コラムとしてアップするほど煮詰められてはいないのですが、思い立って書いています。
以前に私がサーキットで仕事をしていた頃から、そのサーキットでは初心者をも対象としたスカラシップ選考も兼ねたレーシングカリキュラムが行われていました。 私自身は詳しく記載していませんが、フォーミュラーを志し海外渡航をした経験を持ちます。だから何だ!?と言うわけでもないのですが、そんな私から見た、最近のプロレーサーを志す方達や、乗用車を改造して遊ぶ方達に対し思う事があります。
どのジャンルを見ていても、行儀良くマジメに走る方達が多く、実に感心してしまいます(※極端に正反対の人も居ますが)。モータースポーツと言う物に関るとなると、皆さん少なからず大金を叩いている事と思います。
プロを目指すとなれば、それなりにシビアな世界があり、”走りたい”と言う”気持ち(情熱)”だけでなく、それに伴った”理論”と”テクニック”が必要とされます。
個人的に楽しんでいるだけであれば、まぁソコまでの物は求められないので、適当に楽しんでいればOKだと思います。
難しいことは面倒なのでココでは割愛します。
話を元に戻すと、サーキットで仕事をしていた時、仕事をしながらそのカリキュラムを眺めていました。 金額にすればソコに参加している方達は¥○○,○○○,○○○以上の金額を投資して参加している事になります。
ちょっと桁が凄いですけど(^^;)
コレだけの金額を投資して参加する以上、皆かなり本気なんだと思います。その様な方達が多い事は実に嬉しい事です。
あるとき、有る程度カリキュラムを消化してきた選手達は、とあるレースの前座でのレースをする事になりました。 自分達にとって、そのステージが如何に大切な意味を持っているのかは言わずと知れた事であるのは明白でしょう。
レースと言う世界・・・しかもプロの世界を目指す者にとって、ソコは正しく自分をアピールする為の絶好のチャンスなのです。 選手達の緊張は計り知れない物があった事と思います。
色々な前座を消化して、いよいよ”熱き夢追い人”の出番が回って来ました。 私も昔日を思い出しながら、ドキドキと眺めていました。
予選を無難に走り、何事も無く決勝にコマを進める選手達。 全車ウォームアップランを終え、スターティンググリッドに着きます。シグナルがグリーンに変わり、一斉にスタート!
混乱の1コーナーになるのか?と思いきや、皆素晴しいテクニックで無難にコーナーをクリア。続くコーナーも綺麗にクリア。車間距離は結構詰まっているのですが、皆綺麗に数珠繋ぎのままコーナーを次々とクリアして行きます。
続いてホームストレートに戻ってきた選手達、何台かが前車からイイ位置に着いて最終コーナーを立ち上がってきます。 立ち上がりからストレートに掛けてスリップストリームに着いて・・・そのまま再び1コーナーへ。
・・・。
私が何を言わんとしているのか解るでしょうか??
カリキュラムの一部とはいえ、コレが本当にレースなのでしょうか??素晴しいテクニックとは皮肉で言っているのです。
昨今、どの様な業界でもその世界を極める為のセオリーが確立され、それに伴って自分を変化させて行きます。 自分を手っ取り早く昇華させてゆく為には、必然の手段であるのも事実。
しかしソレだけでイイのでしょうか??
