Screw ・・
ねじ!(平仮名で表記するのが正式らしい・・)

まずは、ねじの締め方だ!
ねじを締めるときは、ドライバーで時計回りに回す! 当たり前のことだが、ちょっと待て!
ギターに使われているねじは、ほとんど木ねじで、しかも小さい!
ピックガートを止めているねじなどを、いきなり締めると、木部をなめてしまってねじが効かなくなるのがオチだ!

木ねじというのは、まずねじをねじ穴にあてがって、ソフトタッチで軽く、ゆっくり反時計方向に回すのがキモ!
そうすると、コトッとねじが溝にフィットするように、落ち着く所があるはずだ!
そこが正規のねじ山なので、そこから時計回りに回すと、木部をなめることがない!
だが締めすぎは厳禁だ!
回らなくなるまで締めると、だいたいは締めすぎで、そのうちにねじ穴をなめてしまう!
特に、マホガニーやアルダーなどは、木が柔らかめなので注意が必要だ!

万一、木部側のねじ穴をねじ切った場合は、ドリルでねじ穴を整え、できるだけ同じ材質の丸棒を埋め込んでから、
再度ねじ穴を作ってやれば修復できる!(工作自体は簡単たが、苦手な人は自分でやらない方がいいかも・・)
また、最近はねじ穴を補修するボンド状の製品も出回っているので、そちらの方が簡単かも・・

これは同じギターに使われているねじだが、左が磨きビフォア、
右がアフターだ!
写真では分かりづらいが、ねじの溝にもこだわるのが磨き道だ!
しかし、これは薬液に頼らざるを得ない!
溝を磨くには、ヘッドもこすらなくてはならず、そうすると頭だけメッキの剥げた格好悪いねじになってしまうのだ!

薬液については「Gold Parts」を参考にしてくれ!
「2001」ならばゴールド・パーツはもちろん、クロームメッキや、ニッケルメッキにも使える。

テガールはニッケルメッキに使うと、効果はあるが、直ぐに赤くサビてしまうので使わないでくれ!
ねじは磨くのがとても面倒なので、サビの予防に力を入れたい!
で、やっぱり活躍するのは弦の潤滑剤だ!
写真のようにねじの足を持って、ねじの溝にブシュッと一吹きしておけば、結構サビは防げる!
サビ以上に格好悪いのが頭がつぶれたねじだ!
From USA は最初からつぶれているものがたくさんあるが・・

で、肝心なのはドライバーだ!
いくら注意しても、ドライバーのサイズと形がねじと合っていなければねじ山をなめてしまう!

写真のように、同じサイズでも先が尖ったものと、丸いものがある!
要はねじにピタッとあっているかどうか!
ねじにあてがって、コトコト動くものは使わない方がいい!
なので、ギターのメンテナンスには数種類のドライバーが必要だ!

  ちなみに、ねじ山を完全につぶしてしまって回らなくなったら・・

1.ハンマーで鏨(タガネ)を軽くねじの頭に打ち込み、スジを付けてマイナス・ドライバーでまわす!
2.電気ドリルでねじのセンターを掘り、粉砕して取り出す!
3.ショック・ドライバーで一発解決!
という方法があるが、当然これらはデリケートなギターには使えない!

ねじの回辺がキズつかないようにビニールテープなどでガードして、ねじの頭に「本体から取り外した糸ノコの刃」(金工用)で切れ目を入れて、マイナス・ドライバーを押し当てて回せば、だいたいは外れる!
しかし、切りすぎると、ねじの頭が真っ二つに割れて、どうしようもなくなるので、マイナス・ドライバーがひっかかる程度に軽くというのがコツ!
もちろん、取り外したねじは交換だ!
極小のねじには「ジュエラーズ・ソー」の刃でやってみてくれ!

ピックアップやペグの取り付けねじは上記の方法で何とかなると思うが、ピックガード等に使われている皿ねじだと糸ノコでは切れない!
ここはルーターの出番だ!
左写真のような極小の丸ノコ状のビットがあれば、皿ねじにも切れ目を入れることが出来る!
この際、ゆるめる側の切り込みが鋭角になるように削るのがコツだが、多分ルーターのビットが暴れるので、周辺にキズを付けないように!

ねじ山がつぶれたら、プラス・ドライバーで回すことはほとんどの場合無理だ!
何とかマイナス・ドライバーの引っかかりを作るのがミソ!
マイナス・ドライバーの先を研ぐなどの工夫も是非試してみてほしい!