37土屋子爵家(旧土浦藩主)

子爵土屋家御蔵品入札 大正14年10月1日 東京美術倶楽部

 土屋家は、旧土浦藩主。土屋数直・政直父子が老中を務めた譜代大名家の名門である。この2人は、小堀遠州の系統に連なる大名茶人としても知られており、主に政直の蒐集にかかる茶器を記録した『土屋蔵帳』は、江戸時代の大名茶の道具の実態を知るための手掛かりとして、小堀遠州の『遠州蔵帳』と並んで著名なものである。
 残念ながら、『土屋蔵帳』に記載された道具の大半は、江戸時代から明治期に、すでに土屋家から流出していたようで、この入札においては、その主要なコレクションは含まれていない。