディランなんだよな。
まあ、友部さんは友部さんで。ディランはディランなんだけど。
もうこの際、ここでは分けなくてもいいんじゃないかな(笑)?
会場で買った友部さんの「ちんちくりん」という本に、詩人の谷川俊太郎と
25歳!の時の友部さんの対談が載っていて。オモシロカッタ。
ちょっと載せてみる。
谷川:だいたい今みたいな暮しは満足してるわけ、してないわけ?
どういうふうになりたいわけ?
友部:銀行ギャング。
谷川:じゃ、まだいまでもなんかぶっ壊したいわけか、なんでも。
友部:どうかな…そうだと思う。じゃまするのとか、出しゃばったりとか、
とにかくあんまり人の感情を良くしないようなことってすごく惹きつけられる。
谷川:どういうことを悪いことだと思っているわけ?へたな詩書くとか。
友部:ううん、へた、うまいはあんまり関係ないみたい。
自分から物事が離れていっちゃうのがすごくやなの。
谷川:そうねえ、だいたいみんな迷ってられないから、
どっちかを選択しちゃうんだよね。で、選択するときに、
ちょっとでも他人と通じ合えるほうを選択するんだよ。
友部:一生迷っていられたらいちばんだよ。
こういう人が自分の周りにいたら。絶対友だちになりたいと思うだろうなあ…(笑)!
最後に。友部さんが語ったディラン。
〜たぶんディランは、日常には出口を求めなかったのだろう。
そこに、出口はないと確信していたのではないだろうか。
ディランがせっせと歌を作り続けたことは、
出口をさがすことそのものだったのだと思う。
出口は自分自身の中にあったのだ。
う〜ん。イカすね!
[2004/11/22 02:35:31]