■280馬力規制撤廃へ・・・国交省も前向き 自動車工業会

自動車メーカーの業界団体である日本自動車工業会は十日、現在、業界の自主規制で二百八十馬力としているエンジンの最高出力の上限を撤廃することを決めた。近く国土交通省に伝える。最高出力の制限は自動車メーカーの自主規制だが、輸入車では二百八十馬力を超える車の販売を認めていることなどから、国も規制の撤廃に前向きな姿勢を示している。近く二百八十馬力を超える国産車の販売も認められる見通しで、今後各社から発売される新車の魅力が一段と向上しそうだ。

最高出力の制限は、エンジン出力の高い高性能車で事故が多発したことなどから、平成二年に業界の自主ルールとして、二百八十馬力以下に制限された。パワー競争が際限なくエスカレートすることを避ける狙いもあった。当初は三年で見直しを行うとしていたが、その後も見直しは行われていない。ただ、この間も輸入車では二百八十馬力を超える車の販売が認められていた。このため、業界関係者の間では「規制には意味がない」との見方が少なくなかった。また、規制のない海外向けには二百八十馬力を超える新車も投入されており、二重の技術基準による開発費の負担増加が、自動車メーカーの国際競争力の低下につながるという指摘もあった。

自動車業界ではこれまでも国交省と規制撤廃に向けた協議を行っていたが、車体安全性能の向上に加え、出力向上で加速性能など走行安全性の向上にもつながる側面も期待できることから、自主規制の撤廃を決めた。



※「Sankei Web」より抜粋

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