55説田家

説田家蔵品展覧目録 昭和6年5月19日 東京美術倶楽部
説田家蔵品展覧目録 昭和7年6月8日 東京美術倶楽部

 説田家は、江戸時代から続く江戸新川の下り酒問屋である。明治以降も、酒問屋として繁栄し、明治期の当主説田彦助は、日本のおける瓶詰め酒輸入のさきがけとなったほか、日本商船株式会社、日本防腐木材株式会社の社長などを務めた。美術品等のコレクションには、彦助による文人画の秀作が多かった。同家の売立の目的については不詳。
 昭和6年の売立では、渡辺崋山筆「渓間野雉図」(現、山形美術館)が100,000円、木米筆「兎道朝暾図」(現、個人蔵)が46,300円で落札されるなど、総売上額は384,000円余を記録した。
 また、7年の売立では、「周銅雷」が71,000円で落札され、総落札額は161,000円余となった。