友部正人の「ちんちくりん」という本がヤバすぎて、
僕はなんだか、言葉のトリコです。
僕が、言葉をおもちゃにしているのではなく、
言葉が、僕をおもちゃにしているのです。
だから、別になんか思いついているわけじゃないんだけど。
なんか言葉を連ねて行ってみようと思う…。
う〜ん、何から始めるか…。
心臓の鼓動が天狗になった巨大テレビ画面付きのビルディングの
天狗鼻をへし折ってぶん殴ったらどんなに痛快だろうと君が言うので
僕はそんなことより君の小さな小さなハートの形をした心臓の
脈打つ一定したルールをほんの1秒でも遅らせられたなら
それはとっても素敵だよって言おうと思えば言えたのだけど
そんな恥ずかしい事言えるキャラではないのでそんなことは言わずに
僕は蕎麦が食べたいなあと言ってみる事にしていたのだが
通りを黄色い信号急いで渡れと足早に駆けていく人の波に揉まれて
ようやく言えたのは「あーお腹が空いたなあ!」
でも揉みくちゃにされたのは人の波にではなく時間の流れにであった。
おっと〜。それは青い色をしていて、アマゾン河の人食いワニのように
僕の心を覗いてくるっと翻り、母なる河アマゾン河へと帰って行った。
そうか〜。しかしそれはワニではなくてターボのボタンを押した
ちょっと熱過ぎるドライヤーであったのかもしれなくて、
仕事の時間を気にしている僕の頭をからかい半分に撫でつけながら
有給休暇を利用してヨーロッパ周遊旅行にでも出掛けたかもしれなかった。
古いものが分からない。新しいものが分からない。
三年前の陽射しに3日後の朝出会うかも知れない。
君は笑っていたけど本当は怒っていたのかもしれない。
僕が法螺ばかり吹くから。法螺を吹いてばかりいたら、
時間が餌を貰いにやって来たので、
御馳走はみんなあの大海原にばらまいたよ!
と僕は時間たちに教えてやった。
時間たちはみんな旋回飛行で思案顔。時間たちは疑り深くて、
騙されやすい。でもそのうち頭の冴えた時間の一羽が僕の心がなんだか
旨そうだと気づき舌舐めずり。だから僕はそいつをピストルで打ち殺した。
撃たれた時間はギャーといってパタンと地面に落ち、
紫色になりながら死んでいった。
その時間は遺言を残した。時間はかつて青い色をしていたと。
そのことは君と私だけの秘密だと。匂いがあった事も忘れるな。
触るとザラザラしていたし、呼び掛けると「やあ!」と気前良く返事を
した事も忘れるな。だけど僕は今サングラスをかけているから青とか紫
とかなんだか見分けがつかないんだ。右の端から、左の端まで。
絵の具をみんな混ぜてしまうと、なんで黒くなってしまうんだろう。
虹に白と黒は要らない。白と黒は仲が良いんだろうか。
それとも仇敵同士なのか。境遇は似ているんだろうか。
白と黒は飲み屋で同じものをたのむのだろうか。
でも死んだ時間が言っていた。時間はかつて青い色をしていたと。
僕は今までサングラスをかけていたから白いものと黒いものしか見分け
がつかなかったんだ。でも、はずせばいいことは知っていた。
すべての色には理由がある。ここに書いた事は正真正銘の戯言さ。
だけどそれは息を吸ったら吐くようなものだ。
右足を出したら、次は左足を出さなくちゃ。それが歩くってもんだろう。
あ、知ってた?でも最近、右足と左足を同時に出そうとする人も
見かけるかも。それってなんか難しそうだね。
おしまい。
[2004/12/02 02:36:28]