27九条公爵家

公爵九條家御什器入札 大正11年7月10日 東京美術倶楽部

 九条家は、五摂家の一つに数えられる公家の名門。この売立の時期、大正天皇の皇后となった九条節子(貞明皇后)の実家として、知られていた。九条家の所蔵品売立の理由のついては、判然としない。小田部雄次氏は、憶測の域を超えないとされながら、裕仁皇太子(昭和天皇)の摂政就任、宮中某大事件として知られる皇太子の婚約問題、皇太子の洋行問題などで、宮廷内内の様々な動きの中で、皇后が資金を必要としたのではなかろうかとされる(『家宝の行方』)。
 総売上額は280,000円余とそれほど大きくはないが、尾形光琳筆「孔雀立葵図」屏風(現、個人蔵、当時は衝立)が20,500円で落札されるなど、出品された書画の中には、注目すべきものが散見される。