よくここのBBSでは、何故だか人様の詩を容赦なく載せてしまったりしています。
どうなんだろうとは思っていたんですが。
何人かの方から、ポジティヴな感想を頂きましたので、
また今回も載せてみようと思います。
最近、ふと手にした、
nagai hiroshiという人の「a hundred poems」という詩集がなかなか良いのです。
さらっと平易な言葉で、さらっと面白い事を取り上げています。
読んだ後の気持ちはなんだか、すっきりする感じ。なんです。
その1、ロックンロール・モダン・ラヴァーズ
こんにちは、やあ、やあ、
何かを発見していたわけではなく、何かが起こるのを待っていただけで、
そこから特別に学んだものは何もなかった。でも、やがて気がつかされたのは
ロックンロール・モダン・ラヴァーズという言葉の響き。
正直な気持の中で、毎日眠っていた。それは、どこへも行かず、どこにも行けない、
ただものぐさなだけの呪文のようでもあった。
月の輝く夜に、ビート・ゴーズ・オンと叫んでいた時代は遠ざかり、歴史や出来事、
山や河、砂漠や滝、海に湖、もちろん、恋の話は永遠だけど、
自分の家のことも含めて、いろんなことを歌い出した。柔らかに、
沢山のイディオムを抱え、使用して、時代の歌が作られるようになった。
ニューヨークやカルフォルニアだけじゃなくて、テキサスやニューメキシコ、
そして、アイルランド、イングランドと、いろいろなところで、
いろいろなスタイルになって音楽は定期便のエアーメールのように空を飛び始めた。
コーヒーを飲みながら、1日中刻んでいるビートに浸り、本の中の文字を追っていた。
ジャケットに写っている風景や人々を眺めては、今の自分の風景と照らし合わせて、
きっといつかは自由にそんな景色の中に飛び込んでいけることを願っていた。
でも、待つだけの人生など誰も信じてはくれず、頭に巡る言葉だけを
いつも口ずさんでいた。ロックンロール・モダン・ラヴァーズ。
ジェリー・ガルシアは今までに聞いてきた音楽を、友人のような音楽と言った。
知っている事は全て話すつもりでいるのだけど、
もう、思い出す事も少なくなってきて、やがては、
12小節のブルースに還元されていってしまうのだろうか。
でも忘れてはいけないのは、呪術のような言葉の繰り返しとメロディの繰り返し。
それがいつも希望を救ってきた。そして新しい希望を求めるために、
また、新しい友人を探す。ロックンロール・モダン・ラヴァーズ。
その2、柔らかい気持ちで柔らかくわかってほしい事柄
楽しむことのできる風景を思い出すことができますか
気がついた風景の中にいったい何を見ようとしたのか考えたことがありますか
いつでも、いつまでも、しかし、それでも
探っていくとうきうきするような音楽に出会うことはありますか
歌っている相手の顔がスピーカーの中で恥ずかしそうに笑っているのがわかりますか
そわそわ、もっとも、目がときどきしばしば
書いている文字の形に疑問をもったことがありますか
気持ちのこっちにもあっちにも伝わらないと感じたことはないですか
じっと、いつまでも、しかし、それでも
柔らかい気持ちで柔らかくわかってほしい事柄
[2004/05/19 21:47:15]