49徳川伯爵家(一橋徳川家)
伯爵徳川家御蔵品入札目録 昭和3年10月22日 東京美術倶楽部
一橋徳川家は、江戸時代、徳川御三卿の一家。最後の将軍徳川慶喜が、水戸徳川家から一橋家の養子となり、その後将軍家を継いだことは、よく知られている。
この入札も、十五銀行破綻による華族の家政不安を救済するために実施されたものと思われるが、詳細な理由は不明である。
出品作品の中では、尾形光琳筆「群鶴図」屏風が71,980円、池大雅「岳陽楼・酔翁亭図」屏風(現、東京国立博物館)が36,993円などで落札され、総売上は410,000円を超えた。
なお、一橋家のコレクションに含まれていた著名な作品としては、元来表裏をなしていた尾形光琳「風神雷神図」屏風、酒井抱一「夏秋草図」屏風(東京国立博物館)があるが、これは、この入札会とは別に、内々で移動したと思われる。