イラクで、テロ組織に人質にされていた日本人の方が殺されました。
僕と同い年でした。酷い事だ。
しかし、我々の倫理がまったく通用しない世界が厳然と存在する。
近視眼的に思うのは、この時期にあの土地を「自分探しの旅に出たい」
と選んだのは大変な間違いであるように思う。
間違いに間違いを重ねた非常に恐ろしく混乱した土地であるだけに。
だけど。「自分探しの旅に出たい。」というこの方の気持ちは痛いほど
分かるだけに。他人事のようには考えられない。
しかし、日本人として、この国の無能さ加減にはやはり腹が立つ。
こういう時の為に、政府があるんじゃないのか?最低最悪だ。
「戦争はいけません。」と子供に教えている国なのに、
戦争にならなくても済んだかもしれない問題を、
戦争で潰そうとした国を支持し、協力し、応援し。
なおかつ、その戦争で必ず生じるリスクに対する、備えも、力もないわけだ。
そのど真ん中で一番からっぽなのは、それらに対するヴィジョン。
なんで、最初に言えなかったのか。
「何があっても戦争はいけません。」と。
日本が言わなきゃ、どこの国が言えるんだろう。
人類史上初めて、戦争を禁じた国じゃないのか?
こういう事は、誰でも分かることなのに。
僕はそんな風に考えます。ただそれだけですが。
しかし、考えるのと考えないのとは、大きく違うと思う。
現実的に実際の国の政策を変えろとか、そういう問題ではなく。
僕たちが日常で暮らしている延長線上に、地続きにこういった問題がある
という事を想像するべきだと思う。自分がこの殺された方だったなら。最期に、
この方と同じく、「すみませんでした。また日本に帰りたいです。」としか言えない。
テロと戦う前に。この国の中枢は自分の国と戦っていないんだ。
そして、その国で暮らす自分の甘さ加減についても考えてしまいます。
[2004/11/02 01:17:42]