16京極子爵家(旧丸亀藩主)

旧丸亀藩主京極家御蔵器入札 大正7年11月11日 東京美術倶楽部

 旧讃岐丸亀藩主京極子爵家は、佐々木源氏の血脈を引く武家の名門である。丸亀藩2代藩主京極高豊は、野々村仁清に多くの作品の製作を依頼し、仁清の庇護者として知られた。この入札には、今日でも仁清の代表作として知られる「色絵藤花文茶壺」(現、MOA美術館)、「色絵吉野山茶壺」(現、福岡市美術館)、「色絵釘隠」(現、京都国立博物館)などが出品された。
 「色絵藤花文茶壺」が68,000円、「色絵吉野山茶壺」が70,000円など、高額で落札されたが、内見会を観覧した高橋箒庵は、狩野常信の三幅対、英一蝶の横物とこれらの仁清の作品以外には「観るべき者なし」と評している。