18池田侯爵家(旧岡山藩主)

池田侯爵家御蔵器入札 大正8年4月7日 東京美術倶楽部

 旧岡山藩主池田家は、戦国時代の池田恒興から続く池田家の宗家。
 この入札も、伊達家、秋元家以来続く、旧大名華族の家財整理と、売上金による家の財政基盤の確立を図ったものであると思われる。『書画骨董雑誌』大正8年5月号によると、出品作品には、能面、能衣装、能道具等以外優品が少なく、しかもこれらの多くは親引となったとあり、同家の主要なコレクションの処分が目的ではなかったことが窺われる。それでも、総売上は850,000円を記録した。絵画作品では、入札当時はさほど注目されなかったが、岩佐又兵衛「押絵貼屏風(樽屋屏風)」(その後、屏風各扇が掛幅に改装され、分割伝来)が出品されている。
 岡山池田家の主なコレクションは、その後もしばらく同家に伝来し、現在その多くは、林原美術館に収蔵されている。