TITLE:映画「鉄コン筋クリート」 |
というわけで、「鉄コン筋クリート」も宝町の変貌する様を実にリアルに描き出しているよね。 僕はそこに一番引かれました。 どんどん複雑化しているようで、実は反対に空虚になってゆく様はまるで 僕らの住んでいる町の様。 悪夢のような資本社会。 東京でも、畑や商店街が毎年確実に消えていく。 駄菓子屋なんてもう、一件しか残ってないや。 打ち合わせに行けば、金の話ばかり。 「アートは金にならない。」口を揃えて言いやがる。 そんな加速度的に腐りつつあるぼくらの町に一石を投じる、弾丸のようなマンガ。 それが「鉄コン筋クリート」なんだと思います。 その感覚をいち早く、嗅ぎとり教えてくれた宮田氏の嗅覚に驚きと感謝。 ココハ サムスギル。 ココハ セマスギル。[2006/12/30 11:52:35]
あー、そう言えば。そんな感じで言ってたかもしんねえなあ(笑)。 もう6、7年前くらいの話だしな。あの頃は、感覚的なもの、感情的なものに 惹かれていた時期でね。理屈や能書きが大嫌いだったんだよね。そこにしっくり来た。 うん、ようやっとの映画も良かったね。もうかなり話の筋も忘れていたけれど、 原作を読み返してみたら、ほとんど筋は変えていなかったしね。 まあ、若干毒気を抜いてある感はしたが、後半のイタチの闇の見せ方は 巧かったと思う。悪人の裡にある善。善人の裡にある悪。ひとつの真実だね。 クロは、最終的にシロの元に帰る。イタチを拒む。これは闇を裏切り、光を選んだ ことの象徴でもある。だが、イタチは消滅間際に言う。「俺は決して消え去りはしない。」 そう。クロの中から、闇が完全に消えることはない。このことを描いていることが非常に重要だ。 だから、今この「鉄コン筋クリート」を観ても(読んでも)、またその光と闇のせめぎ合い に出会い、飽きることはないのだと思うね。この引力があるから多くの人が惹き付けられるのだろう。 君の作品も今後、技術的なことや、プロモーション的な上辺の華やかさは増すことだろうが、 しっかりとした引力のあるコア(核)を持ったものを今後も見せてもらえさえしたなら。 言うことはありません。君の過去の作品を一番推してくれたのが、マイケル・アリアス監督 だったと言うのも、今にしてみれば、何か不思議な縁を感じるしね。以上![2006/12/30 01:10:36]
「ねえ、むっち鉄筋コンクリートってマンガ知ってる?」 「んー?なにそれ?」 「なんかー。すごいって話よ。壁に向かって手をついて、倒れる!倒れる!とか言ってるんだって!」 「へー。(意味わかんねーよ)」 専門学校時代、学校の帰り道でのなにげない会話。 当時、「鉄コン筋クリート」を「鉄筋コンクリート」だと勘違いしていた二人。 その後、あまり気の乗らないまま高円寺の古本屋DORAMAで全三巻を購入。 正直はじめはスタイリッシュなんて言葉では到底、説明がつかないその絵柄に 拒否反応。当時「宮田にはめられた…」そう、思ったものです。 読んだ途端、そんな考えはぶっ飛んでましたが。 その時にこのマンガに出会うのと、出会わないのとでは、その後の僕の作風や 価値観はまるで違っていたはず。そのくらい、グレートな作品だったのを今でも 鮮明に覚えています。たしか、BGMはマグノリアのサントラ。 そんなブッ飛んだ作品を、見事に映像化してみせたマイケル・アリアス監督に乾杯。 秀作です。[2006/12/25 23:06:45]