土佐光起 伊勢物語西の対図 部分(修復画像)
 本図の画面には、傷みが多いため、フォト・レタッチ・ソフトを用いて、画像上で修復を試みたものである。美術作品のデジタル画像による修復の場合、制作時の生々しい彩色等の状態の復元を目指すものが多いが、ここでは、画面の現状における傷を修復し、色彩は経年の度合を反映するような修整とした。
 伝来の歴史を画像上に込めることも、デジタル画像修復の一つのあり方ではないかという考えに基づくものである。