不思議な町の本屋で宮田氏と買い物に出かけた。
レジに並んで本を購入しようとすると、店員が領収書を出せと言う。
僕は財布を覗くが、そんなものはなかった。
『でも考えてみると、先日この本屋に行ったことがあるぞ?』と、僕。
前回訪れたときお金がなくて、そういえば親切な店長さんが領収書をくれ
『次回来た時にお金を払えばいいよ』と言ってくれたのだ。
困惑している僕をよそに宮田氏は用事があるとの理由で帰ってしまった。
そこへ、女性の店長が来てこう言った。
『お金を払ってもらえないと困ります。』
そこでなぜか僕は2階の部屋へ連れて行かれる。
そこでは一生懸命に取っ手を回している人がいた。
箪笥が風船のように膨らんだり、煮干しのように縮んだり。
どうやら、箪笥の膨らむのを防いでいるようだった。
だがついに押さえきれなくなった箪笥は大きく膨らみ、もう一つ大きな部屋と化してしまった。
『なんと恐ろしい箪笥…。』
そう思っている僕の横には大きな立ち鏡…いや、化粧鏡があった。
そこに映る僕はまるで悪魔のよう。
不思議な鏡は、映すものすべてを異形のものへと変えてしまうようだ。
そこで、僕は店から飛び出し、息をきらし、杉の並木道を走って家路に着いたのだった。
そんな悪夢を観て、目が覚めると頭痛が激しく僕を襲った。
ああ、頭が割れそうだ。
[2006/03/17 15:31:55]