例えば野球、例は多数ありますが、野球では野茂選手やイチロー選手や新庄選手etc...。
どの選手にも共通している事は、自分のスタイルと言う物を持っているという事。 無論、駆け出しの人間に自分のスタイルを確立させろと言うつもりはありません。私が言いたいのはそのスタイルの奥にある物なのです。
スタイルは技術・理論・経験などから徐々に形成されて行くものです。しかしその本質はその様な物で形成される物では無いと思うのです。
ことモータースポーツにおいて、日本国内に置ける底辺の狭い資金優先型の特殊な環境を考えると、何とか食い付く為に必死に自分を変化させている様子がヒシヒシと伝わ
ってくる所もあり、仕方ない部分も有る事とは思います。 しかしその本質までも変化させてしまっては意味がありません。それでもイイと言う方もいるのも事実です。その様な方にはプロを目指して欲しくはありません。何故なら
そのタイプの人間は面白みの無いレースを展開し、見ていてもつまらなく、観客よりもスポンサーを大事にして、ひいてはモータースポーツその物を衰退させてしまうタイプの人間に他ならないと思うからです。
答えを先に言ってしまえば、その本質とは・・・【信念】です。
夢を追う以上、その世界に求める物が必ず有ります。野球であれば、「誰にも投げられない様な速球を投たい」とか「予告ホームランをやってみたい」等など。
野球の場合は色々なポジションによって多種多様な目標が有ると思いますが、ことモータースポーツに置いて、その目標は単純明快です。 楽しみでやっている方と違い、プロを目指す以上目的は一つ【誰(自分)よりも速く!!】です。それに付随して速く走る為の走り方に違いが出てくるとは思いますが。
たとえそれが遊びであったとしても、速く・カッコ良く走りたいと思います。
そこにエンターテイメントの普遍的かつ不変的な要素を考慮すると「観客が見ていて楽しいプレーをしたい」という目的も出てくることでしょう。
本当のプロになってしまえば、スポンサーなどの問題もありバカな無茶は出来ませんが、それが一番底辺の世界では逆になります。
レースの世界では、形にはまり無難な走りしかしないヤツは、面白みの無いつまらない人間となってしまい、日の目を見る事は出来ないでしょう。 また、見ていても楽しく有りませんし、実際走っていても面白く無いと思うのですが・・・。
上手く話がまとまらないのですが、私が言いたい事は「イイ子になるな!本来の自分を出せ!!」みたいな事が言いたいのです。
コレは周りを顧みずに我を通せと言ってい るのでは無く、思いやりは必要だがイイ子になり過ぎて、自分の本質を押し殺しては意味が無いと言いたいのです。
ある事を始めるからには、心の中に何かを持って始めていると思います。 どんな世界でも、人と違う事をやるということは、風当たりも強く困難を極める事もあると思います。
しかし上記に挙げた野球人達などは、自分の【信念】を貫き通し、そして”今”を手に入れているのです。
私は言いたいのです、「若い年代(私達の年代)のうちに必要以上に周りを気にして自分を殺して、一般的な社会の枠にはまるなんてしていてはダメだ!」と。
”もっと自分らしく・もっと楽しく”・・・自分の生き方を見つめて欲しい、例えバカと罵られようが、「何やってるんだ?(嘲笑)」と白い目で見られようが、自分の生き方を持って行きたい。そして自分の信じる道を進んで行きたい。
これはモータースポーツだけに限った事ではありません。どんな世界にも共通し、普通に生きている方達にも言える事です。
また環境が変わりその様な生き方が出来なくなったとしても、その様な人間達を温かい目で見守ってあげて欲しい・・・。
人にはそれぞれ、自分の信じる物・大切な物があり、ソレを護り求めて生きています。ソレを否定するという事は、その人格その物を否定してしまう事になります。
そのような純粋な気持ちや個性を蔑(ナイガシ)ろにする様な事は、止めて下さい。
私からの切実な願いです。
面白みの有る、温かで魅力的な方達が沢山出てきて欲しいと思います。
(※無論、私もその様な人間になりたいと思います。)
走りに関しては、熱い走りで見る者を魅了する様なドライバーになりたいですね♪(※勿論、速さは必須ですが(笑))
※そして最後に、”自分らしく”というのは大切ですが私の言っている人間とは、人の迷惑を省みない思いやりの無い、悪い意味での自己中心的人間になれと言っているのではありません。
常に人を気遣い、労わることが出来る思いやりのある人になって下さい。”自分らしく”とは、イイ意味での自己中心的人間です。