売立目録100選


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 戦前、日本・東洋美術の移動の場として、入札会は、大きな役割を果たしました。

 この時期、江戸時代までの政治・経済の主役であった大名・公家・豪商などの中には、前時代以来の力を失い、経済的な苦境の中で、伝来の美術品等を手放さざるを得ないものが多かったのです。
 その一方、明治維新以来の近代化の流れの中で、新たに経済力を握った財閥等の財界人などは、茶道などの自らの趣味のため、あるいは、財産保全の一環として、などさまざまな理由でこれらの美術品を買収しました。 ただ、繰り返される好・不況の波の中で、折角手に入れた美術品を手放さざるを得なかった財界人が多かったことも事実です。

 このような美術品に移動の記録として注目されているのが、売立目録(入札目録ともいう)です。
 売立目録は、入札会が盛んであった大正期を中心に、明治末期から昭和10年代までの期間、多数発行されました。
 その数は6000冊とも7000冊とも言われ、掲載されている作品の中には、今日、国宝や重要文化財に指定されている日本・東洋美術を代表するような作品も多数含まれています。
 また、掲載されている作品の中には、今日行方不明になっているもの、関東大震災や第二次世界大戦などの災害で失われたものも少なくありません。

 このような意味から、戦前の売立目録は、今日でも日本・東洋美術研究、日本における美術受容史研究、戦前の政治・経済・社会史研究などの重要な資料と位置付けられます。

 このページでは、そのような売立目録のうち、重要と思われるもの100冊について、その内容の紹介を試みます。
 基本的には、各冊の収録作品のリストです。
 100冊に掲載されるすべての作品を図版入りで紹介することはできませんが、一部の作品については、作品の図版も紹介します。

 なお、このページは2007〜2009年度文部科学省科学研究費補助金基盤研究C「売立目録所収美術作品のデータベース化とその近代日本における美術受容史研究への応用」(研究代表者:高松良幸 課題番号:19520098)の成果の一部を紹介するものです。

 恐れ入りますが、まだ工事中のページもあります。
 あしからずご了承ください。


                                                   高松 良幸
 


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2007〜2009年度文部科学省科学研究費補助金基盤研究C
「売立目録所収美術作品のデータベース化とその近代日本における美術受容史研究への応用」
(研究代表者:高松良幸 課題番号:19520098)
研究報告書 別冊

uritate100-houkoku.pdf