25茂木家

茂木家旧蔵品入札目録 大正10年12月19日 東京美術倶楽部

 初代茂木惣兵衛は、上野国に生まれ、幕末、明治初頭の横浜で、生糸貿易により富を築いた。茂木惣兵衛の名は、3代にわたって襲名され、原三渓の原家などと並ぶ代表的な横浜生糸商として活躍した。また、初代惣兵衛は、熱海の観光名所熱海梅園の開設者としても知られている。
 大正9年、第一次大戦後の戦後不況の中で、その主体企業である茂木合名会社が倒産。この入札は、その倒産整理のための私財提供のため実施されたものと思われる。
 出品作は、狩野派、円山四条派等を主とした近世絵画、茶道具など多岐の分野に及ぶ。
「本手立鶴茶碗」が48,000円、「寸松庵色紙(としふれは)」が20,000円など、総売上は628,000円に及んだ。