〜9.11の日、あなたはどこで何をしていましたか?
本作は、9.11事件とその報道で、自国の政府について衝撃を受けた「アメリカ人」の物語である。
ヴィム・ヴェンダース最新作、「ランド・オブ・プレンティ」がそろそろ上映されますね。
彼の最新作は、レナード・コーエンの「ランド・オブ・プレンティ」からタイトルが冠せられているそうです。
(2001年に発表された、透徹な境地に至っているとも言える作品、『TEN NEW SONGS』に収録。)
彼らの祖国アメリカの、腹部を深くえぐった作品のようです。
楽曲は、レナード・コーエンに直談判して許可を得たと言います。
たとえ「パリ・テキサス」を越えていようがいまいが。僕にとってはどうでもいいことです。
僕は「ミリオンダラー・ホテル」も「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」もとてもいい映画だと思ったし。
今こそ。アメリカ人がいったい何に傷ついたのか?ということに触れる時なのかもしれません。
ストーリー。
亡き母から預かった手紙をロスに住む叔父のポールに渡すため、アメリカで生まれたものの、
アフリカとイスラエルで育ったラナは再びアメリカの地に降り立つ。ベトナム戦争で負傷した後遺症に
苦しめられ、今また「あの攻撃(9・11)からまだ2年」と9・11に呼び起こされたトラウマによって、
誇り高き自由の地アメリカを必死に1人で守ろうと、街中を警備し、警戒を続けているポール。
ロスのダウンタウンの伝道所で遭遇した2人は、1人のアラブ系男性のホームレスが銃撃される現場に
居合わせる。その男の死をきっかけに、2人は死んだ男性の兄が住む町、カリフォルニア州トロナに向かう。
ポールは事件の真相を知るために、ラナは遺体を兄に届けるために。
そして妄想に取りつかれてきたポールはトロナで現実を知り、受け入れる。
2人は9・11のニューヨークの現場に向かう。
ポールはトラウマから開放されるために、ラナは故郷アメリカの姿を見つめるために。
そしてニューヨークで、グラウンドゼロをビルの屋上から見る…。
[2005/10/07 01:14:30]